第5話 成り行きで勇者になった私、仲間の志が高すぎる
流れで仲間を増やしてしまったが、交流しないことには人となりが分からない。旅をするなら少しは相手を知ることから始めないと。
「マホルはどうして魔法使いになったの?」
「おばあちゃんが素敵な魔法使いでね、子供の頃泣き虫だった私にいつも綺麗なお花を魔法で出してくれたの。だから私も心が温かくなるような魔法が使える魔法使いになりたかったんだ!」
「そうなんだ、すごいね。ちなみにお母さんも魔法使いなの?」
「ううん、お母さんは専業主婦だよ?」
「……そっか」
血筋だから、とかではなくマホル自身が自分で魔法使いを選んでいた。それに比べて私は……。
「アックスはどうして戦士になったの?」
「俺はよぉ、昔から力だけあってさ。体もでかいし周りに怖がられちまって。そんな俺を見かねた親父が薪割りに連れてってくれて、斧を握った時にこれだ!!ってなったんだよ。俺の怪力を活かすには斧しかねぇって。戦士なら斧も使えるし、人の役に立てるだろう?」
「ちなみに、お父さんかお母さんが戦士だったり?」
「いや?親父は木こりでおふくろは専業主婦だ」
「……そっか」
脳筋ぽい見た目の割にきちんと考えている男だった。人の役に立ちたいという願いも大変素晴らしい。それに比べて私は……。
「プレストはどうしてプリーストになったの?」
「僕は子供の頃体が弱かったんです。周りに友達もいなくて、体調の良い時だけ教会でお祈りしていました。教会の人々は皆優しく、病弱な僕にも分け隔てなく接してくれました。僕も神父さんのようになりたい、そう思ったのがきっかけです」
素晴らしい、私が採用担当だったら即採用している。それに比べて私は……。
「ありがとう、みんな。とても素晴らしいね。これからよろしく」
勇気があるから勇者だとでもいうのだろうか。そんな勇気すら、私には無いのに。




