守ってあげたい-最終話
――後日。
写真集の販売は滞りなく終わった。まだ二山ほどの在庫はあったが、成果を祝しての宴会を部室で行うことになった。
「それでは、かんぱーい!」中川
「乾杯!」全員
各々が紙コップに注がれたジュースを飲む。そして拍手。
「いやぁ、上々ですね、中川部長」新田
「いやぁ、これも皆様のお陰ですよ、新田君」中川
「本当によく売れましたね。もう、充分黒字ですよ」新田
「この残ったのはどうするの?」坪井
「それは、別売り。配達分と、後から注文してくるやつもいるかもしれないからさ、余分に印刷したの」中川
「予約分だけじゃないの」坪井
「いや、印刷所の都合で、印刷部数ってのは決まってるんだよ。だから、少し多めに発注したの」中川
「売れなかったら、どうするの?」坪井
「いいの、もう黒字だから。まぁ、余分に売れた分は、丸々こっちの儲けになるってこと」中川
「それは、別注ということにして割高で売るっていうのはどう?」新田
「さすがは、新田君。切れるね」中川
「でも、スポンサーには、断ってあるの?」坪井
「ん?いいや」中川
「そんなの、いいの?」坪井
「いいのいいの。丸ごと取られてたまるかよ。契約通り払ったんだ、後はおれの判断。おれ様をなめるな、ってとこだな」中川
中川はピザを口に運びながら、豪語した。