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海百合中戦徒会活動記録  作者: 如月ケイ
番外列章 幕間
17/20

幕間 翔と千里とサボリ魔

 4限目の授業が終了し、周りに座っていたクラスメイト達、特に男子生徒が一斉に廊下へと駆け出した。その目的は単純明快、給食を早く終わらせるためである。

 中学になってから給食の時間と昼休みの時間が一緒になった、だからこそ昼休みの時間を多く確保し校庭の場所取りなどのために給食をさっさと終わらせたい生徒が多いのである。その上、1年生の教室は校舎の中でも最上階に位置する、1階の食堂に先輩達よりも早く着くために走る生徒はかなり多い。


「大変そうだね~」

「だね。まぁ俺達には関係ないんだけどな」

 

 そんなクラスメイト達を見守りながら、翔は千里と共に余裕を持って教室を後にした。

 2人が持っているのは弁当である。別に給食を食べることは義務ではない、2人のように弁当を持ってきて教室や中庭、部室などで食べる人も少なくはない。


「どうする? 中庭で食べる?」

「千里と一緒に目立つ中庭で食べるのはちょっと恥ずかしいな~」


 中庭は2つの校舎と渡り廊下に囲まれているからとんでもなく目立つ、そんなところで千里と二人っきりで弁当を食べていたら噂になるのは間違いない。しかもいたずら好きが多いサッカー部の先輩や同級生なんかに見られたら絶対にいじられる。だってあの人たちそういう話大好きなんだもん。


「それなら屋上はどう?」

「開いてないんじゃない?」


 そう言いながら2人は階段を上がる。屋上階は踊り場も無く外への扉があるだけだった。翔が扉のドアノブを回すが扉は鍵が掛かっていて開かなかった。


「やっぱ鍵掛かってる」

「そっか、じゃあ別の場所で──」


 その時、下から階段を上がってくる足音が2人の耳に届いた。すぐに2人は口を塞いで階段の陰に隠れる。

 実は屋上へのこの階段は立ち入り禁止だ。すなわちそこに入っている2人は教師に見つかれば説教コースが確実なのである。

 2人は息を殺しながら迫ってくる足音に耳を傾ける。


「2人共こんなところで何してるの?」


 階段を上がってきた足音の正体は戦徒会3年の宝江岳斗だった。

 岳斗が疑問符を浮かべながら2人を見ていると、足音の正体が教師ではないと安心した翔が口を開いた。


「実は昼飯食べるとこ探してて──というか宝江先輩はなんでここに?」

「僕もお昼ご飯食べにだよ」


 そう言って岳斗はポケットから小さな鍵を取り出した。そしてその鍵をドアノブの鍵穴に差し込んで鍵を開けた。


「それって……屋上の鍵?」

「その複製品、ここを使う生徒に代々受け継がれてるんだって、屋上は絶好のサボりスポットだからね」

「へ、へぇ~、そうなんですね」


 扉から外に出た岳斗が2人をこちらに来いと手で誘う。それに釣られた2人も扉から屋上に出た。

 屋上は太陽の光と心地の良い風のおかげでとても過ごしやすい空間となっていた。


「わぁ……いい心地!」

「それじゃ、僕はあっちの方で食べてるから、中に戻るときは見つからないように気を付けてね~。鍵は僕が最後に閉めとくから」


 そう言って岳斗は屋上の端の方に向かって歩いて行った。翔と千里も岳斗とは別の方向に歩いて行き丁度よさそうなところで昼食を広げた。

 

「わぁ! すっごく美味そう!」

「腕によりをかけて作ったからね!」


 えっへんと胸を張ってドヤってる千里も可愛いな〜。俺のためにお弁当作ってきてくれるとか俺の彼女可愛すぎる。


 その後も2人はいちゃつきながら昼食を終えた。

 そして、そんな様子を視界の端で見届けた岳斗が思ったことは──。


(リア充め、末永く爆発しろ。僕も彼女欲しいな……)


 後日、翔が早朝にポストを確認したら小さな鍵と一通の手紙があった。

 その手紙には「武田君にも鍵の複製品をあげる。どうやら君達熱々カップルはあそこで昼食をとるのが都合良いみたいだからね。本当なら中庭に放り込もうかなって思ったけど、僕は優しいからね、鍵を渡してあげる。ps.次昼食食う時は僕の視界外で食べてね」と書かれていた。

 この手紙を読んだ翔は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらも岳斗に感謝した。


「そんなにいちゃついてたのか──俺達、次気を付けよ……」

どうもー如月ケイです。

今月まさかの4回目の投稿、投稿ペースが上がっていることをまた感じています。

今回、投稿の予告をするの忘れてましたごめんなさい。

さて、今回で幕間は終了。次回からは第3章が始まります。2章よりも激しい戦闘を考えているので楽しみにしていてください。

また、次回のイベントのために合同誌を執筆中です。前回はコミティアでしたが次回の参加はなんと冬コミになりそうです。前回は2人での執筆でしたが次回は4人に増えそうです。ぜひ楽しみにしておいてください。

ではでは~、また次回をお楽しみに。

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