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異世界×あたし  作者: 葉山
【第一章】こんにちは、異世界
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04.それに既視感を覚えて【Side彼女】


「なんで、こんな見ず知らずのところに投げ出すかな……。本当に寝てるし」


 あたしが寝ていた所でぐっすりと寝ているビス。

 腹立たしいくらい綺麗な寝顔。肌だって白いし、まつげだって長い。

 こんな人とさっきまで低レベルな言い争いをしていたことが信じられないくらい。

 て言うか、ディーって。ディルセアとか何なの本当にもう。


「そもそも、ここどこ……」


 本日二回目、いや三回目? の言葉。

 あたしさっきまで外にいなかったっけ?

 どこかの部屋に居るみたいだけど……。なんて言うの? 旅館?

 畳に障子。座布団に敷き布団。その上浴衣まであるときた。

 まさか地球にって言うか、日本に戻って来れたんじゃないかって思ったんだけど、ビスが傍で寝ているからしてまずない。

 こんなのが現代地球にいるはずない。絶対ない。


「……よし」


 とりあえず、アレしよ。持ち物チェック。

 幸いカバンはリュックタイプだったから色々あるし。まずはポッケから。


「あ、あたしの馬鹿! 何で気付かなかったんだ!」


 そうだった。

 忘れてた、忘れてたとも。この存在を忘れてたなんて!


 文明機器携帯電話!

 ビバ☆ケータイ。


 幸いにも何故か電波届いてるし?

 使おうよ。使うべきだよこれは! それでこんな世界とはおサラバだ!

 さっそくあたしは電話帳の一番始めの人に電話してみた。


プー、プー、プー。


「使えないじゃん!」


 思わずリュックの上に叩きつけた。

 なんだろうかこの複雑な心境は。

 でもちょっと待って。これは逆によかったんじゃないかな。


「あ、もしもし。あたし今何故か異世界にいるんだけどさ」


 とか言ったら頭大丈夫かとか思われること間違いないよね、うん。

 あたしの頭が、とりあえず冷静でよかったよ。

 よし。次行こう。

 ポッケからはあとは生徒手帳。定期。ガム。ポケットティッシュ……くらいかなぁ……。まともに使えそうにはないね。

 リュックの方は、国数英の教科書とワーク。筆記用具にルーズリーフとファイル。あとは財布と頭痛腹痛生理痛の薬かなぁ……。


「駄目だ、こんなのでなんとかなるはずがない……」


 そりゃそうか、今の日本教育はこんなサバイバルに適したことなんか教えてくれないもんね。

 恨むぞ日本の教育方針!

 さぁ、どうする? この状況をどうやって打破するあたし!

 いや、お願いだから誰か何とかしてください。

 あたし一人で、何も出来ない無力さを感じる。

 ん? 待って、あたし一人?


「そう言えば、アズラスさんはどうしたんだろう」

「……それは砂嵐に巻き込まれた時の事だ」

「うわっ、何だ起きたんだ」


 むくりと起き上がったビスは何か、突然語りだした。


「それじゃ、回想スタート」


 教えてくれるのは全然かまわないけど、あたしの言葉は華麗に無視ですか?



むしろサバイバル知識を教える教育方針だったら、それこそそこは日本か疑問を持ってもらいたいものです(笑)


よくトリップもので携帯電話ってキーアイテムになることが多いですが、これはこの一回ぽっきりのネタだけです。たぶん。


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