NO・31
「ん」
翌朝、斗鬼は日向と日和に向かって金貨の詰まった袋を差し出した。
「あぁ、サンキュ」
日和はそう言って袋を受け取る。
「水少女は?」
「さぁ?小屋じゃないか?」
日向はそう言って仍の小屋をあごでしゃくる。
斗鬼はどうも彼女のことが気になってしょうがなかった。
昨日の人影・・・まさか。
そんな思いに刈られるが、首を横に振ってそんな思いを消す。
都市の奴らだろう。羽織がけしかけたに違いない。
でも、妙に気になっていた。
「でも、今朝から一度も顔見せてないよな」
「あぁ」
まさか・・・まさか?!
日向と日和の言葉を聞き、斗鬼は思わず仍の小屋の扉を開けた。
「・・・いない」
「え?」
「あいつ、いないぞ」
斗鬼は青ざめた。
あいつだったんだ・・・俺が出て行ったの、つけて・・・
「出かけてくる」
「え、ちょ、斗鬼!」
日向が止めるのも聞かず、斗鬼は慌てた様子でその場を飛び出した。
「・・・どうしたんだ?」
「でも、ナイトがいないって・・・」
「仍・・・じゃなかった、ナイト・・・」
どこいった?
日向と日和もうなずき合って、仍を探すべく動き出した。
「う・・・うぅ・・・」
涙は自然に零れ落ちていく。
私は自分が何処にいるかもわからず、走り出していた。
斗鬼さんは、人殺しだったの?
じゃあ、何で私のこと守ってくれたの?
そんななら、そんなのなら、いっそ見捨ててくれた方が嬉しかったよ・・・。
こんなつらい現実を押し付けられることになるなら、あそこで野たれ死んじゃえばよかった・・・!
本気でそう思った。
「失礼いたします」
羽織が一人頭を悩ませているところに、部下が一人入ってきた。
「あの水使いの子供の呼び名がわかりました!」
「ほう、水使いの名前?」
「はい、ナイト、と影の間で呼ばれているようですが・・・偽名でありましょうか」
羽織は部下からの報告を聞き、眉間にしわを寄せて考え始める。
「ナイト・・・ナイト・・・KNIGHT・・・NIGHT・・・夜・・・よ・・・」
仍・・・海人仍・・・?!
羽織は慌てて水使いの子供と報告されている奴の似顔絵と、海人仍の写真を見比べた。
目の色と髪の長さこそ違えど、二人はそっくりだった。
「つながった・・・」
羽織はそうつぶやいてにやりと笑った。




