表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影色  作者: 奏良
20/37

NO・19

「もういやだ!」

私は自分でもわからぬままそう叫んで、斗鬼さんの前に立った。

あたりから武器が飛んでくる。

私は思わず目を閉じて水を出した。

「仍!」

斗鬼さんがそういった気がした。

いっぺんにあたりが静まり返る。

時がとまったかとすら思った。


・・・?

一瞬自分が死んでしまったかと感じたが、そうではなかったらしい。

色んな人たちの声が、少し遠めに聞こえる。

あれ?

私はゆっくりと目を開けた。

私と斗鬼さんの周りを透明の「膜」のようなものが覆っている。

何これ?

自分でも訳がわからずあたりを見渡した。

後ろで身をかがめていた斗鬼さんが、痛みに一瞬顔をゆがめてからこっちをみた。

私も首を傾げて見返す。

斗鬼さんは無言で火を指先に熾した。

そして、膜の近くに持っていく。

とたんに火が消えた。

つまり、これは・・・

「水だ」

斗鬼さんはそういってもう一度私を見た。

・・・これをやったのは私だった。

私たちと外にいる日向と日和、それから兵士たちが驚いているとき、急に背筋がぞくりとした。

なんだか、とてもいやな感じだ。

それを感じ取った兵士たちが徐々に青ざめていく。

そして、マイク越しに聞こえるような大きな声が聞こえた。

「退却」

その声はそれだけ言うと、いやな感じも同時に消えた。

兵士たちは、重そうな足取りで自分たちの乗り物へと乗っていく。

その時、またあの感覚がした。

「斗鬼、久しぶりだな」

私は驚いて斗鬼さんを見た。

「羽織・・・」

斗鬼さんはそうつぶやいていた。

「また会おう」

そういった声は皮肉が混じった楽しげな声だった。

そして、あの感覚が消えた。

私にとって初めての戦いが終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ