新人神様降臨
「神様、長い間ご苦労様でした」
リーフは、寂しそうにそう言って手を胸の前で組んであげた。
「神様、もう寿命だったんだ···」
「特に変わったこともなさそうだけど、本当にこれでいいのか?リーフ」
「ええ、リーフィアが正式に神様になられました。おめでとうございます」
「神様だからって、何ができるようになったの?」
「すべての人の思い、悩みや苦しみ、喜びや悲しみすべての感情を知ることができるのです。つまり、あなた自身のこともすべて···」
「ああ···」
リーフィアが、急に頭を抱え込むと走馬灯のように忘れていた記憶がよみがえって来た。
「リーフィア大丈夫か?」
心配になって、リーフィアを抱き抱えると、
「ハーベル、ハーベルなのね!」
「師匠?」
「あら、あら、そんなに泣かないで」
「だって師匠が···よかった···」
「私もいろいろ大変だったようね···」
「ハーベル、今までありがとう。昔の記憶も今までの記憶も両方あるから不思議な感じだし、15歳も若返っているからちょっと得した気分だわ」
「師匠、よかった」
「あら、あら、ハーベル、リーフィアって呼んでくれないのかしら···」
「リーフィア、ちょっと恥ずかしいけど···」
「今まで通りで大丈夫だよ。本当に優しいのね。ハーベル大好き」
「俺も愛してる」
リーフが、顔を赤らめて後ろを向いた。
俺は、リーフィアのほほに軽くキスをした。
「くー、コホン、か、神様よろしいでしょうか?」
「あら、あら、リーフごめんなさい」
「神様としての仕事のサポートは私が全面的に引き受けます」
「リーフ、よろしくね」
「では、私は前の神様の弔いを済ませたらまたうかがいます」
「分かったわ」
「リーフィア家へ戻ろうか!」
「うん」
俺は、リーフィアを抱き抱えると一気に木の上の自宅へ移動した。
「さすが、ハーベル。もう、無詠唱でなんでもできるのね」
「はい、みんなのおかげです」
「すべて思い出した。すべて···」
窓から涼しげな風が吹き抜けると、彼女の美しい紫色の長い髪を棚引かせていた。
次回 【悪魔のつかい】




