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異世界×あたし  作者: 葉山
【第二章】ようこそ、勇者様
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01.裏切らない展開予想図【Sede彼】


続く事になって作者も驚いた。

あと、作者の周りも驚いた。

でもあたしが一番驚いたと思うんだ。


だって、前回で終わりだと思ってたんだもん。


あたしめっちゃ恥ずかしい事言ってないか!?

なんて、ものすごく後悔しているところから始まるなんて!






【第一節】裏切らない展開予想図







「オルドビス」

「んー? どうしたアズラス」


 俺の教育係であり、契約竜であるアズラスが、すっげぇ真面目な顔してこっちに歩いてくる。

 な、なんだろ。俺余計なことしてねぇよな……?


「な、なんだよ? 今日はちゃんと嘆願書に目を通しきったし、兄貴に押し付けられた押印書もやりきったし、……嫌いな報告書作りはまだ終わってねぇけど」

「何を仰っているんですか。そんなこと、領主の息子なら出来て当たり前でしょう?」


 一刀両断で切り捨てられた。ひでぇ。

 いえ、そうではなくて。とアズラスはゆっくりと息をついた。本当に、何を言われるか全然検討がつかねぇんだけど。


「契約者の行方はご存知ですか?」

「は? ディー?」


 契約者。

 それは魔族と交わされた契約をした人間のこと。人間には、よく分からねぇけど、俺ら魔族の力を増幅する力を持っている。

 それを己だけの魔力の糧にするために、魔族は人間と契約を結ぶ。

 その人間の感情によって左右されるそれは、まぁ、正直言って扱いづらいことこの上ねぇけど。それでも、一の力が十になるくらいの力があるから、魔族は力のある人間を求める。

 ……だっけか? ごめん、俺説明得意じゃねぇんだわ。

 まぁ、力を求めるために魔族は人間の願いを叶えることくらいはするけど、それ以上に他の魔族から契約者を護ることの方が俺は重要だと思うけどなー。

 ってそれは置いといて。

 俺にも契約者はいる。たった一人、ちょっと複雑な事情をした奴。その辺はちょっと一口で説明できないから、まぁ気になった奴は第一章を読んでくれな。俺が言うよりは絶対分かるから。


「ディーなら……そういや、しばらく見てねぇな」


 黒髪黒目の、ちょっと変わった異世界の女の子。

 本名はあるけど、俺はディーって呼んでる。本当はディルセアって呼びたかったんだけど、あいつが俺の名前を略して呼ぶから、同じように略してんだ。呼びやすいし、あいつだってもう諦めてるからな、そこはもう気にしない。


「……では、獣魔。いえ、スバルの方は?」


 あ、スバルって言うのは、えーっとその辺面倒だから略すけど、獣魔って言う種族のディーの契約獣。

 まぁ、俺とアズラスみたいなもんだ。あいつらはちゃんとした主従関係だから、ちょっと違うかもしれねぇけど。


「いーや。つか、アズラスもしばらく俺が書類に忙殺されてんの知ってただろ」

「えぇ、そのおかげで、私もしばらく遠出で視察に行かせて頂いていましたので。だからこそ嫌な予感がして、こうしてお尋ねしたのですけれども」


 ……嫌な予感? ろくでもねぇ予感な気がすんのは俺だけか?


「あ、オルドビス。こんなところで油を売っていたのかい?」


 うげ、なんでこんな時に来るんだよ。

 俺と同じ顔してるくせに、俺よりも何十倍も腹黒い双子の兄貴が、ウザったいくらいに爽やかな笑顔を振りまきながらゆっくりと近付いてくる。


「僕がプレゼントしてあげた書類は終わった?」

「終わったつか、なんとか終わらせたに決まってんだろっ! しかもあんなプレゼントいらねぇよ! むしろ自分の仕事くらい自分で片付けろ!」

「うんうん、オルドビスにツッコミっていう新しいスキルがついてから、弄る楽しみが増えて喜ばしいことだよね。そう思わないかい、アズラス」

「いえ、私としては落ち着きを覚えることを、いい加減覚えて頂きたいものです」

「あはは、そりゃ確かに」


 好き放題言いやがって……!

 いやいやいや、我慢だ俺。振り回されてどうすんだよ。


「まぁいいや。立派に書類を片付けてくれたオルドビスに、ご褒美をあげよう」


 はい、と渡されたのは、一枚の紙切れ。また書類かよ、なんてげんなりしながらも受け取る俺も俺だけど。

 だけど、そこに書いてある内容は、堅苦しい書類のそれじゃなくて。たった一行。


「なーんかさ。面白いこと書くよね、あの子」


 あの子って言われたのが誰を指しているかなんて、そんなもん名前聞かなくても明白で。

 つか、ちょっと待てよ。これ、だって。


「オルドビス? どう」

「あんの、馬鹿っ!」

「は?」


 長いまつげを瞬かせて、アズラスがきょとんと目を見開いた。おぉ、アズラスがこんな顔すんの珍しい。

 いや、そうじゃなくて!


「今すぐ追うぞアズラス!」


 そこに書いてあったのは、簡素な一言。




『実家に帰らせて頂きます D』




 ぐしゃりと、紙を握り締めた。


「まるで、女房に捨てられた旦那って感じだよね」


 けらけらとさも愉快そうに大笑いする兄貴は気にしないことにして。

 アズラスに紙を突きつけて、俺は即座に外へと飛び出した。

 今すぐにでも、捕まえて護ってやらねぇと。他の誰かにあいつを盗られるなんか、そんなことぜってぇ許せるはずねぇだろっ!


「あいつは、俺の契約者なんだから」


 低く呟いた声が聞こえたらしいアズラスは、仕方なさそうにため息をついて、それからただ黙って竜へと姿を変え、俺を乗せて飛び立った。


丁度いいから、三月から始めました。

これはもうストックがなくなるのがすぐなので、ちょっとどこまで今のまま更新できるか分かりませんが頑張ります。


そして、うっかりシリアスにならないように頑張ります。

遊び過ぎないようにするのはもっと頑張ります!



第二章もよろしくお願いいたしますね!

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