イベント終了
「今の順位は……、49位か。大健闘してるな、オレ……」
ポイントは92しか集めきれてないが、何とか50位内に食い込めた。
このゲーム初心者のオレが初のイベントでこの順位、これは大健闘と言っても差し支えないだろう。
残り時間はあと20分少々。脱落者も相当出てきている。
多分、ランキング上位者が大あばれしているのだろう。
特にランキング1位だったコウエンと、3位だったゲンゴロウ。
ヒロアキの言っていた事が本当なら、オレと同じく超絶激レア進化武器を持っているであろう2人。
オレの武器ですら強力なのだ。トップランクに名を連ねる者なら、きっとこのイベントでも何処かで武器無双しているに違いない。
「食らえええっ! …んなあっ?!」
「はあっ!」
「ぎぃやあああ!」
奇襲を受けても何のその。
生中な攻撃は通用せず、カウンターの一撃で容易に撃破。今のところはこれで押し切れている。
もうちょっと学ばんのかとツッコミを入れたい気分だ。
その後も見つけては倒し、見つけては倒しを繰り返し……。
『終了でぇーす!』
初めてのバトルロワイヤルイベントは、こうして幕を下ろした。
◇◇◇
所変わって、こちらは大会観戦席。
その一角にて、バトルロワイヤルイベントを観戦している2人のプレイヤーがいた。
「凄かったなぁ……」
「そうね。私もいつか、ああやって華々しく活躍したいものね」
「ユズは、大会出たいの?」
「そりゃあいつかは出たいわね、上位の景品はどれも良い物ばかりだし。でも、今はまだPSに自信が無いから、まだ当分は先になるわね」
「そっか……」
「そういうアザミはどうなの? アンタ確かレベル80は超えてたわよね?」
「うん。もうすぐ85だけど……」
「高っか! それくらいやり込んでるなら、大会出れば良かったのに……。どうして出なかったの?」
「わ、私はまだ、腕に自信ないし……。それに、大会出るの、緊張するっていうか……」
「はぁ……。ゲームの中ですら人見知りするなんて、アンタくらいよ……」
「ごめんなさい……」
「謝ってどうするのよ。…そうだ、良い事を思いついたわ!」
「…?」
「派手なコスチュームを着れば良いのよ!」
「え、ええ?」
「ほら、さっきのアレ観たでしょ! あのたくさんのプレイヤー相手に無双してたメイド服のプレイヤー! アンタもああいうド派手な服を着れば良いのよ!」
「い、嫌だよ……! 目立つの、恥ずかしいし……」
「だからに決まってるでしょ! 目立つコスを着て、周囲から注目されまくれば良いわ! そうすれば、注目されている事が普通になって、いつか周囲の視線なんて平気になるはずよ!」
「そ、そんな無茶苦茶な……」
「善は急げ。そうと決まったら早速オーダーしに行くわよ! オーダーメイド装備を作ってくれる生産職のプレイヤーの知り合い、いるんでしょ?」
「い、一応いるけど……。え? ホントに、行くの?」
「行くの!」
「今から……?」
「今から!」
「ふえぇ……!」
「さ、早く行くわよ!」
ユズはアザミの手を取って、引きずりながらその場を後にした。
メイド服で大会に出場し被ダメージ量が最も少なかったプレイヤーとして、フリントの存在は一部でひっそりと認知されていた。




