我慢の限界
かれこれ1ヶ月ほど経った頃、すっかり暮らしにもなれて工房仲間とも上手くやっていた。
「おい、ハベル食事行こうぜ!」
「はい」
「ところで、山の向こうにあるでかい門ってなんなんですか?」
「あれか?ダリアン王子が人間界へ行くために作ったてヤツだろ?」
「こちらから行けるんですか?」
「よくは知らないけど、人間界側からしか開けられないらしいぜ」
「そうなんですか···」
「ハベル、人間食わないよな?」
「あまり好きじゃないので···」
「うまいのに···」
「今日は、ごちそうさまでした。もう戻って寝ます」
「おお、おやすみ」
「ハベルっていいヤツなんだけど、何か変わっているよな?」
「まあいろいろあるんだろ、詮索はやめようぜ」
「そうだな、仕事もしっかりこなしてくれるし、取引先からも評判いいみたいだぜ」
このまま居てもしょうがない、何とか門を抜ける手を考えなければ···
「リーフィア心配してるかな?」
その頃、人間界では···
レオンたちは、ハーベルが調査に向かってすぐ、リーフィアたちにお礼を言って、「ソーサリーエレメント」のアジトに戻っていた。
「ハーベル、人間やめちゃってたな」
「やめちゃったって•••」
「だって神様だって•••」
「そう言えば、神様が持ってる宝の話があったじゃない?」
「あれ、リーフィアさんがはめてた指輪のことらしいよ」
「ああ、天界の指輪だっけ?」
「うん、未来予知ができるって言ってたな」
「確かにお宝だけど、リーフィアさんから盗むなんてできないよな」
「当たり前でしょ、命の恩人よ」
レオンたちは、まだハーベルの身に起こっていることに気がついていなかった。
「リーフ、ハーベルがどこに行ったか分からないの?」
「あれから1ヶ月も経つのに何の連絡もないなんて···」
「テルミットも全く反応しないし···」
「やっぱり、悪魔に捕まってるんじゃ?」
「だったらもう···」
「リーフ、縁起でもないこと言わないで!」
「ごめんなさい」
「もう我慢の限界、天界へ行きましょう、シリエル様に相談してみる」
「そうね、分かったわ」
リーフィアは、早速天界へ向かいシリエルに事情を話した。
「リーフィア、今分かっていることはハーベルが人間界にも天界にも居ないことだけだ」
「じゃあ、生きてるってことですよね」
「まあそうなるな、ということは、魔界に居るとしか考えられない」
「やっぱり、でもどうやって魔界に?」
「あの門を通ったとしか思えん」
「魔界でも元気にしているのかしら、心配で心配で···」
「助けに行くことはできないですよね?」
「そうだね、魔界へは干渉できないからな」
「ただ、人間界からなら一つ干渉する方法はある」
「召喚ですね」
「そうだ、ただ召喚するにしても悪魔ではないしどうしたものか···」
「人間を召喚する方法はあるのでしょうか?」
「聞いたこともない。何か方法はあるかもしれんが···」
「天使様でも分からないことをどうしたらいいのか?」
「知恵の神であるアルテミス様にお願いしてみるか···」
「よろしくお願いします」
次回 【人間召喚?】




