プロローグ
私は広大な大地の中を全力で駈けながら思考を巡らせる。
昔々ある科学者が、こんな質問をされた
『第二次世界大戦では原子爆弾が兵器として利用されましたが、第三次世界大戦が起こったら、どのような兵器が使われると思いますか?』
そしてその問いに、こう答えた
―――第三次世界大戦についてはわかりませんが、第四次大戦ならわかります。石と棍棒でしょう。
彼の発言は"予言"だと言われた
第三次世界大戦は核戦争となり、人類は一度リセットされるのだと
彼の"予言"は当たった。
西暦2030年
二つの大国があった。仮にA国とB国としよう。
その二つの大国はお互いにいがみ合い、にらみ合い、しかし表面上は平静を保っていた。
A国はB国を目の敵としているテロ組織を支援し、B国はテロ組織に反抗する地元の軍隊を支援した。
いわば冷戦である。
そんな状態が数十年続いたある時
A国から支援を受けていたテロ組織が突如、核ミサイルによる攻撃をB国へと行った。
テロ組織のミサイル発射を感知したB国はほぼ同時にテロ組織の本拠地と、
A国への核ミサイル攻撃を実行。
B国からの核ミサイル発射の報を受け、A国もほぼ同時にB国本土、そしてB国の同盟国へと核ミサイルの雨を降らせた。
そしてその核ミサイルの応酬は、様々な国々へと連鎖し、第三次世界大戦は数分で終結した。
なぜ一介のテロ組織が弾道ミサイルを持っていたのか
なぜB国はその所持に気づかなかったのか
なぜA国はテロ組織を止めなかったのか
さまざまな憶測はあるものの、それは遠く、しかしごく最近の過去のお話し
かくして、彼の言った通り
第3次世界大戦は核によるものだ
という予言は的中した。
さて核戦争によって人類はどうなったか。
端的に言えば、"人"は"ヒト"へと還った。
核は建造物の破壊のみならず、様々なモノを無に帰した。
目に見えるものだけではない、
全ての概念、常識これまで作り上げてきた、"人"が"人"たらしめてきたモノ全てを無に帰した。
"人"は"ヒト"という動物へと成り下がった。
ある意味で、彼の予言はまたも的中した。
動物となったヒトは動物本来の目的である
"子孫繁栄"
という本能に忠実に従った。
子を産み、そしてその子がまた子を産み
ヒトは爆発的に増加した
そして生存圏の重なった者たちと共に共栄し
集落を作った。
過去の"人"はここから争いを始め、様々な集落を統廃合したというが
我々次の"人"は違った。
争いをせず平和的に勢力を強めていったのだ。
そう、過去の過ちを戒めとし、2度と歴史は繰り返さないという誓いを、生き残ったすべての"人"が立てた―――
そして"ヒト"は、また"人"へと還る
「・・・はずだったのに・・・なんだこれはーーーーーーーーーーーーーーー!!」
地面や頭上の空が所々爆発し、轟音が鳴り響く広大な大地を駆けながら私は力の限り叫んだ!!
そう、ここはまごうことなき戦場である。
これが大元のプロローグですがここからもプロローグの様なお話しが続きます。
長編小説のようなものだと思っていただければ幸いです。




