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ノワール・ルージュ2  新大陸編  作者: 花屋敷


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第34話


 パールの街はモレスビーからセロスに向かう際にも寄った街でその時にここのギルマスのスティーブとは挨拶を済ませている。


 一行が城内に入ってギルドに顔をだすとギルマスのスティーブが自ら奥の部屋から受付まで出てきた。


「いよいよだな。こっちの準備はほとんど終わってる。上の会議室で打ち合わせをしよう」


 そう言ってノワール・ルージュ、ボルケーノ、そしてホライズンのパーティが2階にある会議室にはいるとそこにはモレスビーにいたホワイトタイガーとリサラとパールのAクラスのパーテイが先に座っていた。


「紹介するわ」

 

 マリアンヌがダンとデイブに顔を向けて言う。


 彼女らはここパールをベースに活動しているAクラスの”エターナル”よ。

 

 エターナルは全員が女性のパーティだ。

 リーダーは片手剣の戦士のスージー そして

 ナイトのリリィ 大柄な女性でいかにもナイトという雰囲気だ。

 他は戦士と精霊士と僧侶という5名だ。


「この前ここに来た時私たちはケープの要塞に行っていたの。あとで聞いたらリサラの”アクス”も同じ様にセグー要塞に行っていてノワール・ルージュとは初対面だって聞いたの」


 そう言って大柄な男性が立ち上がるとダンとデイブに握手を求めてきた。


「初めまして。リサラ所属のAクラスのパーティ、アクスのリーダーをしているナイトの

ジョンだ」


「ノワール・ルージュのデイブ、こっちはダン。赤魔道士と暗黒剣士の2人組だ」


 ジョンによるとアクスはナイト、戦士、狩人、精霊士、僧侶の組み合わせらしい。エターナルとアクスのメンバー全員と挨拶を終えると部屋にある椅子に座る。


 ギルマスのスティーブが口を開いた。


「もう知っていると思うが川のこちら側、元々俺達人間の領地であった場所を取り戻すためにここから北にある川を渡る橋の近くの要塞を獣人達から奪回する。こちらが掴んでいる情報、情報と言ってもノワール・ルージュが掴んできたんだがな。いずれにしてもその情報では奴らの拠点は川のこちら側に3箇所、そのうち2箇所は既にノワール・ルージュが破壊している。そうだな?」


 スティーブの言葉にその通りとデイブ。そこでマリアンヌが立ち上がるとギルマスに続いて全員に説明を始めた。


「ギルマスが言った通り大陸中央を流れている川のこちら側にある獣人の拠点は3つ。これはノワール・ルージュが複数のAクラスの獣人から聞いているので間違いないという話よ。そして東と西の拠点はノワール・ルージュの2人で既に完全に破壊している」


 2人で破壊したと聞いてエターナルとアクスのメンバが一瞬表情を変えた。それを見たマリアンヌは彼らの方を向くと、


「500体程いた獣人をあっという間に倒しきってるの。Aランクも数体いたけど彼らには関係ないみたい。王都で魔人を倒しているし私たちから見たら桁違いの戦闘力よ」


 王都の話は冒険者は当然知っている。そしてボルケーノのマリアンヌの言葉で納得した表情になる。


「これから攻撃する最後の拠点は以前は王国軍の要塞だったところ。元々軍が川の向こうから来る獣人を迎え撃つ目的で建てた要塞なので造りは堅牢になっているそうよ」


「どうやって攻撃するんだ?」


 マリアンヌの話が終わるとリサラのAクラスパーティのリーダーであるジョンが聞いてきた。マリアンヌがデイブに顔を向けるとわかったとデイブが説明する。


「俺とダンの見立てでは要塞には低く見積もっても3〜400体ほどの獣人がいるだろう。そして魔人も数体いると見ている」


 デイブの言葉を黙って聞いている会議室にいる者達。


「要塞への攻撃は俺とダンの2人でやる」


「どうやって?」


 ジョンが聞いてきた。デイブはジョンを見ると


「あいつらが籠っている要塞に近づけば勝手に出てくるさ。門が開いたらあとは乗り込んで倒しまくるだけだ。簡単だよ」


 本当に簡単そうに言うデイブ。


「もし門を開けずに要塞の上から攻撃してきたらどうするの?」


 エターナルのスージーが言った。


「大丈夫だ。あいつらの弓矢や魔法は俺達には当たらない。当たらないと痺れを切らせて出てくる。そう言うもんさ。それに魔法や矢を撃つには城壁から身を出さないといけない。その時に魔法でそいつらを倒していけば門が開くのはさらに早くなる」


 あまりに簡単に言うので言葉がでないエターナルとアクスのメンバー。


「ノワール・ルージュの2人は俺たちの物差しで測ることはできないくらいの差がある。王都で宰相に化けていた魔人が本当の姿を見せた時はBクラス以下の奴らはもちろんだが俺達ホワイトタイガーの全員、そして王都のギルマスですら体がすくんで全く動けなかった。ところがこの2人は違った。遠くから近づいてくる馬車に乗っているのが宰相ではなくて魔人だと気配で見抜き、実際に魔人になった時でも表情一つ変えずに魔人の腕を切り落としていったんだ。ダンは魔人にお前は弱いなと言ってな。だから今のデイブの話を聞いても俺達は驚かないよ」


 ホワイトタイガーのプリンスは自分が王都で見たことを伝えるとそうだったなと納得の表情になる冒険者達。実際にその場にいたプリンスの言葉は重い。そしてその視線を黙って座っているダンに向ける。


「わかった。俺達とは桁違いの強さだってことは。どっちにしても2人で奪回してくれるのならそれが一番だ。こっちに犠牲者は出したくないからな。俺達はノワール・ルージュが取り返した要塞に乗り込んで軍隊がやってくるまでの間の防衛と警備だな」


 アクスのジョンが言うとそうなるとプリンス。

 その後の打ち合わせでノワール・ルージュと一緒に要塞に出向くAクラスはボルケーノ、アクス、ホワイトタイガーの3パーティとなりエターナルとホライゾンはここパールで待機し、軍の兵士がやってきたら彼らと一緒に要塞に移動してボルケーノら先発隊と交代することにする。


 Bクラスについては各都市のAクラスのパーティメンバーがその都市のBクラスを先発隊と後発隊の2つに分けることになった。今パールにいるBクラスは全員がノワール・ルージュらと一緒に要塞に向かう。要塞陥落後は要塞の守備隊として防衛する。


 そして要塞の戦闘ではノワール・ルージュが要塞の中に入っていったのを見てから他の冒険者達はそれから少し間を置いて要塞に近づいていくことにする。この要塞はその後も自分達が使うので燃やす訳にはいかない。


「要塞にはいくつか門があるだろう。おそらく逃げだすとすればBクラスだ。それなら俺達でも対応できる。門の前で逃げ出してくる獣人を相手にしよう」


 というプリンスの言葉でそうしようということになった。



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