第6章エピローグ
―宇宙連邦軍第3艦隊惑星833派遣艦隊旗艦―
「予定通り挟み撃ちに成功したな」
ルージェットは第9艦隊からの派遣艦隊と世界連合からの派遣艦隊がケンルと自身が指揮する艦隊により次々と撃破されていく光景を冷ややかな目で見ながら呟く。
あらかじめマスラからの情報により古代宇宙怪獣ケンルがワープしてくる先を知っていたルージェットは、第9艦隊派遣艦隊を盾にする為に出現ができた。
「ルージェット准将。第9艦隊所属フトラス大佐から通信が入っておりますが、いかがいたしましょう?」
と、ラインリッヒ大佐が尋ねる。
「繋いでくれ」
ルージェットがそう言うと目の前の大型モニターに第9艦隊惑星833派遣艦隊司令官のフトラス大佐が映し出された。
そして映し出されて早々に、
「<ルージェット准将!何をしている!!こちらは味方だぞ!!>」
と、フトラス大佐の怒鳴り声が響き、怒りの表情が見て取れた。
「…フトラス大佐。残念ながら貴君等は反逆者と認定されました」
そう淡々と答えたルージェットに対しフトラスは目を見開いて、
「<なんの事だ!?私が…私達が反逆者だと!?>」
と、取り乱す。
「我々は監視していんだよ。この惑星の事をな。それに監査官が乗った艦船がそちらに居ただろう?なぜ彼等と連絡がつかない?」
「<そ、それは!>」
「妨害をしていたからでしょう?まさか通信障害が監査局が派遣した5隻全てに起こったとでも?ヴァルカ軍の通信妨害?ふん。それもありえんでしょうな。貴君等は普通に本部と通信をしていましたものね…」
「<ぐ…!?>」
フトラスは慌てて目を部下の方へと配らせ、指示をする。監査局部隊を始末しろ。と…。
「監査局の部隊ならもう居ませんよ?」
と、ルージェットはフトラスが何をしようとしていたのか分かったようで、そう伝えた。
「<な…!>」
既に監査局の艦船は全てルージェットが指揮する第3艦隊の後方へとワープしていた。
「ワープ妨害をしていたようだな。我々がワープを補助させてもらった。その場に居る2000隻そこらのワープ妨害と数万隻のワープ補助。どちらが有利かなど聞かなくても分かるだろ?」
「<ぐ…ぐぐぐぐ~~~!!!>」
フトラスは悔しさで顔を歪めた。
そして彼は気付く。
「<嵌められたのか!私は…!!>」
そう、彼は気付いたのだ。
この作戦の全ては自分達カンラ処分派を逆に処分する為に立てられたものだと。
同じ宇宙連邦国内で厄介とされるカンラ処分派の者達が集められ、更には宇宙連邦のカンラに対する政策に反対する国家をも集め共に消そうされているのだ。
予定に無い第3艦隊の出現やいきなりの攻撃がその証拠である。
「<ふざけるなよ!ルージェット!!>」
誰がこの作戦を考えたのかは知らないが、少なくとも目の前のルージェット准将はこの作戦の賛成派だろう。
フトラスはそう怒りをぶつけた。
「これまでの悪行の結果だ。諦めろ…」
ルージェットはそう言うと通信を切った。
そして通信を切った後ルージェットは、
「攻撃を第9艦隊に集中させろ。1隻たりとも…いや、一人たりとも逃がすな」
そう冷たく言い放った。
すると、
「!?ルージェット准将。敵艦隊…第9艦隊の半分が惑星833に降下を開始!」
と、オペレーターから情報が入る。
「阻止しろ。我々にはそのぐらいの戦力はあるはずだ」
冷静にルージェットがそう指示を出すが、
「第9艦隊の動きに他に各国からの敵艦隊が追従しています!」
と、慌てて報告をしなおす。
「なに?奴ら何が何でもあの惑星に住んでいうカンラを殺したいらしいな…。道連れか?無駄なことを…。そうならないための手段があるのを彼らは忘れているのだろうか…」
呆れた口調でルージェットはそう言った。
「グラフト・ダ・マスラ准将に連絡を」
ルージェットはそう言って惑星833にいるマスラへと連絡を急いでとった。
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―ヤマタイ共和国マルカワ研究所所長室―
既にエミリは帰っており、マスラは所長室でのんびりと休憩をとっていた。
ピピピピピピ。
所長室の電話が鳴り、マスラは気だるそうに受話器を取る。
「へ~い。僕マスラ。君のお名前は?」
そんなふざけた態度で電話に出ると、
「<こちら宇宙連邦軍第3艦隊所属惑星833派遣艦隊。緊急にお伝えしたい内容があります>」
と、ルージェットの部下の連絡員が言った。
「あ~い。うんうん、ちゃんとそちらが第3艦隊って事は確認は取れてるよぉー。んで?何かな?いよいよ私も参戦かな?」
マスラは通信先である人物が本物であるか即座に調査し安全だと確認して電話に出たようだ。
ふざけているように見えてしっかりと仕事をしている。
「<はい。惑星内に敵である第9艦隊及び同盟国艦隊が降下中です。当初の作戦通り食い止めて下さい>」
「はいは~い。分かりましたよぉ~」
マスラはそう言って窓の外を見た。
快晴である。
「さぁ~て、仕事を再開しますかねぇ~」
うーん。と唸って背伸びをするマスラ。
その時キラッと何かが光った。
「あ…―――」
マスラがその光に反応した時、研究所は第9艦隊と共に来た同盟国の艦船から発射された高出力エネルギー砲により撃たれて爆発をした。
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