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影色  作者: 奏良
32/37

NO・31

「ん」

翌朝、斗鬼は日向と日和に向かって金貨の詰まった袋を差し出した。

「あぁ、サンキュ」

日和はそう言って袋を受け取る。

「水少女は?」

「さぁ?小屋じゃないか?」

日向はそう言って仍の小屋をあごでしゃくる。

斗鬼はどうも彼女のことが気になってしょうがなかった。

昨日の人影・・・まさか。

そんな思いに刈られるが、首を横に振ってそんな思いを消す。

都市の奴らだろう。羽織がけしかけたに違いない。

でも、妙に気になっていた。

「でも、今朝から一度も顔見せてないよな」

「あぁ」

まさか・・・まさか?!

日向と日和の言葉を聞き、斗鬼は思わず仍の小屋の扉を開けた。

「・・・いない」

「え?」

「あいつ、いないぞ」

斗鬼は青ざめた。

あいつだったんだ・・・俺が出て行ったの、つけて・・・

「出かけてくる」

「え、ちょ、斗鬼!」

日向が止めるのも聞かず、斗鬼は慌てた様子でその場を飛び出した。

「・・・どうしたんだ?」

「でも、ナイトがいないって・・・」

「仍・・・じゃなかった、ナイト・・・」

どこいった?

日向と日和もうなずき合って、仍を探すべく動き出した。


「う・・・うぅ・・・」

涙は自然に零れ落ちていく。

私は自分が何処にいるかもわからず、走り出していた。

斗鬼さんは、人殺しだったの?

じゃあ、何で私のこと守ってくれたの?

そんななら、そんなのなら、いっそ見捨ててくれた方が嬉しかったよ・・・。

こんなつらい現実を押し付けられることになるなら、あそこで野たれ死んじゃえばよかった・・・!

本気でそう思った。


「失礼いたします」

羽織が一人頭を悩ませているところに、部下が一人入ってきた。

「あの水使いの子供の呼び名がわかりました!」

「ほう、水使いの名前?」

「はい、ナイト、と影の間で呼ばれているようですが・・・偽名でありましょうか」

羽織は部下からの報告を聞き、眉間にしわを寄せて考え始める。

「ナイト・・・ナイト・・・KNIGHT・・・NIGHT・・・夜・・・よ・・・」

仍・・・海人仍・・・?!

羽織は慌てて水使いの子供と報告されている奴の似顔絵と、海人仍の写真を見比べた。

目の色と髪の長さこそ違えど、二人はそっくりだった。

「つながった・・・」

羽織はそうつぶやいてにやりと笑った。

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