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Sky-high!  作者: あーく
3/18

1-3, 普通じゃない俺のダチ

どうも、あくりる!です。今回は少しお話を。



このSky-high!を見た知り合いのAさんから、「風雅と美玲はリア充」と言われたり、Oさんからは「風雅が殴られてるのはあくりる!の望みか!?ドMか!?」などと言われました。

やっぱり作品の設定上、リア充っぽく見えてしまう二人ですが、決してそうではありませんので、ご了承を。でもやっぱそういう表現使っちゃうんですけどねwww

そして、僕はドMじゃない!!そゆことです!!

前書きが長くなってしまいましたが、どうぞお気を付けてご覧ください!


~1-2話の翌日(火曜日)~ 



「ふっかあああつ!!!!!!!!!!!」


 俺が出した声に教室の誰もが、こいつ何やってんだよという顔で見る。むしろ憐れんでいるようだった。あのなぁ、顔に出してないつもりかもしれないけど、めっちゃ分かるんだぞ!!なんて思ったり。


「ほーう、それは本当かい風雅(ふうが)ぁ?」


「俺にかかれば捻挫など赤子の如し!!」


 (じゅん)が皮肉めいた口調で話しかけてくるが、自信満々に返してやった。はっ、俺をなめると痛い目遭うぜ!!まぁ実際、昨日の体育で強打した右手首はよくなっていた。多分。確信ない。


「アホは傷の治りが早いっていうからな」


「それはバカだよ」


「同類だろ」


「アホをなめるな」


「認めんのかよ」


「認めない」


「認めろ」


「嫌だ」



「二人共かなり悲しい争いね」



「あ?」


 冷たく言い放ち続けていた俺と純の口喧嘩に、誰かが介入してきたので、思わず剣呑な口調になる。


「あら、私がどうかして?」


「あ」


「風雅、お前ご愁傷様」


「お望み通りにしてあげるよ」


 ああ、確かにこれはご愁傷物じゃん。俺の後ろにいたのは美玲(みれい)だった。しかも笑っているように見えるが一つ一つの動作が怖い。あーあ。終わった。


「せやぁっ!!」


 掛け声と共に、美玲が手刀を振り下ろす。俺の右手首にクリーンヒットー。


()ってええええええええええ(ry」


「治ってねえし」


「ね」


「えええええええええええええ(ry」


「こりゃ今日も部活は見学だな」


「このざまじゃね」


「えええええええええええええ(ry」


「言い加減黙れ」


 右手首の痛みにもがき苦しみ叫んでいた俺の頭を、純がはたく。痛いんだぞおい酷いぞ美玲。


「へいへい悪かったよ……」


「だったらちゃんと治して、私の手刀ぐらい平気で受け止めなさい」


「とりあえず保健室行けよ」


「おう……」

 ジンジンと痛む右手首を支えながら、俺は保健室で包帯を巻いてもらった。保健室の先生に呆れられた事は言うまでもない。


「美玲の手刀を受け止めろってのが無理なんだよ……」


 俺は独り言を呟いた。




 ~翌日(水曜日)~


「復活!!」


 昨日のデジャヴか? と、教室の視線が俺に集まる。昨日とは違う。復活が短いのだ。


「本当かよ」


「おう」


 純が話しかけるけど、治ったと思うのは事実だった。


「じゃあ試しに」


「へ?」


 これこそデジャヴだろ。と思った俺の後ろには美玲がいた。そして、また手刀を俺の右手首にヒットさせる。……あ。


「あああああああああああああ(ry」


「はい残念ね」


「今日も見学決定っと」


 もう痛いよ。




 ~翌日(木曜日)~



「復活……」


 教室に入った俺を向かいうけたのは、もう飽きたつまらんと言いたげな皆だった。


「はよっす」


 そして、いつものような感じで純の一言。なんかもうお察しつくぞ。


「はいっ」


 バッシイイイイインンと、俺の右手首に手刀を当てる美玲。


「痛ってえええ……」



「あ、反応変わったな」


「そろそろ治ってきてるのね」


「ぐああああ」


「でもまだ痛いみたい」


「だな」


 頼むから手刀を当てるのだけはやめてくれ。そしてそれを見て冷静に会話するのも酷いから。

 と、思った俺の右手首は、いつもよりはあまり痛んでないのだった。


 ※良い子のみなさんは、捻挫を手刀で治すような事しないでね☆ミ




 ~翌日(金曜日)~



「……………………」


 ひたすら無言のまま教室に入ってきた俺は、そのまま自分の机に突っ伏した。

 ここんところまったくバスケをやっていない。運動したい。


「まぁこんな同じ事が続けば憂鬱になるよな」


「ん? あぁ……」


 純が流石に同情する感じで話しかけてきた。憂鬱だよ。


「そういやお前はいつ怪我治ったんだよ」


「今日から復帰」


「あ、くっそ」


 俺もよくは知らないが、純はどこかに怪我をしていた。しかもそれが治って今日復帰とか。ずるい。


「じゃあ風雅もチェックするね」


 ああ、もう痛みが来るのは嫌だぞ。とか思った俺はいつも避けようとしている。しかし、今も美玲が目に捉えられない早さで手刀を繰り出すのだ。反射神経がついていけない。そして当たっちまう。


「痛い」


「あ」


「結構治ってきてるじゃん」


 美玲が珍しく関心して言った。確かに、俺の右手首は、今までの尋常じゃない痛みに比べたら、遥かに少ない痛みが襲うだけだった。

 それでも痛いものは痛いけど。


「でも今日も大事を取って部活は休み決定な」


「そうだね。分かった? 風雅?」


「あぅん……」


「女子かよおま!!」


 俺が出しちまった呻き声に純が吹く。そして笑う。


「風雅ってそんな変態だったっけ……」


 美玲まで……。酷いぜこいつらは本当に。




 ~翌日(土曜日)~


「おはよーすっ」


「おう、おはよう」


 俺は部活のため、今日も学校に来ていた。今日こそバスケができる。捻挫も治ったし。


「おっはよーっ」


 挨拶も程々に、後ろから現れた美玲が俺の右手首に手刀を当てる。


「うん、痛くない」


「お、これでようやく復帰か」


「良かったね」


 美玲の手刀を受けても、痛みは感じず(まったく無いかといったら嘘になるけど。そりゃ手刀くらったら痛い。でも捻挫からくるあの独特の痛みは消えていた。)、ようやく治ったと実感できた。

 祝、完☆治!! あーいあーい。


「でも美玲ちゃんもずいぶんと荒療治したな」


「まぁバカにはそれがいいかなーって」


「バカじゃない、アホだ」


『認めるのか(んだ)』


「それは違う!!」


 ったく……。とりあえず俺はひっさしぶりなバスケをした。部活って楽し

いな。本当に。




 そして今日は土曜日な事もあって、部活は午前中だけで終了した。


「風雅、久しぶりのバスケはどうだったよ」


「楽しかった」


「一言感想ね」


 そんな感想とか言われても、それくらいしか言えないんだけどな。それに今日は久しぶりすぎて、色々とおかしかったのだ。おかげで、基本練習をさせられる事になった。ドリブルとかパスとかシュートとかな。それでも久しぶりのバスケは楽しかった。


「んじゃ、俺はここで」


 ふいに、純が言った。ここはいつもの分かれ道じゃない。普通に中学校の近くだ。


「なんか用でもあるの?」


「ちょっと野暮用がね」


「ふーん。まぁじゃあな」


「ばいばい」


「おう」


 純はどこに行くのかも知らせぬまま、どこかに走って行った。




「あ、そうそう。風雅午後暇?」


 純がどこかに行った後、美玲が話しかけてきた。こいつからこんな事聞くなんて……。とか思ったけど、まぁそこは返す。


「俺はいつでも暇人です」


「そうだよね」


「突っ込まないのかよ」


 ボケ要素たっぷりに返してやったのに、突っ込まないとは何事だ。という心の声がうっかり出てしまった。


「別にそんなものかなって思うでしょ」


「……………………」


 まぁ暇なんだよ。おぅ。もういいやそれで。


「で、午後どうするってもう午後か。何する気だ?」


「力について調べてみようかなーって」


「あぁ……」

 

 そう思えば、最近はほのぼの(とは限らない)日常を過ごしていたから忘れていた。俺が先祖から受け継いだ『風を知る』力と、美玲の『潮の音を奏でる』力についてだ。

 美玲が言う事は、図書館に行って文献を調べれば、何か分かるかもしれないという事だった。最近進展といえる進展なんぞ無かったから、俺にも興味深い事だ。


「どこで待ち合わせ?」


「今から行こうよ」


「マジか」


 先に家に帰ってからとばかり思っていた俺は、少しだけ驚いてしまった。


 まぁだからといってその提案に反対な訳じゃないけど。


「昼飯は?」


「うーん……ちゃっちゃとコンビニで済まそうかな」


「分かった。じゃあ図書館に向かう途中にあるコンビニでいいよな」


「そだね」


 そういう事に決まった俺達は、図書館に向かう。






                   ※






 昼食をコンビニで買い、ぱっぱと食べた後の事。二見区立岬図書館が見えてきた。ネーミングセンスがどうにもならないのが、この地域全体の悲しいとこかな。この図書館は二階建てで、それなりに大きい。


「さ、着いたね」


 美玲が一番で図書館の自動ドアをくぐる。俺もそのあとに続いた。



「ていうかどこにあんだよ、風知市とかの文献って」


「郷土資料室でしょ」


「あー……」


 郷土資料室とは、図書館がある地域に関する資料が置いてある所だ。この図書館では、二階に大きなスペースであったような気がする。普通行かないし、あんなとこ。

 そんな文句をいう程子供じゃない俺は、階段を上って郷土資料室に行く。二階には学習室という、そのままだけど勉強をする所もある。

 学習室の前を通り過ぎ、郷土資料室に行こうとした俺の視界に、何故か見知った顔があった気がした。いやいや気のせいだろ、と思ったけど、もう一度よく見ると、案の定…………。


「あ、純君だ」


 美玲もその姿、純を捉えたらしく、小声で俺に呟いてきた。こうなったら思い切って声でもかけてやる。


「おーい、純」


「ん? って風雅お前いつの間に!!」


「どうもー」


「美玲ちゃんまで……」


「とりあえず場所変えるぞ」


 学習室で話していては迷惑と考えた俺は、郷土資料室に皆で移動した。


「で、何やってんだy」


「勉強だよ」


 俺の声をさえぎって純が話す。ああ、そうかそうかそーゆー事か。






                   ※






 時間は少し前に戻る。

 

 アホ風雅と美玲ちゃんと別れた俺、真田純は、そのまま図書館に向かっていた。


「さぁ、あの二人はこの後どうするんだろうな」


 返してくれる人はいないから、ただの独り言としてそのまま空気に消える。


「傍から見たら完全なるリア充なのにな」


 それでも二人は認めないけど。だからといって俺がいなくなる事でリア充っぽくなる訳も無いのが、あの二人の惜しい所だけどな。


「さ、しっかり勉強しますか」


 俺が図書館に行くのには訳があった。それは、先にあるテストの事を考えての事だった。美玲ちゃんはともかく、風雅もアホなのに何気に勉強は出来るのだ。普通くらいだけどな。

 そんな風雅にも負けてしまうのは少々癪だったので、こうして図書館に向かっている訳だ。

 ちなみに昼食は弁当を既に学校で食べている。





「よし、着いた」


 十五分ほど歩くと、二見区立岬図書館に到着した。ウィーンと音を立てて開く自動ドアをくぐり、二階にある学習室へと階段を上っていく。

 学習室は長机が五つほどあり、結構大きい。そのため空いている。

 俺は適当な椅子に座ると、背負っていた黒いバッグの中から教科書とノート、その他筆記用具を出した。その後、Wのマークが特徴的な某携帯型音楽プレイヤーとイヤホンを取りだし、イヤホンジャックに入れる。イヤホンを両耳にはめ、適当な音楽を流す。ジャンルは……ってここまでは教えないぞ。

 

 まずまずのペースで勉強を始めた。そしてそれから十分ほどたつと、俺に話しかけてきた人がいた。

 誰だろう? と思い後ろを向くと、風雅と美玲ちゃんがいたのだった。ああ、偶然にも程がある。

 風雅が、郷土資料室に移動したので、俺も勉強道具をバッグにぶち込み、郷土資料室に行った。

 そして至極簡単な質問をするので、風雅の声をさえぎり、答えてやった。


「で、風雅と美玲ちゃんは何をしにきたんだ?」


「ちょっと郷土資料室に調べ物」


「ふーん。風雅、なんかお前顔色悪いぞ」


「い、いやぁ? 別にぃ?」


 そういう風雅の顔は冷や汗をかいている。絶対なんかあるなコレは。よく考えると美玲ちゃんも直接的な事を言わなかった気がするな。


「ま、とりあえず探しましょうよ」


「お、おう」


 二人は沈黙に耐えきれなくなった様子で、潮奏半島の文献や、風知市の文

献などなどを漁り始める。手に取る本は、大体伝説などの本だった。

 それを見ても、二人の感じから見ても怪しい事は凄い分かるぞ。そりゃあ小学校の時から一緒にいりゃ、変な会話も聞くよ。『風を知る』だとかな。

 詮索しないのが俺のモットーだから深くは聞かないけど。

 でも分かる事はある。それはこいつらが、



 ――――――普通じゃない俺のダチ………。



 ってこと。何があるのかは知らないけど、俺は風雅と美玲ちゃんのダチだし、あいつらにとっても俺はダチだ。

 それだけ分かってりゃいいんだよ。 



 



 それにしても純がいたのは本当に焦った。

 まさか力の事はバレていないとは思うけど。

 純の事は置いといて、俺と美玲は文献の中でも、伝説系のを探していた。

 色々漁っていると、『潮奏半島の不思議』という本があった。これマジ最高だろと思った俺は、バラバラっと本を開く。そしてお目当ての事は見つかった。



“潮奏半島の不思議

 風を知る者達

 

 彼らは、この潮奏半島を領地にしようとしていた勢力の者達の前に現れ、潮奏半島の守り人と呼ばれる者達を説得しに行った。

 この守り人達は、余所者を入れる事を決して良しとせず、戦いをしていた。|(他ページに詳細あり)そして力も持っていた。

 だが、風を知る力を持つ者達は、守り人を説得できたそうだ。

 その風を知る者達に敬意を表し、風知市という名前になったともいわれている。


 『風を知る』力について


 この力は、意識を風に飛ばし、風を聞き、風と繋がる事とされている。この力を持つ者達の目は、力を使うときのみ緑色になるという。”




「へー……」


 俺は正直に驚いていた。まさか図書館にこんな事が書いてある本があるなんて思わなかったし、『風を知る』力の詳細が知れるとは思わなかった。


「あ、そうだ。美玲。これこれ」


「何それってナニコレ? 最高じゃん」


「だろ? とりあえず見とけよ」






 風雅から都合の良すぎる本を受け取った私は、バラっと本のページをめくった。



“潮奏半島の守り人について


 潮奏半島に元々住んでいた者達は守り人と呼ばれ、不思議な力が宿っている。それは、『潮の音を奏でる』力である。彼等は海をも支配したといわれているが、力の詳細は不明である。”



「………………」


 正直がっかりした。肝心の所が無いのだ。力の詳細くらい教えたっていいでしょうが!! ケチな本だな。


 本を破りたい衝動を抑えて、他のページもパラパラっとめくる。その中に興味深い文章があった。



“無音岬の伝説


 人がまったく訪れない事で知られている、無音岬にはある伝説とも、言い伝えともいえる事がある。それは、

『岬の塔から、きれいで澄んだ音色が響き渡る。そして世界は在るべき場所へと還る。』”



「ふーん……」


 無音岬とは、光矢岬と対をなすような岬の事で、この場所には人がまったくいない。それどころか、物音すらせず、風と波の音しか聞こえてこない所。こんな所にも伝説がある事を今初めて知ったのだった。






「なんか収穫あった?」


 図書館から帰宅している時に、美玲が俺に聞いてきた。


「あった。美玲は?」


「まぁぼちぼちかな」


 それでも今日は、自分の知識を深めるには十分な一日だった。





前書きだけでなく本文も少々長くなってしまいましたね。そしてそして、図書館の下りで色々と明かされた事や、また新たに立ったフラグもあったと思っています。そして次回はScene2!!……になり、物語が次の段階へと進みます。それでは!



※1-3.5話が入ってます。すいません。

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