第93-1話 Day2夜 守りも攻めも準備から
いつもお読みいただきありがとうございます。
今年中にもう一話くらいは出しておこうかと。まぁ、今年は終わりますけどね。
夜だから任務遂行のためにナイフを持ち、さて魔物退治に行こう。
一刻前、ステラは意気込んでいた。
意気込んでいたはずだった。
今はというと――
「ステラちゃんは勿論アンカーだよ」「いや、むしろ先頭?」
「アイラさん、頑張ろーね。ステラさんまでに前のみんなが頑張ってリード作るから!」
「皆様、私のことをなんだとお思いで?」「最強?」「それはマジでやめろですわ」「ひぇ」「いえ、それほど怒ってはいませんわ」「うーんとね、スタートラインはここでいいー?」「一人何周かな?」「二周!」「さんせー」
「じゃんけんぽん」「わたしこっちー」
……今はというと、パジャマパーティーから一転、リレーのために枕を持ち、さてアイラチームに勝つぞーと、ステラは意気込んでいた!!
「さて、準備準備……ってそんなことあります!?」
「ど、どうしたの?」
「あ、おきになさらず。気が動転しただけですの」「どど、どうしたの!?」
さて、あたふたと心配してくれるチエに感謝しつつ、今回のリレーについて簡単にさらっておく。
各五人ずつの二チーム。一人ずつ部屋を二周して、先にゴールしたチームの勝ちだ。
野外じゃなくて屋内、バトンは棒の代わりに枕、ということ以外、いたって普通のリレーである。
私のチームは私とメメ、あと何人か。そして相手のチームは、アイラとチエ、それと数人だ。知らない子もいるから、後でお話ししたいところ。
さて、今回のリレーで重要になること。それは、なにより準備。というより、念入りな安全管理だ。
「はい皆さん、ご注目。転ぶと危ないから靴下は脱ぐこと。枕をバトンにすること。置いてある鞄より内側を走って抜かそうとしないこと。こけそうになったら頭を守るために枕をお顔にくっつけること。曲がるときは少しスピードを落とすこと。良いかしら?」
「「「「「「はーい」」」」」」
よし、みんな、真面目な子、えらい! 自由時間に空き部屋でかけっこはおろか、リレーを始める子が真面目なのかはさておき……
安全意識を周知したので、次は環境チェック。滑りやすい場所はないか、ソゲ、棘、でっぱり、角はないか、入念に確認する。
最後に自身の調子の確認だ。入念にひざを曲げ、足首も回す。ついでに手首、腕、首の筋肉もほぐす。
今日はかなり頑張ったので非常に体が重たいが、緊急時にそんな言い訳はできない。いざって時に最高速度で走れなければ私が居る意味がない。
「おぉ、ステラちゃん、やる気だね」
「えぇ、もちろん。いざって時のためにね」
「いざって時?」
それはいつか。
それは、誰かが転けそうになった時。この距離なら、私が全力で飛べば急所は守れるはず。私がいる時に、誰かを危険にさらすなんてことはもうしたくない。
ただまぁ……もう一つ、大事なこともありますわね。
それは……
「ふぅ。準備万端ですわ。さてさて、ではでは。私たちのチームの皆さま――」
「チームステラでいいんじゃないー?」「それは少し恥ずかしいですわ」「まぁまぁそう言わず」
「……うーん、じゃあ、チームステラの皆さま?」
「はい!」「うぃ」「おー」「よいさ!」
うーん。夜も遅いのにみなさんお元気なこと。
「ひとまずご安心くださいませ」
「「??」」
こほん、もうひとつ、大事なこと。
「アンカーは私。だから私までバトンをつないでくだされば、いくら遠かろうがぶち抜いて見せますわ――」
「「!!」」
何よりも――
「――大事なのは、勝利!」
「「「「た、頼もしい!!!」」」」
もう一つの大事なこと。
勝負だからね。やると決まった以上、私の力でパワー勝ちしますわよ。
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いつもお読みいただきありがとうございます。
もう少し書こうと思っていたのですが、色々ありまして、こんな感じでした。来年はもう少し書きます。




