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姉を虐げ、両親に溺愛された義妹が行方不明!? ~そして判明するのは義妹の愚行の数々!?~  作者: mimiaizu


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番外編7.ワカマリナの末路/別の地獄

(ワカマリナ視点)




地獄から抜け出すことができましたわ! これで少しはマシな暮らしができるのですね! わたくしを地獄から開放してくださった人について行きながら、わたくしはまともな生活に戻れると思って上機嫌でした。



しかし、これからは見も知らぬ男どもに体を触らせるなどと思うと、いい気はしません。汚物まみれになるよりはマシですけど、お金のためにそんな屈辱的なことを……。



でも、いつかは貴族の暮らしに戻ってみせますわ。あの地獄には平民しかいませんでしたが、娼館には貴族の男も来ると聞いています。機会があれば貴族男性に買われてそのまま裕福な暮らしができることもあると聞いたことがあります。わたくしもきっとそうなるに違いありませんわ!



そして、ついていった先は娼館……じゃなかった?



「ここは豚の牧場だ。ワカマリナ、お前は一生ここで豚の世話係の一人になってもらう」


「はぁ!? 豚の世話ぁ!?」



ぶ、豚って、あの豚ですの!? 人に食べられるために生きているような下等生物ではありませんか! なんでそんな生物の世話をするということに!?



「は、話が違うではありませんか!? わたくしは娼館で働くのではないのですか!?」



そうでないと困ります! せっかく覚悟を決めたのに!



「ああ、お前は娼館では売れやしないから」


「え? 何故!?」


「お前さんのしてきた悪行がうちの街にも聞こえてくるのさ。貴族の令嬢だからって店を荒らしたり他人に迷惑かけたりするばかりか、王太子を含めた多くの男たちを誑かし破滅させた悪女だってな」


「そんな!」



何ということでしょう……そんな馬鹿げた噂が流れているだなんて思いも寄りませんでしたわ。わたくしが悪者みたいに言われるような噂が……!



「どこの誰がそんな酷いことを言っているのです!」


「王都から新聞で伝わってんのさ。婚約者がいたのに王太子を誑かして乗り換えたり、姉の殺害未遂、その前から平民の店に難癖つけたり無銭飲食に器物破損で請求されてたのに払わないだっけ? とんでもない悪女もいたもんだと震えたよ。写真を見た時は顔だけの馬鹿じゃないかと思ったけどな」


「っ!?」



……間違ってはいない。確かにわたくしはクァズ様からアクサン様へと婚約者を変えたけど、それは真実の愛だからなのです。姉の殺害未遂だって、お姉様が悪いから成敗しようとしていたのです。平民の店でのことも、彼らが悪いから注意したり罰を与えただけ。



わたくしの行いに一切の悪意などないのに!



「よ、世の中の人々が……そんなに心の狭い人ばかりだとは思いませんでしたわ! よくもそこまでわたくしの行いの全てを悪く解釈して言えたものですね!」


「否定しないってんなら、お前さんは悪を通り越してやばいよ頭が。理解したくもない。これは何年かかっても反省しないだろうね」


「反省すべきことなど心の狭い肉親を持っただけですわ!」



それもこれも! お母様とお父様、それにお姉様のせいですわ! あのような身内がいたからわたくしは今も不幸な目に遭っているのです!



「……もういいや、とりあえずお前は今日から朝から寝る時間まで牧場の豚の世話をするんだ。細かいことは無理そうだから、食事を与えたり糞の掃除がメインの仕事になるだろう。死ぬまで豚の世話をするんだな」


「ふざけないで……って、誰なのです!? わたくしに触らないで!」



後ろから屈強な男の人達がわたくしの両腕を掴んで、そのまま……嫌! 牧場に連れて行かないで!



「それじゃあよろしく~」


「いやあああああああああ! 待ってください~!」





わたくしは地獄から抜け出せたと思ったのに……別の地獄が待っていました。



生まれて初めて『豚』という生き物を見せられました。人よりも大きくて、犬にも猫にも似ていない顔はお世辞にも可愛いと思えない。そんな生き物がわたくしを見るなり囲ってくる……!



「嫌嫌嫌! わたくしに触らないで!」



わたくしが叫んで暴れたら離れていく。何なんですのよ!



「おい、暴れてないで働け……ってお前さんが聞いてた新入りかよ? 何か臭うぞ?」


「はぁ!?」



こ、このわたくしが臭うですって!? 何なんですのこの男は! ……体が大きくて濃い髭をはやした怖い顔のおじさまが後ろにいました。なんか怖そうです……。



「とりあえずシャワー浴びて体洗え。豚の世話がしたいなら清潔でいてもらわないと困るんだよ。豚が汚れても困るからな」


「なっ!?」



絶句しました。『豚のために』わたくしに体を洗えというのです。シャワーを浴びて美しいわたくしの体を洗えるのは嬉しいですが、その目的が『豚のために』!? こんな屈辱はありませんわ……



「……シャワーは」


「こっちに付いてこい」



……貧乏くさかったけど久しぶりにシャワーを浴びたのは嬉しかったです。後から聞いた話では、豚は結構デリケートらしく、清潔にしないと豚が病気になるのだとか、子豚がうまく育たないとかになりやすいそうです。人に食べられる豚がそういう生き物だったなんて、美味しい生き物を育てるのにも苦労すると知りました。



でもやっぱり、こんなのは嫌! 豚の世話が大変なのは分かったけど、どうしてわたくしがやらなきゃいけないの!



「豚の牧場で一生を終えるなんて嫌あああああああああああああああああ!!」





ワカマリナ・イカゾノス。彼女は死ぬまで豚の牧場で働き続けた。未婚のまま。

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