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花屋は商魂たくましい  作者: Who
王国編
11/159

side 信志

「……うん、やっぱり大丈夫そうだ。」


自分で生やしたトマトはやはり、ちゃんと食べ物になっていた。

ふぅ……。

実は話を聞いて、自分でも怪しんでいた。というのは、内緒にしておこう……。


そのあと、状況は目まぐるしく変わった。


すぐさまボクはアイリスやナルメアさんに連れられ、部屋を出る。

たどり着いた場所は、中庭の一角にある、小さな畑。

なんでも、趣味で園芸をする人がいるのだとか。

今はちょうど成長の時期なのか、青々とした葉っぱがたくさん見える。


「椿さま、今度はもう一つの能力をお願いできますか?」

「もう一つ……?ああ、なるほど。『グローリー』!」


手を畑に向けて唱えると、光が葉を包み込む。

そして。

季節を早送りにするような速度で、葉から実へ成長し、色づいた。


ナスやトマト、きゅうりにはてはトウモロコシまで。

時期を少しばかり無視した畑が、そこに出来上がった。


そこから、さらに状況は加速していった。

ついには城を飛び出し、街へ。

街の至る所で、『スプラウション』や『グローリー』を使い続けた。



そんな日から、4日。

能力を使うたびに、「ありがとう」なんて言われるもんだから、調子に乗ったボクが能力を使いすぎて倒れたりと、小さなトラブルはあったものの、復興はありえないぐらいの速度で進んでいった。

城壁など、防衛面ではまだまだ終わりが見えないが、街の活気はほぼ元通りになった。


ボクのことも周囲に広く伝わったらしく、街の至る所で声をかけてもらえる。


「お、勇者さまじゃねぇですか。」

「本当だ、昨日はありがとうございました。」

「いえ、役に立ててよかったです。」


少し気恥ずかしくなって足早になってしまうのも、もはや日常。


なにせ、元いた場所では目立つこともなかったからね。

注目される事に慣れているわけもないのだ。


返事もそこそこに、早歩きで城へ戻っていく。



城に戻れば、天野くんや、間くん。

ナルメアさんに、テトさん。

そして、アイリスが迎えてくれる。


ボクが街で復興を手伝っている間、天野くんと間くんは街の外で、実際に獣なんかと剣を交えるそうだ。

二人共、どんどん強くなっていっている、らしい。


ボクは彼らのように、華々しく活躍する事は出来ないけど。

与えられた役割でも、惜しまずに使っていこうと思う。



……なんて話を、夜の廊下でアイリスと話す。

もう、二人で話すことも日常だねと、笑いあう。

まだまだ問題は山積みだし、不安もあるけれど、なんとかなるのでは、と根拠もなくその日は思った。

こんばんは、Whoです。


短い上に早足ですが、これで1章、というかプロローグが完了です。

次からは2章という名の本編1章が始まる予定です。

章題は「幻の都編(予定)」。

ここから主人公に色々と起こっていくので面白くなる、はずです。

いえ、面白くしていきます。


そして次回と次次回の更新は設定などの裏話になります。

2章を練る期間と、一応Whoさんも学生の身なので、テスト期間に突入します。

お楽しみにしていただけるのならば、今しばらくお待ちください。


ではでは。

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