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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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第2階層へ…、その前に

全体的に、主人公のステータス関連を見直しました。

 今日も今日とて、ユートピアへとログイン。


 このところ同じゲームを毎日している自分なんて、去年までは考えられなかった。


(変わったな、オレ……)


 時刻は20時を回った頃、オレは〈宵闇の洞窟〉へと向かっていた。


 というのも、第2階層へ行くにはこの宵闇の洞窟をクリアしなくてはいけないと、サクラちゃんたちから聞いた。


 なので、オレは攻略を後回しにしていた宵闇の洞窟(ここ)をクリアしようとやってきたのだ。


 洞窟の入口に到着すると、そこには既に先客がいた。


「あ、来た来た! こんばんはー!」

「こんばんは……」

「あぁ、どうもこんばんは」


 先に来ていたのは、先日パーティーメンバーとして迎えてくれた双子のプレイヤー、サクラちゃんとスミレちゃんである。


 双子プレイをしている人は希少らしいので、オレの運も捨てたもんじゃないなと思った。


「ところで、何故2人はここに?」


 特に2人を呼んだ訳でも無い。


 何故ここにいるのかを聞いてみた。まぁ、予想は出来ているが。


「フリントさんのお手伝いをしようと思いまして」

「ご、ご迷惑でしょうか……?」

「全然。むしろありがたいよ」


 実際、本当にありがたい。


 もし相手がスピードタイプとか遠距離攻撃タイプの魔物だったら、ほぼお手上げかもしれないし。


 それに、"必ずソロで攻略しなきゃいけない"なんて事は無いし、協力してくれるなら正直助かる。


 とはいえ、最初から全力で頼るのは気が引ける。


 どうしてもという時だけ助けてもらうとしよう。


「なるべくひとりで頑張ってみるけど、もし上手くいきそうに無かったら、その時はよろしくね」

「はい!」

「お、お任せください……っ!」


 サクラちゃんはともかく、スミレちゃんはいつも自信が無いように見える。


 もうちょっとくらい、自信を持っても良いと思うのだけど、オレが気にすることでも無いか。


 オレはゆっくりと洞窟を進んで行った。




「グオオオオッ!」

「邪魔っ!」


 真っ直ぐに突進してきたイノシシの魔物を顔面から大バサミで挟み込み、持続ダメージを与えて消滅させた。


 道中もザコ魔物は湧いてくる、油断は出来ない。


「凄いですね、フリントさん……」

「え? 何が?」

「あのイノシシの魔物、攻撃力が高い上にあの突進速度ですよ? こんな狭い洞窟内じゃ避けるのも苦労しますし、かなりの強敵のはずですけど……」

「そうなんだ。まぁ、オレは足が遅いから、どの道受け止めるしか無いんだけどね」


 それに、受けた突進ダメージは1だった。あのイノシシ、図体の割に攻撃力は低めらしい……。


 それとも、オレの防御力が高いせいか……?


 まぁ、どちらでも良いか。


 このままさっさと進んでいこう。




「ボス部屋か……」


 洞窟の最奥、ボスの間の前までやってきた。


 道中のザコ魔物も大したことも無く、無傷でここまでたどり着けた。


「この分なら、ボスも楽勝だろ!」

「フリントさんのレベルだと、本当はもっと苦労するはずなんですけど……」


 オレの現在のレベルは16、対してこの洞窟の推奨レベルは20。


 うん、確かに苦労するはずだな、普通なら。


 でも、オレは普通のステ振りをしていない。


 レベルアップで獲得したSP(ステータスポイント)はもれなくVIT行き、他のステータスは元より捨てている。


 カッチカチの防御力と膨大なHP、そして大バサミの持続ダメージなら、そんじょそこらの魔物には負けやしないだろう。


「一応、気をつけてくださいね……」

「ん? おう」


 オレは扉を開き、ボスの間へと突入した。






「グオオオォォォ…………!」

「ゴーレム、かぁ……」


 オレたちを待っていたボスは、漆黒のゴーレムだった。


 デカい。全長はだいたい3メートルくらいだろうか、これは大変そうだ。


「というかアレ、コイツで挟めるのか……?」


 ゴーレムの身体はどこも大きい上に太い。とてもハサミが通りそうには見えなかった。


「グオオオッ!」

「うおっと!」


 ゴーレムは拳を大きく振り上げ、オレ目掛けて振り下ろしてきた。


 オレは大バサミを盾のように構え、ゴーレムのパンチを真正面から受け止めた。


「……ダメージは14、か。さすがにダメージ1では済ませられなかったか」


 防御全振りとはいえ、オレのレベルはまだ16。さすがにゴーレムのSTRがオレのVITをわずかに上回ったようだ。


 とはいえ、オレのHPは膨大だ。2桁程度のダメージは屁でもない。


 と、思っていると……。


「ん? ……うわ、HPがどんどん減ってる?!」


 なんと、オレの膨大なHPがじわじわと減り始めていた。


 原因を探ってみると、それはすぐに突き止められた。


「こりゃ"毒"か……。なるほど、ゴーレムの身体がどす黒いのはこういう事か」


 攻撃力も高くて、毒の追加効果もついてる、と。


 中々にえげつない性能をしていらっしゃる。


「あの、大丈夫ですか!?」

「援護、しましょうか!?」

「え? ああ、まだ大丈夫。そこで見てて!」


 せっかくの申し出だけど、ここまで自力だけで来れたのだ。


 もうちょっとくらい頑張ってみたい。


「ものは試しだ! 【スタッグビートル・バンカーショット】!」


 オレは大バサミを射出した。狙うは一点、ゴーレムの頭だ!


「グオオオッ!」

「え、マジ、で……?」


 大バサミがゴーレムの頭に触れようとした瞬間、衝撃の光景を目の当たりにした。



 ―――横に広がった大バサミが、巨大化した。



「えええええぇぇぇぇぇっ!」

「「ええーーー!」」


 後ろで見守ってくれていた2人からも驚愕の悲鳴が上がった。ついでにオレも上げた。


 巨大化した大バサミはゴーレムの頭に食らいつき、ギリギリと締め上げ、持続ダメージを与えていく。


 そして……。


「グオオオ……」


 きっちり30秒後にゴーレムは消滅し、無事オレの経験値として体内に吸収された。


『レベルが18になりました』

「マジか」


 レベルが18に飛び級した。あのゴーレム、経験値ウマい!


 その後、ゴーレムがいた場所に宝箱がゴトリと出現した。


 何も無い虚空から、いきなり現れる宝箱……。


 いつ見てもシュールな光景だよな……。


「わぁ、宝箱だぁ……♪」

「早く開けてみてくださいよ、フリントさん♪」

「分かった分かった」


 宝箱には目がないのか、2人は妙にはしゃいでいた。可愛い。


 宝箱を開けると、中には漆黒のメダルが1枚だけ入っていた。


 そのメダルを取ると、箱はそのまますうっと消えていった。


「これだけ、ですか……?」

「そんな、私たちの時はもっと……」

「いや」


 メダルだけじゃなく、他にも確かにあった。


 開けた瞬間、オレの中に流れ込んだのだ。正確には"オレの両手のガントレットに"だが。


『新たに【ロックヴェノムアームズ】を獲得、形態変化一覧に追加されました』




 どうやら、オレのガントレットがまた1段階強くなったようだ。



漆黒のゴーレム(ヴェノムゴーレム)撃破時点での、アカリ(フリント)のステータスです。


【フリント】

Lv:18

HP:1900/1900

MP:50/50

STR:142

VIT:190

INT:50

DEX:50

AGI:50


〈スキル〉

振動拳、形態変化(使用可能)、物理反射、毒耐性・中(New!)


〈攻撃スキル〉

シザーアームズ

スタッグビートル・バンカーショット

ヴェノムショット

ヴェノム・フォッグ


〈装備〉

ガントレット[スタッグビートルアームズ(第1形態)、ロックヴェノムアームズ(第2形態)]、ビギナーメイル


ステータスポイント:10

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