130話 王城からの招待、届いた一通
温度調整器を作ってから三日ーー
私には珍しく調整に難航していた。
「うーん......風属性の魔石の調整ミスが原因かと思ったけど違うっぽいんだよね......」
机の上には、分解された温度調整器とその設計図と、修正を書き込んだメモが山のように積まれていた。
原因は明らかだった。
――屋敷どころか、貴族街全体を快適温度にしてしまったこと。
便利とかそういう次元ではない。
普通に事件である。
しかも厄介なことに、壊れているわけではない。
むしろ性能だけ見れば完璧すぎるほど完璧だった。
暑ければ涼しく。
寒ければ暖かく。
空気の循環も滑らかで、使用者からの評判は最悪どころか異常に良い。
問題は――範囲だけ。
「なんでそこだけ盛大に間違えるかなぁ……私」
思わず机に突っ伏したくなる。
出力を下げれば今度は屋敷内の快適性まで落ちる。
範囲だけを綺麗に絞るのが、思った以上に難しかった。
風属性の流れを制御する術式。
外壁を認識させる境界指定。
感応石との連動精度。
どこを見直しても理屈は合っている。
なのに、なぜか外へ漏れる。
「……意味がわからない」
小さく呟きながら、私は再び設計図へ視線を落とした。
その時。
コンコン。
珍しく、ちゃんとしたノックの音が響いた。
「……?」
ミストルティン様じゃない。
あの人なら扉ごと勢いよく来る。
「どうぞ」
そう返すと、静かに扉が開く。
入ってきたのは、リリアだった。
「エレノア様......その......陛下がいらっしゃっています」
「……はい?」
一瞬、意味が理解できなかった。
私はゆっくり瞬きをして、聞き間違いではないかを確認する。
「……誰が?」
「陛下です」
即答だった。
聞き間違いではなかったらしい。
「…………」
思考が止まる。
いや、待ってほしい。
「温度調整器の件かな......」
「恐らく......」
私は静かに天を仰いだ。
やっぱりそれか。
それ以外に思い当たることがない。
いや、正確には“なくはない”けれど、今このタイミングで陛下自ら来る理由としては、それが一番濃厚だった。
そりゃそうだ。
突然、貴族街全体の気温が快適になったら普通に大問題である。
便利とかそういう話ではない。
王都の管理案件だ。
むしろ三日も静かだったのが奇跡に近い。
「……応接室には?」
かろうじてそれだけを口にする。
「フィリアさんが対応されています。護衛の方々もすでに配置済みです」
でしょうね。
むしろそうでなかったらもっと大問題だった。
私は視線を机へ落とす。
そこには、分解途中の温度調整器。
散らかった設計図。
修正を書き込んだ大量のメモ。
そして、原因の中心にいる私。
……完全に現行犯では?
逃げられない。
いや、逃げる気もないけれど。
でも心の準備くらいは欲しい。
「……怒られるかな」
ぽつりと呟く。
リリアは少しだけ困ったような顔をして、けれど正直に答えた。
「かなり」
即答だった。
つらい。
私は机に突っ伏したくなる衝動をどうにか押し留めた。
「便利さを追求しただけなんだけどなぁ……」
「規模がエレノア様らしいです」
それ、絶対褒めてないよね。
私は一度、大きくため息を吐いた。
「……着替えてきます」
さすがに、今の作業着のまま国王陛下に会うわけにはいかない。
袖にはうっすら魔道素材の粉がついているし、髪も少し乱れている。
これでは完全に“研究室からそのまま出てきました”状態だ。
リリアは小さく頷いた。
「はい。陛下にはそのようにお伝えしております」
「ありがとう……」
できることなら、そのまま消えてしまいたい。
けれど、現実はそう甘くない。
私は重い足取りで自室へ向かい、急いで着替えを済ませる。
汚れてもいい簡素な作業着から、伯爵家当主として最低限失礼にならない程度のきちんとした服へ。
鏡の前で軽く髪を整え、深呼吸をひとつ。
……うん、逃げられない。
「完全に怒られる流れなんだよなぁ……」
誰もいない部屋で、ぽつりと呟く。
貴族街全体を快適な気温にした張本人。
しかも原因は、だいたい自分。
どう考えても言い逃れは難しい。
「せめて説教が短めでありますように……」
そこだけは切実だった。
私は諦めたように小さく肩を落とし、そのまま応接室へ向かった。
廊下を歩くたびに、気分がどんどん重くなる。
足音まで重い気がする。
逃げたい。
すごく逃げたい。
でも逃げたら確実に後が怖い。
だから私は、覚悟を決めて扉の前に立った。
リリアが静かに扉を開く。
「エレノア様、お連れしました」
私は一歩、中へ入る。
そして――
「お待たせいたしました、陛下」
丁寧に一礼する。
応接室には、国王陛下が穏やかな表情で座っていた。
相変わらず威圧感はある。
けれど、その視線には見慣れた柔らかさもある。
陛下は私を見ると、少し苦笑して肩をすくめた。
「急にすまないね、エレノア嬢」
いつも通り、少しだけ砕けた口調。
その声音に、ほんの少しだけ肩の力が抜ける。
……とはいえ、安心はできない。
私は席につきながら、慎重に口を開いた。
「いえ、お呼びいただければこちらから伺いましたのに」
そう返しつつも、内心では警戒を解かない。
たぶん理由は、あれだ。
絶対に、あれだ。
陛下は小さく笑った。
「いや、今回は温度調整器の件で来たわけではないよ」
「……そうなんですか?」
思わず、少しだけ本音が漏れた。
てっきりそれだと思っていた。
陛下はくつくつと笑う。
「もちろん、あれはかなり話題になったがね。
王城の執務室まで快適になった時は、皆ずいぶん驚いていた」
「……大変申し訳ございません」
条件反射で謝る。
陛下は手を軽く振った。
「責めてはいない。
むしろ快適だった」
ありがたいけれど、なんとも複雑だった。
陛下はそこで表情を少しだけ改め、テーブルの上に一通の封書を置いた。
重厚な封蝋。
王家の紋章。
見慣れていても、自然と背筋が伸びる。
「今日はこれを届けに来た」
私は静かに視線を落とす。
封書の質感だけで、ただの招待状ではないことがわかる。
陛下は穏やかに続けた。
「来月、王城で建国記念式典を行う」
建国記念式典。
王族、上位貴族、功績ある者たちが集う、王都でもかなり大きな催しだ。
当然、社交界としての意味も強い。
私は小さく目を瞬かせた。
「建国記念式典ですか……?」
「そうだ」
そう言いながら、陛下は机に置かれているお茶を一口飲む。
「今年はセレディア王国建国三百年の節目でな」
静かな声音だったが、その言葉の重みは十分に伝わった。
三百年。
それだけの年月を積み重ねてきた国の、大きな節目。
当然、例年よりも遥かに大規模になる。
国内の有力貴族だけではない。
他国からの使節や要人も招かれる可能性が高い。
つまり――
「……ものすごく面倒そうですね」
思わず本音が漏れた。
しまった、と思った時には遅い。
一瞬の沈黙のあと。
陛下は、ふっと吹き出した。
「ははっ、君は本当に遠慮がないな」
「……申し訳ございません」
「いや、正しい感想だ。
私も同意見だよ」
国王陛下が言っていい台詞なんだろうか。
でも、少しだけ安心した。
陛下は苦笑しながら続ける。
「どうせ家臣に届けても、君は欠席の二つ返事だろうと思ってな。
だから直接届けに来たが――どうやら正解だったようだ」
「…………」
否定できない。
ものすごく否定できない。
たぶん普通に招待状だけ届いていたら、私はかなり本気で欠席理由を考えていた。
体調不良。
仕事の都合。
急な研究。
なんなら魔道具の暴走事故でも理由にしようかと思うくらいには。
……いや、最後は普通に事実になりかねないけれど。
私は静かに視線を逸らした。
「……その可能性は、否定しません」
「だろう?」
完全に読まれていた。
陛下は楽しそうに笑っている。
絶対に最初からわかっていた顔だ。
「君は有能だが、こういう場から逃げようとする癖がある」
「褒められている気がしません」
「半分は褒めている」
半分しか褒められていなかった。
私は小さくため息を吐く。
「社交の場は、あまり得意ではないんです」
「知っている」
即答だった。
知ってたんですね。
まあ、知っているか。
今までのやり取りを思い返せば、隠しきれていたとは到底思えない。
陛下はカップを置き、少しだけ真面目な表情になる。
「だが、それでも出る価値はある」
その声音に、自然と背筋が伸びた。
「セレスティア伯爵家は、今や無視できない存在だ。
薬理統制局、アトリエ、中央商会との繋がり……君が思っている以上に、周囲は見ている」
静かで、けれど重い言葉だった。
「表に出ないままでいるには、もう影響力が大きすぎる」
私は黙って聞く。
たしかに、その通りだった。
目立ちたくない。
静かに研究していたい。
できれば平穏に暮らしたい。
でも、現実はそうならない。
ポーションも、魔道具も、薬理統制局も。
全部が、勝手に私を前へ押し出していく。
陛下は少しだけ口元を緩めた。
「それに」
一拍。
「君が出れば、きっと色々面白いことになる」
「最後の一言で不安しかなくなりました」
即答だった。
陛下は楽しそうに笑う。
絶対わざと言った。
私は小さくため息を吐き、改めて机の上の招待状を見る。
重い。
とても重い。
物理的ではなく、精神的に。
けれど――断れるものではない。
私は静かに背筋を伸ばし、丁寧に頭を下げた。
「謹んで、お受けいたします」
その言葉に、陛下は満足そうに頷いた。
「うん。そう言ってくれると思っていたよ」
……最初から、断られるとは思っていなかった顔だった。
陛下は満足そうに頷いたあと、どこか楽しげに目を細めた。
「まあ、いつも社交パーティーも欠席だしな」
「うっ」
痛いところを突かれた。
反論できない。
というか、完全に事実だった。
必要最低限のもの以外は、だいたい丁重にお断りしている。
出席しても疲れる。
疲れた結果、数日分のやる気を失う。
だったら最初から行かないほうがいい。
非常に合理的な判断である。
……たぶん。
陛下はそんな私を見て、くすりと笑った。
「コルヴァン伯爵の歓迎会の時も、ずいぶん“早く帰りたい”という顔をしていたと聞いている」
「…………」
誰ですかそんなこと報告したの。
いや、たぶん複数いる。
むしろ隠せていたと思っていた自分が甘かった。
あの時は本当に大変だった。
次から次へと挨拶。
途切れない会話。
逃げ場のない笑顔。
途中から“どうやって自然に退出するか”しか考えていなかった。
私は静かに視線を逸らす。
「……否定はしません」
「だろうな」
即答だった。
陛下は少し肩をすくめる。
「私は見たかったんだがな。
コルヴァン伯爵の歓迎会」
「え?」
思わず顔を上げる。
陛下は、妙に楽しそうな顔をしていた。
「君が社交界でどう振る舞うのか、少し興味があった。
普段あれだけ淡々としている君が、ああいう場でどうなるのか」
「やめてください、絶対ろくなことになりません」
「実際、かなり面白かったらしい」
「やっぱり聞いてるじゃないですか……」
私は額を押さえた。
絶対に色んな人に観察されていた。
最悪である。
陛下は楽しそうに笑いながら続ける。
「特に、笑顔のまま少しずつ壁際へ移動していく様子が見事だったそうだ」
「やめてください本当に」
それは完全に逃走経路の確保だった。
そんなところまで見られていたのか。
恥ずかしい。
かなり恥ずかしい。
陛下はしばらく笑っていたが、やがて少しだけ穏やかな表情に戻った。
「だが、それでも皆きちんと見ている」
その一言で、空気が少し変わる。
私は自然と姿勢を正した。
「君が何をして、どう動くのか。
どこに立つのか。
それはもう、個人の好き嫌いだけでは済まない」
静かで、重い言葉だった。
「だからこそ、今回の式典には意味がある」
私は黙って頷く。
わかっている。
わかっているからこそ、面倒なのだ。
でも――逃げられない。
陛下は最後に、少しだけ悪戯っぽく笑った。
「安心しろ。
今回は前回より、もっと注目される」
「安心できる要素がひとつもありません」
即答だった。
陛下は楽しそうに笑いながら、ゆっくりと立ち上がった。
「まあ、招待状は確かに渡した。
あとは当日、逃げずに来てくれればそれでいい」
「善処いたします……」
「その返事は信用ならないな」
即答だった。
ひどい。
でも否定できないのが悔しい。
私は小さく肩を落としながら、陛下を玄関まで見送るために立ち上がる。
こういうところは、さすがに当主としてきちんとしなければならない。
廊下を歩きながら、陛下はふと窓の外へ視線を向けた。
外は相変わらず快適な空気が流れている。
夏とは思えないほど過ごしやすい。
……原因は、だいたい私だ。
すると陛下は、どこか面白そうに口元を緩めた。
「しかし、あの温度調整器は実に優秀だった」
「ありがとうございます……?」
嫌な予感しかしない。
その笑い方、絶対によくない。
陛下はそのまま、さらりと言った。
「いっそのこと、王都全体に効くようにしてみたらどうだ?」
「やめてください」
反射だった。
即答だった。
一切の迷いもなかった。
陛下はくつくつと肩を揺らす。
「いや、案外悪くないと思うが?
夏は涼しく、冬は暖かい。
民にも喜ばれる」
「その前に私が倒れます」
「そこは頑張れ」
「国王陛下が言っていい台詞じゃないです」
本当にやめてほしい。
ただでさえ屋敷用のつもりが貴族街まで巻き込んでいるのに、王都全体なんて完全に災害予備軍である。
むしろ国家事業だ。
絶対に嫌だ。
陛下は楽しそうに笑いながら、玄関へと辿り着く。
護衛たちも静かに控えていた。
最後に振り返り、陛下はどこか悪戯っぽく目を細めた。
「まあ、期待しているよ。
式典も――温度調整器の改良も」
「前者だけにしてください」
「検討しておこう」
絶対に検討しない顔だった。
私は深いため息を吐きながら、丁寧に頭を下げる。
「本日はありがとうございました。お気をつけてお帰りください」
「ああ。また王城で会おう、エレノア嬢」
そう言って、陛下は機嫌よさそうに馬車へ乗り込んだ。
扉が閉まり、馬車がゆっくりと屋敷を離れていく。
それを見送ってから――
私はその場で、静かに天を仰いだ。
「……王都全体って」
無理に決まっている。
いや、理論上はできるかもしれないのがまた嫌だった。
できるけど、やりたくない。
すごくやりたくない。
しかも、ちょっとだけ。
ほんのちょっとだけ、便利かもしれないと思ってしまった自分がいる。
「……ダメだ」
これ以上考えると、本当に設計を始めかねない。
私はぶんぶんと首を振る。
まずは建国記念式典。
その地獄を乗り越えることが先だ。
……のはずだった。
なのに。
気づけば私は、自然と実験室の前に立っていた。
「……なんで」
自分でもわかっている。
完全に、さっきの言葉が頭に残っている。
王都全体。
国家規模。
絶対にやりたくない。
やりたくない、のに。
理論上どう組めば可能か、もう頭の中で考え始めてしまっている。
最悪だった。
研究者の性である。
私は重い扉を開ける。
見慣れた実験室。
机の上には、まだ温度調整器の設計図が広がったままだ。
そこへ視線を落として――
私は静かに椅子へ座った。
「……確認だけ」
誰に向けた言い訳なのかわからない。
「本当に、確認するだけ」
新しく紙を一枚引き寄せる。
ペンを持つ。
そして。
王都全体の魔力循環図を、描き始めていた。
「……あれ?」
おかしい。
止まらない。
すごく嫌な予感がした。
そのまま、さらさらとペンが走る。
王都全体の区画。
貴族街、商業区、職人街、平民街、王城周辺。
それぞれの空気の流れ。
既存の魔力脈。
地下を通る水路。
街を囲む外壁。
風属性の循環を安定させるなら、むしろ屋敷単位より都市単位のほうが綺麗に組める部分すらある。
……いや、待って。
待ってほしい。
「なんで綺麗に成立しそうなの……?」
思わず手が止まる。
嫌な汗が出てきた。
普通、こういうのは“理論上無理ですね”で終わるはずなのだ。
なのに。
条件付きなら普通に可能そうだった。
むしろ、王城の魔力供給網と薬理統制局側の補助設備を使えば――
「いやいやいやいや」
私は勢いよく首を振る。
危ない。
非常に危ない。
これは完全に“やってはいけない顔”をした設計だ。
国家予算案件である。
個人の趣味で考えていい規模ではない。
絶対に違う。
机に突っ伏したくなる。
でも、設計図は妙に魅力的だった。
便利。
とても便利。
夏は涼しく、冬は暖かい。
病人や高齢者にも優しい。
作物の保管にも影響が出る。
パン屋の発酵管理も安定する。
メルが泣いて喜ぶ。
……あれ?
かなり良いのでは?
「ダメダメダメ」
危うく自分で自分を説得しかけた。
危険すぎる。
私は慌てて設計図を裏返した。
見なかったことにしたい。
本当にしたい。
その時。
コンコン。
再びノックの音。
今日はやたら人が来る。
「……どうぞ」
半ば諦めた声で返す。
扉が開き、ひょこっと顔を出したのは――
ミストルティン様だった。
「おやつの時間だよー!」
両手には、しっかりと新しい焼き菓子の皿。
どこから調達してきたのか。
私は一瞬だけ無言になり、そして静かに言った。
「今ちょっと国家規模のやらかしをしそうだったので助かりました」
「うん?」
「おやつください」
「いると思った!」
満面の笑みだった。
私は差し出された焼き菓子を受け取りながら、机の上の裏返した設計図を見る。
……危なかった。
本当に危なかった。
あと十分放置していたら、たぶん王都全体空調計画が正式に始動していた。
恐ろしい。
私は焼き菓子を一口かじり、深く息を吐く。
甘い。
すごく落ち着く。
やっぱり、疲れた時には糖分である。
ミストルティン様は楽しそうに机を覗き込み――
そして、裏返された紙をぺらりとめくった。
「あっ、王都全体温度調整計画!」
「めくらないでください!!」
思わず叫んだ。
遅かった。
ミストルティン様の目が、きらきらしている。
これはよくない。
すごくよくない。
「これすごいじゃん! やろうよ!」
「やりません」
「えー!」
「えー、じゃないです」
即答だった。
ミストルティン様はぶーぶー言いながらも、楽しそうに笑っている。
絶対に面白がっているだけだ。
私は額を押さえながら、もう一度深いため息を吐いた。
建国記念式典。
王都全体空調計画。
なんだか、平和な休息日のはずだったのに。
どうしてこうなった。
本当にどうして。
私は静かに、遠い目をした。
――たぶん。
次に陛下と会う時には、この設計図の存在を隠し通さなければならない。
それが、今いちばん重要な課題だった。




