幕間 利音のとある一日
体育後の6限授業、1日の疲れと体育の疲れが眠気として襲いかかる最も憂鬱な時間。利音も頬杖をつきながら眠そうな瞼を無理やり開いて授業を受けていた。
この授業が終わったら……今日は部活があるのか。前やってた実験あともうちょっとだし今日で終わらせるか……。
考え事をしながらも利音は黒板に書かれた内容をしっかりとノートに書き写していく。いつもなら補足も含めて書いているが今日はその余裕すら無いようだった。
因みに後ろの席に座っている哉太は眠気の猛攻に耐えきれず、もれなく爆睡していた。もちろんノートは真っ白だった。
授業が進んで数分後、授業終了のチャイムが教室のスピーカーから流れて授業は終了した。
その後のホームルームも何事も無く終了し放課後となった。
優磨と一緒に部室に行こうと思っていたが何やら忙しそうにしていたため一人で行くことにした。
今日やらないといけないのはあの実験の続きとそのレポートかな、実験は30分くらいで終わるだろうし問題はレポートか。ある程度今のうちに書くこと決めておかないと。
利音が考え事をしながら歩いているとすぐに部室である化学実験室に到着した。
教室の中ではすでに何人かの先輩が実験の準備を進めていた。利音もカバンを置いてからすぐ準備室に器具を取りに行った。
現在利音が行っている実験は中学生の利音でも簡単にできる実験だった。だが、結果が出るのに時間が掛かる実験のため昨日から準備室で寝かせていた。
利音が棚に置いておいたトレーを見るとすでに実験の結果は出ていた。トレーを持ち実験室の空いた机に向かう。トレーを机に置き利音はしっかりと観察する。
なるほど、こんな結果になるのか。授業で聞いた通りだな。
この実験は授業で習った内容の復習も兼ねていた。授業内では実験が行われず、授業の記憶を頼りに実験を行ったので成功するか心配だったが杞憂だったようだ。実験が成功したことで、正直利音も興奮を隠しきれずにいた。
利音は椅子から立ち上がり実験室に設置してある書類棚に向かう。書類棚から実験用のレポート用紙を一枚取り出しまた机に戻る。
レポート用紙に書く内容は単純、実験のタイトル、材料と過程、結果と考察、この3つだけだ。
タイトル、材料、過程、結果は書くのが簡単。なんせ書くことが決まっているからね。問題は実験結果から考えた考察、レポートだし文章的にではなく短絡的に箇条書きで書くべきか、それとも考察だし自分の考えを文章的に書き起こすべきか。
「何か悩んでいるのかい?」
利音が悩んでいる背後から話しかけてきたのは戦徒会長であり科学技術部の副部長でもある啓だった。
「八城先輩、実験レポートのこの考察の部分なんですが、どんな風に書けばいいですかね?」
啓は「どれどれ~」と言いながら利音の書きかけのレポート用紙を見る。
「ふむふむ、この実験か、懐かしいね。俺も昔やったな~。確かその時は俺テキトーに思ったこと箇条書きで書いた気がするなー」
「箇条書きでいいんですね。ならちょっと書いてみます」
「うん、頑張ってね。あとそれ書いたら先生にちゃんと提出しといてね」
「はい、わかりました」
そう言って利音はまたレポート用紙とのにらめっこに戻った。だが、考えたことを文章に起こすのが意外と得意な利音にはそれほど時間のかかることではなかった。
数十分後……
「ごめん利音! 遅れちゃった。実験の方はどう?」
慌てた様子の優磨が化学実験室にやってきた。少し汗をかいていることから何か作業を終わらせてきたように見える。
「遅かったじゃん、教室で忙しそうにしてたけど何してたの?」
「先生からちょっとおつかい任せられてね、学校中を走り回ってた。職員室と色んな教室を何往復もさせられたから流石に疲れた……」
「お疲れ様~。それで実験の結果なんだけど、そのトレーに乗ってるよ。あとレポート、優磨の分のところ空けといたから名前と考察書いといて」
「りょーかーい」
そして、優磨が考察を書き終わり、レポートは無事顧問の先生に渡された。
実験後の片付けが大変だったのはまた別の話。
「水道に流しちゃダメなのかよ(小声)」
「ダメです、絶対に」
小声をしっかりと聞いていた顧問の先生に利音はこの後怒られた。
どうも―如月ケイです。
9月入ってから3回目の投稿です。マジで投稿ペースが上がっているのを実感します。
というわけで今回は幕間ということで利音の部活動シーンの一部を書きました。今後もこのような日常シーンを書くことがあると思います。
因みに次回も幕間です。それが終わったら3章に入りたいと思います。
ではでは~また次回で。




