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異世界転生してやっぱ中世ヨーロッパっぽいなって思ってたら近世ヨーロッパに転生してました…  作者: あああ


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第26話 人災

【お詫びと今後の更新について】


まず、4ヶ月近く連絡や報告もないまま更新を止めてしまい、大変申し訳ございませんでした。4ヶ月ほど前に身内の不幸があり、さらに自身の体調不良も重なったため、状況をご報告することができませんでした。その後もショックが想像以上に尾を引いてしまい、なかなか執筆が進まない日々が続いておりました。現在は気持ちの整理がつき、再び机に向かえる状態まで回復しております。これからまた毎日投稿を維持できるよう、執筆活動に励んでまいります。温かい目で見守っていただけますと幸いです


俺はまた地方長官の元を訪れていた。

 地方長官とは何度も取引をしたからか、良きビジネスパートナーとして話は進んでいく。


「……なるほど、小麦の強制徴収、か。だがマサト君、いくら私でも、正当な理由なく商人の私有財産を押さえることはできんよ。彼らも相応の税を納めているからね」

 

地方長官は、困ったように眉を下げながらも、目の前で俺たちアラマサ王立工房が作ったレースのコースターを使い、紅茶を美味そうに啜っている。その目が「お前ならどうせ、正当な理由(言い分)を用意してるんだろ?」と語っていた。


「正当な理由ならありますよ、長官。――事実、少し前までは穀物の不作が続き、市場から小麦が姿を消したこともありました。ですが、もうある程度は復活し、農村では普通に小麦が作られているはずです。では、なぜ市民に流通せず、価格が上がる一方なのか。不思議だと思いませんか?」


「……何が言いたいのかね?」


 地方長官の目が、すっと鋭くなった。


「理由は簡単です。不作の時期に味を占めた豪商どもが、市場に出るはずの小麦を裏で買い占め、倉庫に隠匿して『わざと』品薄状態を作り出しているんですよ。値段を吊り上げるためにね」


 天災はもう終わっている。今、このフランス全土を襲っているのは、強欲な連中が一致団結して仕組んだ純然たる「人災」だ。商人は儲けに敏感だ、そしてそれは他人が不幸の時でも変わらない。


「今、アランソンの民衆の不満は限界に近い。もしここで食糧暴動が起きれば、真っ先に焼き討ちに遭うのは役所であり、長官、あなたの首ですよ。彼らが私腹を肥やすせいで、なぜ貴方が命の危険に晒されなければならないのですか?」

 

俺が静かに告げると、地方長官のカップを持つ手がピタリと止まった。やはり、この男は人脈が広く優秀な人間だが、自分の保身の優先順位は高いようだ。


「……だが、彼らもただでは引き下がらんぞ。ギルドとも繋がっている」


「ですから『無理やり奪う』のではなく、『地方長官の権限で、適正価格で強制的に買い上げる』のです。市場価格の半値、いや、彼らの仕入れ原価に少し色をつけた程度の額でね。彼らも赤字にはならない。文句を言うなら、自警団がその倉庫の監査に入ってもいい、と脅せばいいんです。やましい物資が他にもゴロゴロ出てくるでしょうから、大人しく書類にサインしますよ」


 地方長官はしばらく黙り込んでいたが、やがて、にやりと口元を歪めた。


「買い上げた小麦はどうする気かね?」


「アラマサ王立工房がすべて引き取ります。そして、我々の自警団に加盟してる商店などで、少なくとも今の値段より安く民衆に放出する。少なくともアランソンの民衆は飢えから救われ、やがて近隣の街などに知れ渡り移住者が増え、税収も上がる。いいことずくめでしょ?」


「ふむ……。確かにアランソンが豊かになる事によって税収が増えるのは悪くない」


 地方長官は満足そうに頷くと、引き出しから白紙の命令書を取り出し、さらさらとサインをして俺に差し出した。


「よろしい、アラマサ自警団に『市場適正化のための臨検および物資買い上げ』の権限を与える。……ただし、商人の反発は凄まじいぞ。上手くやりたまえよ、マサト君」


「ええ、私にはアラマサ自警団がいますから」


 俺は命令書を受け取り、深く一礼して執務室を後にした。

 

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― 新着の感想 ―
うれしいです!これからも楽しみにしてます
更新お疲れ様です! 楽しみにしていた作品なので更新はとても嬉しいのですが、無理はなさらないでくださいね!
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