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ソーサリーエレメント2  作者: 吾妻 八雲


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人間の神様

リーフィアと暮らすようになって、1ヶ月ほどが経とうとしていた。


「リーフィア、かなり上達したね」

「ハーベルにいわれた通り、絶えず体を少し浮いた状態にしてるよ。お陰で魔力が増えた気がする」


「素晴らしいね」

「師匠がいいのね」

「そろそろ、空を飛ぶ練習でもしようかと思うんだけど」


「いいわね、早くやりましょ!」

俺は、ホウキを用意するとリーフィアに手渡した。


「お掃除でもするの?」

「いや、ホウキに乗るんだよ」

「いやいや、無理でしょ···」


俺がホウキを手に取りほいっと乗って見せた。


「ウソ、乗れた」

すごく驚いているがワクワクしているようにも見える。


「やってみて、リーフィアだったらすぐ乗れるよになるよ。まず、この猫の人形を握って···」

「ああ、乗れた!」


「ほらね。あとはその人形を操作すれば、自由自在さ」

「本当だ、すごい!」

こうして、いろいろなことができるようになっていった。


「リーフィアの料理は本当に美味しいね」

「ありがとう、そんなこと言ってくれるのハーベルだけだけどね」

やっぱり嬉しそうだ。


「ハーベル、魔道具ってどうやって作るの?ハーベルにしかできないのかな?」

「いや、リーフィアならできるよ」

「本当?」


「リーフィアは、スキルで「設定」が使えるはずだよ」

「スキル?」

「魔法とは別に、属性ごとに特定のスキルがあるんだよ。無属性のスキルは「設定」なのさ、これを使えば魔力消費を抑えても効率のいい魔道具が作れるよ」


「そうなんだ、使い方を教えて」

俺は、細かく丁寧に使い方を説明した。


「なるほど、これは便利ね」

リーフィアは、水を得た魚のようにいろんな道具を作り始めた。


「さすがリーフィア、のみ込みが早いね」

こんな感じでゆっくりではあるが、着実に元のリーフィアを取り戻していった。


「ハーベル、ハーベルったら」

「なんだ、リーフ」

「神様のことも忘れないでって言ったでしょ」

「ああ、忘れてた···」


「リーフィアのことも大事だけど、神様にも会いに行ってあげて!」

「しょうがないなあ、リーフィアと一緒ならいいよ!」


「それでもいいからお願い!」

「了解」

俺は、しぶしぶ承諾してリーフィアに相談してみた。


「私も言っていいの?神様に会えるの?」

「ああ、でもあんまり期待しない方がいいよ、正直期待はずれだしな」

「そんな···」


「それと、リーフを紹介しておくよ」

「私は、大精霊のリーフィアと申します。ハーベルは、リーフと呼んでいるわ」

「あら、あら、私と同じ名前?」

「たまたまだけどね」


「ハーベルには、お世話になりっぱなしだけど、神様候補として今の神様に会いに行ってほしいの」

「着いてきてもらえる?」

「もちろん、リーフよろしくね」


リーフが、光のポータルを開いて神様のもとへ出掛けた。


「神様、お久しぶりです」

「ハーベル、お久しぶり、そちらがリーフィアさんですね。よろしく」

「神様、こちらこそよろしくお願いします。神様とお話しできるなんてとても光栄です」


「そんなたいした者じゃないよ···俺たちと同じ人間だしね」


「神様って人間なんですか?」

リーフが、細かく説明してくれた。


「そうなんですね。なんか大変そうですね。でも、ハーベルなら神様にピッタリな気がする」

「そうでしょ、リーフィアからもお願いしてちょうだい」


「まあまあ、リーフィア無理を言ってはいけませんよ」

「よく言うな!」


「ハーベル、機嫌悪そうね」

「ああ、ごめん。俺は、神様なんかになる気は更々ないんだ」

「そうなの?」


「リーフィアと一緒に幸せに暮らせればそれでいい」

「ハーベルらしくないわね」

「え?」


「ハーベルなら、世界中の人たちを救う事ができるのに、自分たちだけが良ければいいなんて···」

リーフィアが、とても悲しそうな顔をしてうつむいてしまった。


「分かったよ···」

「でも、神様を引き受けるのはリーフィアだ。俺も一緒に引き受けるが、実働部隊だ。この条件ならいいだろう」

「そんな···」


「分かりました。ハーベル、それでいいでしょう」

「神様···」


「ハーベルが、引き受けてくれる気になっただけで十分です。異例な条件ですがお願いします」

「え?ハーベル、私が神様なの?」

「ごめん、そういう事になってしまった···」


「私は、ハーベルと一緒ならどこでもいいけどね」

「暮らす場所も何もかも自由です。今までと何も変わりません。神様の力を受け継ぐだけです。何をどうするかはあなた方次第です」

「分かりました」


神様は、リーフィアの頭に両手をかざすと詠唱をはじめた。柔らかな光が身体全体を包み込むと、頭上の一点に集中するように頭の中へ消えていった。


「おしまい?」

「あとは、この「天界の指輪」を、ハーベルつけてあげて」

俺は、指輪を受けとるとリーフィアの右手の薬指に優しくはめてあげた。


「結婚式みたいね」

リーフが、嬉しそうに言った。


すると、ハーベルの右手の薬指にも指輪が現れた。


その瞬間、神様は、横になると優しい顔をして息を引き取った。

次回 【新人神様降臨】

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