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※漁船での事態がどの様に映っているのか

 子ども達の視点にもう一度移ります







挿絵(By みてみん)




 水面は晴れ間を美しく映し出し、乱反射して揺れる。

肌が焼けるような暑さの中、(いかだ)の後部に1つ取り付けられたオールを、不器用に漕ぐ子ども達。

まだ上手でない操縦は、目的地から方向が外れ、少々深いところまで来てしまっていた。




「ちょっと!ちゃんとしてよケビン!」




ピンク色を作る為、花を失くすまいと籠を守るクロイが怪訝な顔をする。




「してる!オールがバカなんだ!」



「もっと こっち むけて、こいでみたら?」




ウィルが横入りし、ケビンと位置を代わった。

グリフィンは口出しせず、じっと彼等の行動と考えを見守っている。

その時、リサが声を上げた。




「もう ついちゃったんじゃないの!?

ぎょしぇん いないじゃない!」



「そんなわけ あるか!」




ケビンは焦って振り返り、苛立ちながらその先に目を這わせる。




「まだ あんなとこだ!おれたちが はやい!」




いや、妙だ。

グリフィンは表情を硬くし、中腰でいたところ、立ち上がる。






 漁船は確かにまだいる。

いるのだが、再び見えなくなり、かと思えば見えるではないか。

彼は目を尖らせ、異常現象に肌を粟立たせると胸騒ぎがした。




「なんであんな、チッカチッカしてるの?

あ!またみえない!はじめて!

あれ なにしてるの?」




何でも知っているグリフィンなら教えてくれるだろうと、クロイは彼を見上げる。

だが彼は一切の返事もせず、怖い顔で状況を睨んでいた。

子ども達はその様子から何かを察し、一斉に黙り込んでしまう。

ビクター達が留守にしている間、大人達がしていた表情によく似ているからだ。






 早く陸に上がり、他の者達に知らせねばならない。

グリフィンは何も言わず冷静に判断するが、行動は忙しなかった。

その動作から再び子ども達が読み取ると、素直に彼にオールを任せ、じっと筏に座りながら、海上で見え隠れする漁船を不安気に見つめた。




 筏は速やかに方向を変え、岸にいそいそと進んでいく。

身の毛がよだつこの現象は、何だ。

グリフィンはこれまでも、以前に住んでいた西の島が沈むなど、悲惨な異変に幾度となく遭遇してきている。

もうこれ以上、人や住処が消え失せるなどは勘弁だ。




しかしどういう事か。

天の聖域を侵した魔女は片された筈であり、空はこんなにも明るい。

竜の精霊は今も尚、無事に息吹いているのではないのか。

もしや世界は、まだ、まともではないのかもしれない。

いや、本当はこれまでと何も変わっていないのではないか。

ただ、大陸の多くを失っただけで、何も。




グリフィンは、例えようのない違和感を抱きながら、滲む冷や汗を拭った。









代表作 第2弾(Vol.1/前編)

大海の冒険者~人魚の伝説~


8月上旬完結予定

後に、代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~ をもって

シリーズ完全閉幕します




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