↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/163

裏ボス登場。実は俺


 良し、そうと決まれば……

意識を内面へと集中し、自己ステータスを確認。

アビリティやスキル等に異常は無し。

ふむ、問題は魔法だ。

魔力濃度は人間界よりも濃いので、ある程度の魔法は難無く行使出来ると思うのだが……魔王や勇者の戦いを見ていると、どうにも魔法の威力が低過ぎるように思えた。

もしかしたらこの世界特有の特殊な法則により、何かしらの制限が掛っているのかも知れない。

ま、単に奴等が実力不足と言う線も考えられるが……

だがもし仮に、俺の魔法の威力も半減していたりしたら、今後の行動についても少し考える必要があるだろう。

ってか、魔法の専門職には結構、致命的な問題だ。

そうなった場合、早急に摩耶さんを見つけ出さないと……


「先ずは試しだ」

俺は壁に手を添え、

「アンバクト(衝撃)」

属性効果の無い単純魔力だけの魔法を展開。

掌から放たれた魔力が、爆発音を轟かせながら周囲の壁もろとも大きく吹き飛ばす。


「う、うぉう…」

ちょっと予想外。

至近距離だし、魔法効果を確かめる為に少し強目に魔力を込めて放ったので、それなりに穴は開くだろうと思ったが……低位魔法でこの威力とは。

人間界と同じ……いや、それ以上の破壊力だ。


ふむ……少し考え過ぎだったか。

しかしこの世界は、また少し人間界とは法則が違うみたいだな。

これはどう言う事だろうか……

ここは元から魔法が普通にある世界だからかな?


人界だと、消費魔力と威力の間のバランスが物凄く悪かったけど、この世界は魔力の消費より威力が上回っている感じだ。

しかも人間界より魔力濃度が高いお陰で、回復も早い。

僕ちゃんにとっては中々に都合が良い世界だ。

ただその分、魔力の制御や魔法の使い所に気を付けないと、意外な所で大惨事を招く恐れがある。

特に範囲効果のある魔法を使う場合は、細心の注意が必要だ。

仲間を巻き込んでしまったら、目も当てられん。


うむぅ……ちょいと練習して、魔法の威力を調整したり効果範囲を確認したりしないとね。

しっかし、低位魔法でこの威力が出せるなら、魔法使いには有利な世界だと思うんじゃが……

勇者達の戦いを見ていたけど、魔法よりも物理攻撃に重点を置いている感じがしたぞ。

何でじゃろ?

この世界は魔法技術そのものが発展してないのかな?


「さてと…」

濛々と立ち込める砂埃を軽く手で払いながら、ホールに佇む魔王と勇者とその仲間達を見下ろす。

連中は互いに武器を構えたまま、突然の闖入者である俺を無言で見つめていた。


だ、大丈夫だよな?

一応はスキルで確認したけど、他の人はいないよね?

『カーーーット!!何してんのアンタ達!?』

って、監督とか演出家が怒り心頭で割り込んで来ないよね?


「あ~……うぉっほん」

と、俺は軽く咳き払いを一つ。

そして大きく息を吸い込み、

「はい、ちゅうもーーーく!!先ずは武器を下ろして、此方を注目。私語は禁止。オッケー?うん、宜しい。で、先ず話をする前に聞いておきたいんだけど……そこの黒い鎧。君は魔王だよね?この世界の支配を企む、ザ・悪の帝王だよね?」


「……」


返答は無し。

思いっきり無視された。

ま、それもある程度は予想していたから、良しとしよう。

「んで、白い鎧。君は勇者かな?この魔王を倒す為に冒険活劇を繰り広げて来た若者かな?ま、俺も若いんだけど」


「そ、そうだ!!」


「……うぉぅ」

勇者とやらは吼えた。

その瞳に炎を滾らせながら、俺を睨んでいる。

非常に、何と言うか……暑苦しい感じがする。


勇者にも様々なパターンがある。

クールで物静かな勇者も居れば、どこか心に闇を抱えている勇者も居る。

ちなみに眼下に居る勇者は、紛れも無くド定番の熱血風味系の勇者だ。

きっとあの兜の下は、どうやって整えているんだ、と突っ込みを入れたくなるようなツンツンヘアーに違いない。

僕ちゃんの苦手なタイプだ。


ってか、勇者だの何だの御大層に言っても、敵が居なけりゃ所詮はただの無職なんだけどねぇ。

何でそんなに熱血になれるんだか。

ちょっと現実を見れば、『俺、この先どうしよう?』って不安になるもんなんだけど……

それともアレか?

魔王を倒せば姫が貰えるとか、そう言うゴージャスな特典が付いているのかな?


「あ~……そうか、勇者か。うん、オッケー。んで、周りに居るのが愉快な仲間達と……それで合ってる?合ってるみたいね。良し。ならば立ったままで良いから、黙って僕チンの話を聞いて下ちぃ」


「お、お前は何者だ!!」


「あぅ…」

どうでも良いけど、何でそんなに気合を入れてるの?

いつもそんな感じ?

寝る時も、『おやすみなさい!!』って叫んだりするの?

め、迷惑だなぁ……


「え、えと……うん、そうだね。先ずは自己紹介だね」

俺はもう一度咳き払いすると、

「俺の名前はシング。シング・ファルクオーツ。魔王だ。んで、こっちの肩に乗っているのが魔王軍宰相、黒猫の黒兵衛だ」


「……なんや、魔王軍って」


「んで、こっちの肩に乗っているのが真のラスボス、大魔王酒井さんだ」


「大魔王って……何よそれ」


「んで、僕ちゃん達は色々あって、ちと困った事になっているので御座る。そこで諸君達に少し協力して貰おうかと思って……取り敢えず、黙って言うことを聞いてちょんまげ」

俺がそう言うと、魔王は無言で、勇者一味はどこかアカン子を見るような目つきで、階上に居る俺を見上げていた。


「うわぁ……物凄い見てるよ」


「そらそうやろ」

黒兵衛が耳元で囁く。

「いきなり変な兄ちゃんが現れて妙な事を口走ってるんやで?普通は呆けに取られるやろ。保健所に通報の事案やで」


「そ、そうかぁ?」

俺は頭をボリボリと掻きながら、どうしたもんかと思案。

少しばかり婉曲な言い方だったかな?

もっとストレートに言った方が伝わったか?


って言うか……魔王も勇者も、どちらも仕掛けないでやんの。

両者とも隙だらけの状態なのに、ボケっとした顔で黙って俺の話を聞いてるよ。

てっきり、一先ず俺をスルーしておいて、バトルが再開するかと思っていたんだが……

だって不倶戴天の敵同士の筈だろ?

世界の命運とか掛っているんじゃないのか?

まさか俺が武器を下ろせって言ったから、律儀にそれを守っているとか……

だとしたら、どちらも馬鹿正直過ぎるだろうに。

や、俺的には話が進みやすいから、それはそれで良いんだけどさぁ。

俺が黒騎士魔王の立場なら、この好機を逃がさずに勇者に一太刀浴びせるぞ。

勇者の立場だとしてもそうする。

その辺が、何か中途半端な連中ですねぇ……

いや、もしかしてこの世界の戦闘ではターン制が採用されてるとか?

現在、僕チンのターンだから何もしないって事?

そう言う不文律があるのか?

暗黙の了解事項なのか?

……

今時?


「良く分からんけど……ま、良いや。んじゃ、馬鹿なお前等にも分かり易く、単調直入に言う。今日から俺が世界を支配する。お前等は下僕。俺の命令を黙って聞け。以上である。……何か質問は?」


質問の答えは、巨大な火の玉だった。

放ったのは勇者パーティーに所属する爺ィ魔術師だ。

長い白髭を垂らした、如何にも魔法使いと言う風体の爺ィだ。

デザイナーに、もう少し斬新なキャラクターを考えろよと言いたいね。


……うん、不意を突いての攻撃……戦術的には正しいな。

俺も良く使う手だし。

けど、攻撃を仕掛けて来たと言うことは、完全なる敵対行動だ。

ってか、あの爺ィはどこか渋澤の爺さんに似ているし……良し、殺そう。


「ん~……」

向かって来る火の玉を見つめ、高速思考。

火属性の単純魔法に……魔力を上乗せして効果を倍増させているって所かな?

危険察知スキルは反応無し。

この程度の魔法なら防御系スキルを使うまでも無く、身体アビリティだけで楽に耐えられると思うけど……

酒井さんはともかく、黒兵衛だと髭が焦げるかも知れんな。


「リフレクシルト(反射の盾)」

片手を伸ばし、中位防御魔法を展開。

魔力がちょいと減るが、この世界の濃度なら数分で補充できるだろう。


ちなみにリフレクシルトは、使い勝手が余り宜しくない魔法だ。

俺も滅多に使わない。

効果としては『全攻撃を跳ね返す』と言う、効果だけ聞けばそれなりに使えそうな防御魔法ではあるが、反射率は術者のレベルではなく攻撃側のレベルに依存するので、正直、敵がそれなりに強い場合、殆ど無効化されてしまうのだ。

ぶっちゃけ俺の世界だと、10回攻撃されたら9回は突破されてしまうであろう防御になっていない防御魔法だ。

ただ他の防御魔法を上乗せする事が出来るので、補助的な役割としては充分に使う事が出来る。

それに相手がリソース不足などで自分の得意ではない攻撃を繰り出して来た時、例えば普段は剣を使う戦士が槍を使って来た時とか、或いは魔法使いが自分の習熟系統以外の魔法を放ったりした時とかは反射する確率が高くなるので、戦闘が長引いた時にはそれなりに重宝する場合があるのだ。


「とは言え魔力の消費がなぁ……費用対効果的に、やっぱちょっとねぇ」

等と呟いていると、火の玉系魔法が俺の眼前で炸裂。

が、防御魔法に反射され、そのまま180度、火の玉魔法は飛んで来た方向に跳ね返る。


「ぐおッ!?」

爺ぃ魔法使いはいきなり火達磨になった。

どうやら防御系の魔法は不得手なようだ。


「おやおや、慌ててますねぇ」

神官職か治癒師であろう白いローブのケモ耳系娘ちゃんが、必死で爺さんを治癒している。

弓を構えた姉ちゃんも何かアイテムを取り出しているし……

ま、あの程度なら直ぐに回復出来るだろう。

もっとも、今から殺すけどね。


「さて、どうやって爺ィを始末しようか……っと?」

無言でいきなり黒鎧の魔王が襲い掛かって来た。

禍々しい巨剣を振り上げ、肉薄してくる。


あ、あのなぁ……こいつマジか?本当に馬鹿なのか?

勇者パーティーが右往左往している今が千載一遇のチャンスだと言うのに……何故に俺を狙う?

僕チン、何か悪い事でもしましたか?


黒い魔王は巨剣を俺の頭上目掛けて振り下ろしてくる。

鋭く重い一撃だ。

が、先程のリフレクシルトはまだ効果持続中。

剣が防御魔法に掛ると同時に攻撃が反射し、空間が捻じ曲がったかのようにその切っ先が逆に魔王の頭上に振り下ろされた。


「ぐほ!?」

フルフェイスの兜に当たった自分自身の一撃に、この世界の魔王がよろめく。


「ん……スキル、ブーストを発動と」

効果は一時的な筋力などの身体能力のアップ。

副作用は筋肉痛だ。

「ほらよっと」

隙だらけの黒魔王のボディに、強烈な右蹴りを一発。

トゲトゲ付きの黒い鎧がボコンと鈍い音を立て凹むや、そのまま魔王は猛烈な勢いで吹き飛び、壁に激突した。

これで暫くは動けまいて。


「さてさて…」

軽やかに勇者達が居るホールへと舞い降りると、丁度爺ィ魔法使いが起き上がる所だった。

ナイスタイミングだ。

さっさと死にさらせ。


「ん、ディメルシュナイデン(次元切断)」

右手を振り上げ、そして斜めに振り下ろす。

空間ごと切り裂く魔法は、音も無く、爺ィ魔法使いの身体を切り裂いた。

左の肩から右腰に掛け綺麗に真っ二つだ。

爺ィはワケが分からんと言った顔で、即死である。

あと、俺と爺ィの間に居たファンタジィど定番の弓使いエルフちゃんの腕も切り落としてしまったが……ま、これはサービスだ。

そもそも射線に入る方が悪い。


「ん~……お次は誰に……」


「貴様ぁぁぁッ!!」

いきなり勇者が唾を撒き散らしながら吼えた。

「ゆ、許さんぞ!!」


「いやいやいや、許さんって……その爺さんが先に攻撃して来たんだろ?俺を殺す勢いで魔法を放って来たじゃんか。俺がキレて怒るのは普通だけど、何でお前が逆ギレしてんの?」


「なにぃぃぃ!!」


「ったく、これだから人間は身勝手って言うか……お前、アレだろ?テメェが毎日喰ってる牛や豚に噛み付かれた時、むっちゃ怒るタイプだろ?日々の糧に感謝の祈りを捧げない輩だな」

と言うか、本当に暑苦しいなぁ、コイツ。


「黙れ!!」

勇者は光り輝く正義の剣を構え、俺に向かって突進。


ほほぅ……中々に早い踏み込みだね。

人間にしては、かなりの強者だ。

身体能力は、人間界で出会った誰よりも頭一つ分ぐらい抜き出ている感じですぞ。


「喰らえ!!」

袈裟懸けに振り下ろされる勇者の剣。

俺は七星剣を抜刀し、逆に振り上げるようにしてその剣を受け止める……筈だったが、『キンッ!!』と甲高い鉄同士のぶつかり合う音が一つ響くや、勇者の剣はあっさりマイルドに俺の七星剣に切断されてしまった。

刀身の中程から、スカッと爽やかに真っ二つだ。


「あ、ありゃま」

床を転がる勇者の剣の残骸。

俺は頭を掻きながら勇者を見やると……熱血系勇者は呆然とした顔で、大地に転がる折れた剣と、手にしている柄と、そして俺を交互に何度も見つめて来る。


「ば、馬鹿な……聖剣ルイルシベールが……」


ぬぅ…

なんちゅうか……物凄い罪悪感を感じる。

思わず

「ご、ごめんなぁ」

と呟いてしまった。


や、本当に申し訳ない。

こんなにアッサリ切れちゃうとは……

きっとあの聖剣とやらを手に入れるために、物凄い苦労をしたに違いない。

面倒なイベントを幾つもこなし、途中でお涙頂戴系のシナリオもあったり何だりして、やっとこさ手に入れた最終武器なんだろう。

ゲームを嗜む俺には良く分かる。

や、それどころか、実は課金アイテムなのかも知れない。

課金してガチャ引いて、物凄い低確率でドロップする、超Sランクアイテムかも……

それを考えると、かなり可哀相だ。

瞬間接着剤的なモノで、何とかあの剣は直せないものだろうか。


「ゆゆ、ゆゆゆ許さないぞ貴様!!」


「あ~……うん。今度の怒りは良く分かる。誠に申し訳ない」

テヘヘとちょっぴり笑顔で謝る僕チン。

対して勇者は益々激昂するがその時、

「…お?」

風を切る音と共に、目の前を薄い刃が高速で横切る。


ふむ……剣士か。

それも双剣と……装備しているのはジャパニーズ・サムライソードですな。


勇者と僕チンの間に二刀を構えた剣士が割り込み、その切っ先を俺に向けている。

皮をベースにした薄い軽鎧を装備した痩身の男だ。

総髪に鋭い眼差しは、如何にも武士チック。

そのやや切れ長の目は至って冷静に俺を凝視している。

クールでドライ、勇者とは真逆の、何だか乾燥剤のような男である。

しかも物凄く悲しい物語とか背負ってます的な雰囲気も醸し出している。

中々に面白い。

俺的には勇者よりこっちの方が好みだ。

もしもこれがゲームだったら、俺はこのキャラ推しで話を進めるだろう。


「と…」

剣士が無言で突っ込んできた。

両の手にそれぞれ持ったサムライソードを巧みに操り攻撃を仕掛けてくる。


こ、こりゃまた……凄ぇなぁ。

素直に感心だ。

気合と根性で闇雲に突っ込んで来た勇者とは違い、技を駆使して多彩な攻撃を繰り出して来る。

これだけ精巧に組み立てられた剣技は、俺の世界でも滅多に見られない。

剣術のレベルに限って言えば、勇者のそれを遥かに上回っているだろう。

さすが俺様推しのキャラクターだ。


しかし本当に、二本の刀を器用に扱うモンじゃわい。

素人が真似したら、間違いなく自分自身を切ってしまうだろう。

それに技の繋がりもスムーズだし、隙も殆ど無い……

いや、本当に凄いね。

ちょっと教えて貰おうかなぁ。


そんな事をボンヤリ考えていると、段々と剣士の瞳に動揺の色が浮かんでくるのが分かった。

ま、そりゃそうか。

何しろ俺は一歩も動いていないのだ。

両の肩に酒井さんと黒兵衛を乗せたまま、その場から動かず、片手で七星剣を振るって剣士の攻撃を防いでいるのだから。


ちなみに言っておくが、俺の剣のレベルはこの剣士の足元にも及ばないだろう。

それに防いでいるとは言っても、実は殆どが身体に直撃を受けていたりする。

何の事は無い、俺は単に自分の身体能力、アビリティとスキルと防御魔法で攻撃を防いでいるだけなのだ。


「ん~……お気に入りキャラだから、取り敢えずは殺さないでおこう」

ゆっくりと片手を伸ばし、

「魔力最小、アンバクト(衝撃)」

単純魔力系の攻撃魔法を放つ。


「く…」

剣士は直撃を受け、背後に居た勇者を巻き込んでそのまま壁際まで吹っ飛んで行った。

と、それと入れ替わるように、死角から小さな影が躍り出て俺目掛けて突っ込んで来る。

その手には短剣。

何族か分からんけど、チビ魔女と同じぐらいの背丈の男だ。

盗賊系のクラスを持っているのか、素早さに何かしらのバフが掛っているような動きだ。


「けど、奇襲察知のアビリティがあるし、複眼スキルで動きがバレているで御座るよ」

俺はその小さな男の腕を難無く捕まえると、そのまま振り回して、前衛のタンク役であろう大ハンマーを構えている全身鎧の巨漢目掛けてブン投げる。


ふん、本当に弱いっちいパーティーじゃのぅ……連携もイマイチだし……や、あの剣士君は中々に良かったけどね。

しっかし、どうしようかなぁ……


その時、不意に耳朶がクイクイっと引っ張られ、

「ちょっとシング。どーすんのよ」

酒井さんの小さな声。

「どう見ても、アンタの言う事を聞くとは思えないわよ」

黒兵衛も、

「せやで。お前の作戦、いきなり失敗してるやないけ。どない収拾をつけるんや?」


「むぅぅぅ……む!?閃いたナリ!!」


「ま、またなの?」

「なんやねん。またしょーもない事でも考え付いたんか」


「ふふん、次の作戦は完璧で御座る。間違いなく摩耶さん達を見つけることが出来るでごわす」


「何でそんな自信満々に言えるのよ…」

「学習能力が無いとちゃうんか?」


「まぁまぁ、見てろって」

俺は不敵な笑みを溢しつつ、今だ戦意が高い勇者パーティーを見つめるのだった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。