NO・9
なんだかいまいち話がよくわからないまま、私は三人の男の人たちについていった。
同じような木ばかりが続くのに、三人は迷うことなく進んでいく。
「ここ、僕らの家」
そういって着崩しているほうの人が少し開けた場所にある小さな小屋のたまり場を指差した。
「僕ら三つしか使ってないから、あいてるとこ使いなよ」
きちんと着ているほうの人がそういって開いていそうなドアを開ける。
「あ、はい」
私はそういって小屋の中に入った。
「狭いけど、一人なら十分なスペースあるから」
私は小屋の中をぐるぐると回った。
小さめのベッドと、奥にあるシャワー。
今本当に必要だと思ったものは、十分にあった。
「おいで」
着崩しているほうの人が手招きする。
私は素直についていった。
そして、着崩しているほうの人に続いて、私が使わせてもらうもののとなりの小屋に入った。
どうやら、斗鬼と呼ばれた人の部屋のようだった。
「・・・」
斗鬼と呼ばれた人は無言でこっちを見ている。
「ちょっと、斗鬼、そんな目で見てやるなよ」
着崩しているほうの人が、笑って斗鬼と呼ばれた人のとなりに座る。
きちんと着ているほうの人も座って、私も空気的に座った。
「僕は日向。こっちは日和。双子なんだ」
きちんと着ているほうの人・・・日向さんがそういった。
「僕は書物を読んだりするのがすきなんだけど、日和は・・・」
「動いてないと落ち着かないんだよね〜。双子とも、違うもんさ」
そういって日和さんが笑った。
「で、こっちの不審者が・・・」
「不審者じゃねぇ」
「・・・まぁいいや、こっちが斗鬼」
「・・・」
日向さんが横目で斗鬼さんを見ながら言った。
「君は?」
日和さんに聞かれて、私はあわてて答えた。
「仍です」
「そっか、で、仍は何でここにいるわけ?」
日向さんがそういってきたので、私は今までのいきさつを事細かに言った。