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ノワール・ルージュ2  新大陸編  作者: 花屋敷


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第33話


 ギルマスのキャンディが彼らを出迎えギルドの会議室に移動すると今回の拠点攻略の報告をする。デイブが中心になって話をしダンやボルケーノのメンバーが時折補足説明をしながら報告をした。


「ノワール・ルージュの戦闘能力についてはもう今更聞いても同じでしょうからいいとして、いずれにしても川のこちら側にある敵の拠点は3箇所、そのうち2箇所は既に破壊していて残っているのは中央部の以前軍の要塞があった場所1箇所ってことね」


 その通りだと頷くメンバー。そう言うとキャンディが1枚の地図を会議室のテーブルの上に広げた。


「これはギルドが以前から持って入る地図よ。要塞の場所が載ってるの」


 全員が地図を覗き込むと確かに大陸の中央部を流れている川に橋がありそのすぐ近くに軍隊の要塞のマークが載っている。


 ダンとデイブが持っている地図にも要塞は記載されているが彼らは地図を持っていることを周囲には言っていなかったので今初めて地図を見た表情を作っている。


「これをみるとやはりパールからケープ要塞経由で向かうのがよさそうだ」


 地図に顔を向けたままニールが言うとギルマスはじめ全員が頷く。


「あなた達がコープ要塞に向かってすぐにギルドで橋の要塞を攻略するメンバーの選定や要塞に持ち込む物資の準備を始めているの。今ニールが言った様にこちら側の出発地点はパールよ。そこにこの4都市から選抜された冒険者が合流することになってるの」


「軍は?」


 ボルケーノのジャンがギルマスの顔を見て聞いた。


「王都のギルド経由で話はしてある。数日前の情報になるけど軍でも100名程の兵士を送り込む方向で準備していると連絡があったところ」


 王都からここ、そして川の近くにある要塞まで普通に見ても2ヶ月近くかかるだろう。その間は選抜された冒険者で要塞を守る必要がある。


 ギルマスのキャンデイの説明を聞いていたノワール・ルージュの2人はキャンディから意見を求められると、


「いいんじゃないの?」


 と短く返事をしてからデイブが続けた。


「この要塞は堅牢に造られていると聞いている。今までの拠点と違って1日で落とせるとは思っていない。大勢で移動するからしっかりと準備をしてから出向いていけば良いと思うよ。それに要塞を落とせば俺達はそのま川向こうに出向く。となれば逆に川を渡ってこちら側に来る獣人は減るだろう。川の向こうで俺達が獣人と向かい合うからな」


 ダンはどうなの?とキャンディが聞いてきた。地図から顔を上げたダンはギルマスのキャンディに顔を向けると、


「デイブの言った通り。要塞にはおそらくだがSクラスの魔人もいるだろう。そして造りが堅牢だ。急がずに2日くらいで落とすつもりだ」

 

 2人の口から急がなくても要塞は2日で落とせると聞いて周囲がびっくりした顔になるがダンは言葉を続けた。


「そして要塞を奪回したら俺とデイブは街に戻らずにそのまま橋を渡って獣人領に出向いていく。獣人から見たら人間領に進軍するどころの話じゃなくなるだろう。1ヶ月、2ヶ月程度なら十分に冒険者で対応可能だと思うよ」


「堅牢と言われている要塞を2日で落とせるの?」


 一応確認だけどと言った感じでキャンディが聞いた。


「大丈夫だろう?なぁダン」


 デイブがダンに顔を向けて言った。


「いけるんじゃないの。あいつらが要塞から撃ってくるの矢も魔法も俺達には当たらない。俺達が要塞の前に立ってるだけで痺れを切らせたバカな敵が門から次々と出てくる。それを順に倒していくだけだしな」


 あまりにあっさりと言う2人だがそれが誇張でも何でもないことはボルケーノのメンバーにはわかる。一方でびっくりしている表情のキャンディ。


「ギルマス。デイブとダンが言ってるのは誇張でも何でもないわよ。彼らならそれくらい普通のことよ」


「そうだな。俺達はずっとノワール・ルージュと同行している。想像を超えた戦闘能力を持ってる2人だ。Sクラスの魔人でも2人から見たら雑魚だろう。魔法も矢もダンが言う通りこいつらには当たらないな」


 マリアンヌと精霊士のクラウドの言葉に頷くダンとデイブ。


「わかったわ。これ以上は言わない。パールでの集合は今から14日後よ。準備を始めましょう」


 翌日を休息と買い出しにし2日後にセロスを出てパールに向かうことになった。

 ダンとデイブは宿で休んだ翌日にしっかりと遠出の準備、特に食糧と水を大量に買い込んではアイテムボックスに収納していく。


「もし食糧や水が乏しくなったら橋を越えてこっちに帰ってきたら良いしな」


「そう言うことだ」


 アイテムボックスがあってよかっなと言い合う2人。獣人領ではほとんどが野営だろう。まともな食事にありつけないがアイテムボックスなら熱い料理やスープを飲むことができる。


 しっかりと準備をした翌日の朝ギルドに行くと既にパールに向かう冒険者達が集まっていた。Bクラスの冒険者が4組、20名。そしてそれ以外にホライゾンとボルケーノもいる。総勢で30名強の集団がギルドの前に集まっている。


「最終的には100名ほどの冒険者が先発隊としてあなた達が落とした後の要塞を防衛することになったの」


 ギルマスのキャンディがノワール・ルージュに近づいてきて言った。


「わかった。要塞の規模がわからないだ100名なら問題ないんだろう?」


「300〜400名程度は常駐できるそうよ」


「となると今要塞にいるの敵はそれくらいか、あるいはそれより多いかだな」


 ダンが言うとそうだなとデイブ。


「あなた達だから何も心配してないけど、気をつけてね」


 ギルマスの言葉に片手を上げて応える2人。そうしてノワール・ルージュとボルケーノを先頭に一行はパールを目指してセロスの街を出発した。最後尾にはAランクのホライゾンのパーティが後ろを警戒しながら進んでいく。


 30名程の一行は途中で野営をしながらセロスを出て10日後の夕刻前にパールの城門を潜って中に入っていった。


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