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第9話 武器探しの旅へ

この国の最も高い場所に位置する、広い部屋。

その場所に勇者たちは、武器があるという光の柱を探すため、連れていかれていた。

案の定、続々と光の柱が見つかり、これで何とかなる……と思っていたが……


「……ない…………」


一瞬の静けさのあと、1人の先生がポツリと呟いた。


「え……?」


「いったいどうした?」


国王がその先生の肩を掴んで訊く。


「な……無いんです……光が……光の柱が……見えないんです……!!」


「なっ……!?」


その言葉が部屋全体に響き、ざわつき始める。

勇者の大半が見えているこの光の柱。

見えないとなれば、少々……いや、だいぶ問題になる。


「と、とりあえず、名前は……」


「す、数学科の、み南美ミナミ 佑華ユカです」


光が見えないと言った彼女は、南美ミナミ 佑華ユカ

教師として数学科をやっており、教師陣の中では若い方であるためか、生徒からの人気も高い。


「ミナミ……ユカ……ユカ・ミナミか。ではユカどの、先ほどの……」


「ユカちゃん!!」


国王の声を遮るようにしてまた、もう一人やってくる。


「あ、あなたは……?」


咲美エミ!!国語科です!!それよりだよユカちゃん!私も!!私も見えないんだよ!!」


「あ、あの……?」


突然の嵐のようにやってきた彼女は、菜乃ナノ 咲美エミ

国語科で、いつになっても絶えない嵐のような御仁。

とにかく、明るく元気で人生をマジで謳歌していそうな人。

もちろんだが、生徒からの人気は高い。

あり余るコミュ力のおかげか、新人であるユカとはすぐに仲良くなった。


「さっきからそこら中をバーって走り回ってさ、ずぅっと探してるんだけど、ぜんっっっぜん見つかんなくて!!」


「やっぱりそう??そうだよね??よかったぁ〜〜〜!私だけだったらどうしようってめっちゃ心配でさぁ〜〜!」


「もぅほんとそう!!アタシもめっちゃ不安だったもん!!」


そうして手を取り合う2人。

そこの周りだけ明るく見えるほどにキャッキャと話していて、本当に心配だったんだなというのが身に染みて伝わってくる。

ユカはどことなく泣き目になっている気がする。

ちなみにエミはと言うと、話にもあったとおり走り回っていたせいか、汗だくだった。

仲のいい教師だ。

いや、もはや普通の生徒のようにも思える。

目を瞑ればの話だが。


「とっ、とにかく、2人とも。少し落ち着いてくれないだろうか?」


「あ、あぁ!ごめんごめん!!忘れてたわけじゃないのよ?」


「ま、まぁ、とりあえず……」


「他の勇者様方はちゃんと見えておられるそうじゃ」


「そうか。助かったぞ、ヴァン」


「恐縮でございます」


「では、一度下に戻るとしよう」


そう国王が言い、またあの長い螺旋階段を渡って集会をした部屋にもどることになった。

早々にくたばったアモンはまた、リキにおぶられることになるのだった。


……………………………………………………


階段を一度登った影響か、降りる時はそこまでキツくはなかった。

キツイのには変わりなかったのだが。

集会の部屋についた皆は、席に座り、話を始める。


「ユカ殿、エミ殿……先ほどの話についてだが……」


「ちなみにみんなはどんなふうに見えたの?と言うより、ホントに見えてたの??」


そう、エミに問われて互いに目を合わせる。

見えたには見えたが、どのように説明すればいいのか分からないのだ。


「確かに……見えました。けど……」


「あれをどんな風に見えたかって説明するのは難しそう……」


と、そんなことをリキや他の生徒たちと話していると、ナツミが一つため息をついて口を開いた。


「金色、柱、デカい、高い、説明終わり」


「うーん……」


「何よ、みんなもそう見えたでしょ?」


「まぁ、そうだけど……」


ナツミは一度説明をしてみるものの、本人が思うようには上手く伝わらない。

しかし、本人からすると、短く効率的で最適な説明だと思っているらしく、周りの目には気づいていない。


「なる……ほど?」


「まぁ……とりあえずだ。確かに、他の勇者様方には見えておるらしいからな。明日、それぞれの勇者様に10名ずつ騎士を配置し、その武器があるという光の柱に行ってもらうとしよう」


「ハッ!了解しました!!では、選出は……」


「ガイルに任せる」


「了解しました!!皆の者!!勇者様に着いて行きたいものは訓練場に集まれ!!なお、選出者は……」


的確な指示と行動力。

団長がガイルになったのにも納得がいく。


「ホッホッホッ、流石じゃのぅ」


「では、勇者方はどうされますか?」


「どう……する?」


「俺に聞かれてもなぁ……」


「ひかりのはしら……」


どうされるか、と聞かれても、何があるのか分からないので勇者たちはどうすることもできない。

戸惑っていると、マインが再び口を開く。


「部屋に戻られるのもいいですが、騎士の皆さんや魔法士の皆さんの訓練場を拝見しに行くのはどうですか?」


「あっ、訓練場……」


「マジで!?行っていいの!!?」


「はい。特別に、です。」


「よっしゃ絶対行く!」


「じゃあ俺も行こっかな」


「えっ、じゃあ俺も」


「私は部屋に戻ろうかな」


「じゃあそういうことで」


「訓練場には、私が案内します。」


という感じにそれぞれ別れ、訓練場に向かった男子たちは、無理矢理にも訓練に付き合わされ、STRが5つも上昇した。

ちなみにアモンは部屋に戻っていた。

野外訓練場だからね。

アツいもんね。(色んな意味で)


そうして、次の日。


それぞれの勇者に10名の騎士が配置され、城の門の前に立った。


「これより、勇者様方は(おのれ)(つるぎ)を探す旅に出る!!民よ!!これより輝く勇者様に!盛大なる拍手を!!」


そうして、大きな拍手が勇者たちに向けられ、街の大通りを渡った。

一歩一歩前に進む度に、この国の巨大な城壁が見えてくる。

某巨人のアニメに出てくるほどではないが、なかなかに高い。

この壁の向こうから、モンスターのナワバリになる。

いつ襲われてもおかしくない。


「健闘を祈る!!」


そう、ガイルは全体に向かって言い、自国の警備に着いた。

勇者全員が、背中を城壁に向けて前に進む。

そしてその場に残ったのは、1人の勇者。


「あの……どうされたのですか?皆さんもう行っておられますよ?」


なかなか進もうとしない勇者に、1人の騎士が思わず聞いた。


「いや……それがっすねぇ……」


そう言って、城の方を指差す。


「俺の武器、あそこにあるっぽいんすよ……」

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