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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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やり過ぎてしまった…

 翌日。


 そそくさと学校から帰宅し、宿題をぱぱっと片付けたオレは、6時にはユートピア(ゲーム)にログインした。


 早くガントレットの新形態〈ドラゴンファングアームズ〉の性能を確かめてみたかったからだ。


 先日はサクラちゃんとスミレちゃんが協力してくれたおかげで、天空の塔を無事に攻略。何とか第3階層へと登れるようになった。


「……うわぉ」


 第3階層は、皆から聞いていた通り、とても見晴らしの良い大平原が広がるフィールドが広がっていた。


 北側のすぐ近くに町があり、それ以外はひたすら平原が広がっている。ところどころに巨大な岩や丘のような場所も見えるが、もしかするとああいうところにダンジョンの入口があったりするのだろうか?


 オレはひとまず町へと入り、それからダンジョンを覗いてみる事にした。






 ◆◆◆






「さて、と。【ドラゴンファングアームズ】展開っ」


 大平原のど真ん中で、早速ガントレットの形態を切り替えた。


 ドラゴンファングアームズ。

 近距離武器破壊と防具破壊のスキル、そして遠距離砲のスキルを併せ持つ、攻撃的なガントレット。

 ワイヴァーンの頭を象ったその造詣は、えも言われぬ威圧感すら感じられる。


 1番気になるのは、やはり遠距離攻撃スキル〈ブレイズカノン〉だろう。

 他の2つのスキルは、どちらも装備破壊系のスキル。ゴブリンやリザードマンのような武器を装備したモンスターでもなければ試せないが、生憎この階層にはそういった武具を装備したモンスターはいない。


 となると必然、このブレイズカノンしかここでは試せないのだ。


「…お、いたいた」


 少し離れた丘の上に、ファングボアが出現した。


 オレは右手のガントレットを構え、照準を定める。


 そして……。


「【ブレイズカノン】っ!」


 目標へ向けて、スキルを使用した。


 すると、ガントレットのドラゴンの口がガコンっと開き、紅い光が徐々に大きくなっていった。


 そして。



 ソレは、どデカい音を響かせながら放たれた。



「ゴ……ァ…………!!!」


 やや上向きに放たれた真紅の光線がモンスターに直撃し、モンスターは一瞬で蒸発。

 光線はそのまま空まで飛んでいき、遠くに浮かぶ巨大な雲にぽっかりと大きな穴を空けた。


「……は…………?」


 ガントレットの腕の部分の一部がガシャンと開き、放熱用の筒が顔を覗かせ、バシュウ…という音を立てながら熱を放出した。


 こいつは、ヤバすぎる。


 ダンジョン内などの狭い空間で撃とうものなら、一気に崩落して生き埋め待った無し。

 外でも考え無しに撃ってしまえば、仲間や他のプレイヤーをも巻き添えにしてしまいかねない。


(こんなスキル、気軽に使えるかーーー!)


 心の中で絶叫した。


 ボス戦以外では絶対禁止。

 封印指定の禁断スキルだな、これは……。


 MPもすっからかんだし、何故かHPも幾らか削れてる。まさか、反動ダメージじゃ無かろうな……? ますます使いにくいじゃないか、この遠距離砲……。


 けど、武具破壊スキルは普通に有用だ。この形態は対プレイヤー戦で使うとしよう。


 大バサミに猛毒、そしてビーム砲か……。


 変わり種ばっかりだな、オレのガントレット。










 その後。


 第3階層の大平原で、雲を撃ち抜く程の強烈なビーム砲を遠目で目撃した多数のプレイヤーにより、一時期運営への問い合わせが殺到した。


 そしてしばらくの間、ネット上でも盛大に噂される事となった。


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