2-3.1, 二見区スタンプラリー!1・2月編
どうも、黒ずくめなあくりる!です。さて、スタンプラリー本編です!色々題名変わっちゃってすいません……。次話もどんな題名になるのか分からないんで、次話投稿してから編集します。それではお気を付けてご覧ください!
「バス~バス~るんるんる~ん」
『…………』
他の人に聞こえていないらしいからいいものの、俺の肩に乗って訳分からん歌を歌うのは止めてくれ。
「あれ、みんな楽しくないの?」
「……バスなんて普通なの、ダイアちゃん」
「へー」
今俺の肩に乗っているのは、誕生石の精霊とか言うダイア。そんでもって俺の名前は、漸地風雅。そして一緒にいるのが俺の幼なじみ、八潮美玲と不思議な転入生、相川白夜。
で、俺たちは二見区スタンプラリーという企画に挑戦していて、今は区役所からバスで、翠玉駅という場所に行き、そこから総合競技場を目指している。(作者:詳細は開催編をご覧ください。)
なんでもそこは一月の誕生石、ガーネットに関わる所らしい。
「で、お前は総合競技場に着いたら何か名所紹介してくれるんだよな?」
「うん。ガーネットがしてくれる」
「は?」
「名所に行くと、私人格変わるから」
「はぁ!?」
「風雅君、声」
「あ、やべ」
傍から見たら、俺は独り言を呟いている悲しい少年なのだ。
「そんなの言ったかお前」
俺は小さな声で話す。ああ、なんでコイツなんかのために声をひそめなければならないのだ。
「もう黙ってろよ……」
「はーい」
「お菓子食べる?」
『食べる』
突然の美玲の提案に俺たち(俺、白夜、ダイア)が頷く。つーかダイアは食えるのか。それで、美玲がお菓子を渡してくる。それはクッキーだった。
「いただき」
「いただきます」
「はむっ」
俺と白夜が言うと同時にダイアがクッキーを頬張った。食えんのかよ。ますます分からん。
「あ、落ちちゃった」
ダイアがクッキーを落とす。俺の膝の上に落ちたので取ってやった。
「ほらよ」
「あっりがとー」
と言い、またクッキーを小さな口の中に突っ込む。
『フェアコンめ……』
「違ーよ……」
美玲と白夜が声をそろえて言った。もうこの二人怖い。
「いっその事、風雅君とダイアさんはアホコンビでよくないかな?」
「それよ白夜君! アホコンビ!」
そしてビシッと俺とダイアを指す。
「ふぁ?」
そしてダイアが間抜けな声を漏らす。
「もう決定ね」
俺たちはバスの振動に揺られ続けた……。
※
「駅到着」
「バス乗り換えね」
「どーもー」
『は?』
突然、ダイアだった生き物が、言った。今はダイアじゃないのだろうか。
「こんにちはー。私はエメラルドって言いますー」
「あ、そっか」
白夜が、ポンと手を叩く。
「ここは、五月でエメラルドの場所、翠玉の碑があるんだよ」
「だからダイアちゃんの人格が変わったのね」
「紹介しますかー?」
「今はいい。とりあえず総合競技場目指す」
「分かりましたー」
俺たちは総合競技場行きのバスに乗った。途中でダイアに戻ったりしてたけど、割愛。
※
「着いたな。一月の総合競技場」
無事、俺たちは総合競技場に到着した。今の時刻は午前十時くらい。
「こんにちは……。私ガーネットと申します」
「こいつがガーネットか……」
「なんか何も言えないかな」
「私も」
ガーネットの口調は、どこか探偵じみていた。面倒くさそう。
「とりあえず中入ろうか」
白夜が先頭となり、総合競技場に入って行った。そこで見えたのは……。
「トラックで人が走ってる?」
美玲が感想を漏らした。そう、スタンプラリーに参加していると見られる人達が、一周400mのトラックを走っていたのだ。
「あ、皆さんスタンプラリーの方ですか?」
「はい」
名札を首から下げた女性の、係員さんに話しかけられた。
「この総合競技場でスタンプを手に入れるための試練は、トラック一周です」
「はあ!?」
「誰が走りますか?」
「この人で」
「はい」
「ええ!?」
美玲に即答され、慌てる俺。
「個人個人じゃないの?」
「このようなグループの方ですと、ここでは一人代表者が、トラックを走るだけでいいんです」
「マジかああああああ」
「それではこちらで」
「頑張ってー」
「風雅君なら平気でしょ」
「そうね」
勝手に話してんじゃねええええええ!!!!と思いながらも、トラックに立たされる俺でした。
風雅が走っている頃、私と白夜君は、ガーネットさんの話を聞いていた。
「ここ、総合競技場でしたね? ここは、一月の誕生石のガーネットに関わる場所なのはご存知でしょう。ガーネットの石言葉は真実などで、この総合競技場では、200年前にある儀式をした際に設置した力、ガーネットの真実の力が宿っていると言われているんです。実際、ここの砂には、ガーネットの微細な粒が含まれています」
「へえ……」
「それと、ここの地下ではガーネットの原石が採掘出来るそうです」
「はー……」
「なんかためになる話を聞いた気分」
私と白夜君は、結構その話に聞き入っていた。
「あ、そろそろ風雅君走り終わるね」
白夜君が言ったので、トラックの方を見ると、風雅がぜぇぜぇ言っている所だった。
「は、走ってやったぜ……」
「お疲れ」
「はい、スタンプです」
係員さんにスタンプを押してもらう。スタンプを押す所はパンフにあって、三人とも一月の欄が埋まった。スタンプは、総合競技場をデザインしたものだった。
「さぁ次は紫和神社か」
「電車だね」
次の二月、アメシストに関わる紫和神社までは電車からバスの乗り継ぎだ。
「電車って?」
あまりここら辺に詳しくない白夜に聞かれた。
「潮奏半島海岸線ってのがあって、その駅がここの近くなんだけど、そっから各駅停車で西尾駅って所まで行って、そっからバスで神社」
「へー」
そう思うと、このスタンプラリーは土地勘がある人じゃないときついのかな。結構ローカルだし。
「じゃ、駅行きましょ」
『はーい』
「私の出番はここで終わりですね……」
ちょっと惜しむかのように、ガーネットが言った。
「いや、とってもためになりましたよ」
「うんうん」
「そうですか。よかったです」
そう言うとガーネットはほほ笑んだ。
「まったく分からん」
俺は何も聞かされていないので、ちょっと悲しくなるのだった。
そこからは順調に、電車で西尾駅まで行って、紫和神社近くのバス停に停まるバスに乗った。フリーパスって便利。
※
「着いたね」
「うーん、自然って気持ちいい」
俺たちはバス停で降車した後少し歩いて、紫和神社に到着した。
「あー、どうも~」
「……出たよ」
また人格が変わったらしい。
「あっし、アメシストと申します~」
「演歌みたいね」
「なんか笑える」
今度は、演歌調なのだった。一体なんなんだお前は。
この紫和神社は、結構パワースポットとしても有名なのだ。神社内には、スタンプラリーの人や、普通に観光目的の人とかがいる。
「スタンプラリーの方はこちらへー」
気づくと、神主さんらしき人が声を上げていた。指示通りに、そちらの方へ向かう。
「ここでは、おみくじを引いてくださいー」
「結構簡単な試練ね」
「うん」
俺たちは一回50円のおみくじを引いた。
「お、俺末吉」
「私大吉! やったー」
「僕は吉」
「くっそー」
「そろそろ紹介などさせていただいてもぉ~よろしいでしょうかぁ~?」
「あーうん」
その間に俺たちはスタンプを押してもらう。今回は、この神社をイメージしたスタンプで、二月の欄が埋まる。そして、アメシストの話が始まった。
「この紫和神社は二月の誕生石、アメシストに関わる場所ですね? アメシストの石言葉は、心の平和・覚醒等があります。この地は、元々普通の場所に過ぎなかったのですが、200年前のある儀式の際に、使命を与えられ、特別な場所となったらしいです。ここも、地下でアメシストの原石が取れるそうです」
「っていうか、お前はなんでそんな事知ってんだ?」
アメシストが淡々と語っている中に、俺は少し疑問を覚えることがあった。
「元々私達は、二見区に宿る誕生石の力から産まれた精霊です。その親となるのが、力宿し場所なのですから、語ってくれるのですよ。この歴史を……ね」
「……へぇ」
「とまぁ私が言えることはこれくらいですな」
「ありがとう、アメシストちゃん」
「なんのなんの」
そういや美玲は『ちゃん』よく付けるな。なんてことに気づいた俺。
「次は無音岬だってね」
白夜がパンフを見ながら言った。パンフには回るべき所が地図と共に記してあるのだ。
『あ』
その言葉を聞いた時、俺も美玲も白夜も凍りついた。何故なら、
『遠いし』
そう、次に目指すべき無音岬はなにしろ現在地と真逆の方向にあるのだ。とっても面倒!!
「どうしたものね」
「僕は分からないし」
美玲と白夜がチラッと俺の方を見る。美玲はこういうの苦手だし、白夜には土地勘が無い。そもそも面倒だから、風雅任せたって事だろうな……。
「へいへい」
適当に返事をして俺はルートを考える。
―――――ここからだと一番近いのは、中央線の合間駅か……。それだとさっきのバス停から行けたよな……。それでちょっと遠回りになるけど蒼玉駅まで行ってバス&徒歩か、区役所までバスで行って、蒼玉駅行ってバスか……。距離でいうと区役所経由の方が早いよな。
「よし、決定」
「どうするの?」
そして、俺が考えた一番早いルートを言う。
「さっきのバス停から、中央線の合間駅まで行く。そっからまたバスで区役所を経由して、蒼玉駅。それで無音岬の手前までバスで行って、残りは徒歩」
俺の提案に、美玲も白夜もアメシストも口を開けてポカーンとしている。
「ま、まさかこのアホ風雅がここまでの名案を思い付くとは……」
「風雅君の事見直したかも……」
「俺はそんなに過小な評価だったのか」
美玲と白夜には酷い事を言われた。なんてこった。そして、残りのアメシストは、
「くかー」
「寝てやがる」
「かわいい!」
美玲が瞳を輝かせる。俺にゃあ別にそうなるもんでもないが。
「美玲さんもフェアコン?」
「ブッ」
急に白夜が言った。こいつ、命知らずなのか。天然なのか。
「んー……、認めざるを得ないのかもね。なんか風雅ごめん」
「……おい」
まさか美玲がこんな事を言うとは思わなかった俺は、思わず突っ込む。
「でもなんかお腹空いたかな」
「同感」
白夜が言った事にはまったく同感であった。現在時刻は十二時くらい。
「じゃあセールしてたし区役所付近で食べようよ」
「そうだな」
「おすすめの所あったら教えて」
『おk!!』
ちなみに中央線とは、潮奏半島中央線の略称で、その名の通り潮奏半島の中央を通ってる路線だ。線路は縦の楕円になっていて、二見区はその下側の曲線になっている線路が通っている。主な駅は、翠玉駅、紅玉駅、蒼玉駅。
それはともかく、まずは区役所までいって昼食を取る事にした俺たちだった。
〈3・4月編へ続く〉
精霊さんが大きなカギとなるこのスタンプラリー編……。ちなみに題名の「1・2月編」とは、1月と2月の誕生石に関わる場所編という意味です。それと、フラグ祭りにお付き合いください。では!




