ダークエルフの里
「まずは、ネルさんのところへ行って、クラリッサについて知らないか確認してみましょう」
ネルの自宅へ行くとキョトンとした顔でこちらを見ている。
「えっとどなた様?」
「リーフィア、どうしたの?」
「詳しくはまた説明するけど、私はリーフィアよ」
「え、師匠?若返ったんですか?」
「そうね、あなたよりも年下になっちゃった。ネル先輩!」
「頭がこんがらがってワケわかりません」
「無理もないは、でも今はハーベルが大変なのよ」
「どうしたの?」
「魔界に閉じ込められたみたいなの」
「助ける方法はあるんですか?」
「それを探しているの、クラリッサの居どころ知らない?」
「クラリッサとは連絡取ってないの、ごめんなさい。でも、テルミットまだ持ってるんじゃないかな」
「本当?」
「ネルの貸してあげる」
リーフィアは、テルミットを耳にあてて呼びかけた。
「クラリッサ、クラリッサ、応答して!」
「わあ、びっくりした。誰ですか?」
「ああ、出てくれた。私よ、リーフィアよ」
「リーフィアさん?師匠ですか?でも、師匠は、居なくなったってハーベルが•••」
「いろいろあってハーベルに助けてもらったのよ」
「師匠、よかった。お久しぶりです」
「それより、ハーベルが大変なのよ。すぐに会えない?」
「私、ダークエルフの里に帰っているんです。すぐには難しいかと•••」
「私たちが、何とかそちらへ向かうわ。お手伝いお願いします」
「よくわからないけど、分かりました。待ってます」
「ありがとう」
リーフィアたちは、早速天界へ向かって、アルテミス様にお願いした。
「事情は、分かりました。ダークエルフの里への門を開きましょう」
「ありがとうございます」
光のポータルを通って、一瞬でダークエルフの里に着いた。
「クラリッサどこかしら?」
「テルミットがあればすぐに見つけられますよ」
クラリッサのいる家へ急いでいると、警備兵らしき者にひき止められてしまった。
「私たち急いでいるんです。早くクラリッサに会わないと」
「クラリッサ様?里長に何のようだ?」
「里長?」
「お前らますます怪しいな!」
「そこまでです!」
「ああ、クラリッサ様!」
「その者たちは、大事な客人です。丁重におもてなしを!」
「失礼しました」
警備兵たちは、深々と頭を下げるとすぐに立ち去った。入れ替わりに、メイドらしき者が丁重に出迎えてくれた。
「クラリッサ、里長なの?」
「帰って来たら、悪魔討伐の件が広まっていてハーベルのパーティーに居たことがばれちゃって、みるみる話が大きくなって英雄扱いされて、いつの間にか一番年配になっていたからそのまま里長に祭り上げられちゃったのよ」
「ああ、」
「私は直接戦ってもいないし関係ないって説明したのよ!」
「なるほど、それは仕方がないかもね•••」
「それよりハーベルが大変って件は?って師匠若返ってる?」
「まあ、いろいろあって。そんなことよりハーベルが魔界へ閉じ込められちゃったのよ」
「あの南の大門ですか?」
「そう、魔界から戻れなくなったみたいなの、それでクラリッサなら戻る方法を知らないかなって」
「なるほど、魔界からの召喚方法はいろいろあるけど、一番可能性が高いのは鬼龍玉を使った方法ね」
「やっぱり、鬼龍玉を持つ龍人族のところへ行って相談したんだけど、生け贄に赤ん坊が必要だって言われて」
「確かにそうね」
「ただ、それは正確ではないわね」
「何が?」
「鬼龍玉で鬼龍を召喚するためにはドラゴンの卵が必要だけど、人間を召喚するのに赤ん坊と言うのはちょっと」
「詳しく聞かせて」
「いいわ、まず鬼龍玉では、人間を召喚することはできない」
「でもさっき一番の方法は鬼龍玉だって•••」
「鬼龍玉そのものでは、無理ってことなの、鬼龍玉を使って人間召喚用の別の魔道具を作る必要があるの」
「言うなれば人間玉とでも言うのかしら、でもそんなもの作る必要もないから誰も作ったことはないのだけれど•••」
「理屈では、可能なはずよ」
「そのためにはどうしたらいいの?」
「鬼龍玉を二個用意して!」
「なぜ二個なの?」
「鬼龍玉で召喚する原理は、鬼龍玉が生け贄を糧に魔界の鬼龍の魂と無差別に呼応してこちらの世界へ召喚させると言うもの」
「でも、ハーベルを召喚するためには、無差別では困るのよ。つまり、ひとつはハーベルの魂と呼応させて、もうひとつは、ハーベルと引き合う魂と呼応させる必要があるの。ふたつが揃ってやっと召喚が成功するはずよ」
「なるほど、でもひとつは龍人族の族長にお願いするとしても、もうひとつは?」
「鬼龍がいれば鬼龍玉は作ることができるけど私にはできないわ。ハーベルならできるかもしれないけど•••」
「本末転倒ね」
「何とかもうひとつ見つけることはできないかしら?」
クラリッサたちは、頭を抱えてしまったのだった。
次回 【ハーベル救出作戦】




