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友達にゲームを勧められてしまった話  作者: しらすめし(遅筆屋Con-Kon)
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パーティーに加入してしまった

 ゲームを始めて3週間と数日。


 オレは、初めてパーティーに誘われた。


「……良いの? オレが君らのパーティーに入っちゃっても」


 オレのステータスは普通じゃないので、さすがに即決する訳にはいかない。


「はい。前衛を張れるなら大歓迎です!」

「でも、オレのステータスは特殊だぞ? VIT全振りだぞ?」

「「え???」」


 オレは自身の事情を話した。


 SP(ステータスポイント)は全てVITに注ぎ込むスタイルである事、その為他のステータスは最低値である事、オマケに自分はまだまだ初心者レベルの腕前しかないという事……。


 ……と、最低限の事は説明した。


「まさか、VIT極振りする人が、本当にいるなんて……」

「変わったプレイヤーさんですね……」


 予想通りの反応だ。


 やっぱり珍しいのか、ひとつのステータスに全振りするプレイヤーって……。


 でも、中にはSTRに全振りしているプレイヤーもいると攻略サイトのコメント欄に書き込みがあったのを見かけたのだ。VIT全振りプレイヤーがいたって別に良いと思うのだが……。


「でも、VIT極振りでは、攻撃が通りづらくて大変では……?」

「そりゃあ今も苦労してるよ、そこらのザコ敵にも1ダメージしか通らないもの。でも、大バサミ(コイツ)があるからね。まぁ見てて」


 口で説明するより、実演して見せた方が分かるだろう。


 オレは近くにいた魔物を、左手の大バサミで挟んだ。


 ギリギリと締め付け、持続ダメージで魔物のHPはどんどんと削れていき、やがて消滅した。


「ほい、一丁あがり」

「「…………」」


 ―――ポカーン。


 そんな擬音が聞こえてきそうな2人だった。


「こんな感じで、最近は持続ダメージを積み重ねて倒しているんだ」

「そうか、持続ダメージは攻撃力も防御力も関係ないから……」

「そういう事」


 持続ダメージは、言ってしまえば毒や火傷などのスリップダメージのようなものだ。


 この大バサミの持続ダメージの場合、相手の最大HPを参照した割合ダメージを一定間隔で与え続けるもので、それは敵を挟み続けている限りずっと続いていく。


 ただ、ダメージ量にはムラがあるようで、ダメージが倍々で増えていく事もあれば、上昇と下降を繰り返す事もあって安定しない。


 けれど共通しているのは、()()()H()P()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、という事だ。


 これはつい最近、ふと気まぐれから時間を測ってみた事で気づいた新事実だった。この事を知った時、オレは内心でガッツポーズをしてしまったほどだ。


 相手がどれほどのHPをしていようと、挟んで耐えきってしまえば30秒で必ず倒せるのだ。VIT全振りステータスのオレにはまさにうってつけの武器と言える。


 まぁそれでも、素早い敵には敵わない事に変わりはない。どんなに強力な武器でも当てられなければ意味が無いし、オレは鈍足だから走って追いつく事も難しい。


 特に対プレイヤー戦であれば、今のオレは8割方負けると思う。PKプレイヤー相手には今のところ2戦全勝しているが、それは相手の油断を突いただけ、そして相手がバカだっただけの事だ。


 正々堂々と戦えば、多分勝てない。もっとPSを磨いていきたいところだ。


「とにかく、オレはただ硬いだけで足も遅いしPS低い。正直足でまといになりかねないのだが、……それでも良ければ」


 パーティーを組む事には同意するが、選択権はあちらに譲る。


 こちらのメリット・デメリットを提示し、相手にも改めて検討する時間を与え、その上で相談して決めて貰う。


 これならば、どちらの未来でも後腐れなく行けるだろう。


「私は良いけど……」

「私も問題ないです。これからよろしくお願いします!」

「よ、よろしくお願いしますっ!」

「うん、こちらこそよろしく」


 正直、パーティーを組むのはもっと先になると思ってたけど、予想よりもだいぶ早かったな……。


(せめて、足だけは引っ張らないように頑張っていこう!)


 そう、心の中で決めた。



正直、2話に分ける必要無かったかもですね、ハイ……。

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