表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/77

オーダ戦④




---


【包囲殲滅──オーダシューター全域照射】


Dr.オーダの周囲に、無数の円盤型兵器が浮かび上がる。

その数、百を超える。それぞれが淡く赤い光を灯しながら、空間を囲うように展開される。


エルナ:「あれ……全部、オーダシューター!? 数が……!」


ノクス:「囲まれた……!」


上空、地面、左右──三次元の全方向から、カイたちは完全に包囲されていた。


オーダ:「逃げ場はない……《オーダシューター・スプレッドモード》、全域放射──開始。」


ビィィィィィィィィィッ──ッ!!


無数の光が、それぞれ独立してチャージ音を響かせた次の瞬間、

世界が“光の檻”に包まれた。


カイ:「──全員、身を伏せろッ!!!」


地響きと共に、凄まじいレーザーの奔流が降り注ぐ。

爆風が砂塵を巻き上げ、地面を穿ち、空間を裂く。

逃げる隙も、遮る術もない“死の網”。


ノクス:「影移し──っ!」


だが、レーザーは影すら焼き払い、通常の転移が効かない。


エルナは瞬時に弓を構え、魔力の障壁を放つも、数発を受けて後方に吹き飛ばされる。


カイ:「──くっ……っ!!」


砕けた《カゲヨロイ》の破片が、空に舞う。

その中でもカイは動きを止めない。

胸の奥に浮かぶ“神影”の声が、再び囁いた。


神影の声:「誓いを捨てよ……全てを守るために……。」


カイ:「……捨てるか……全部、な……!」


炎のように燃え上がる残光の中で、カイの目が再び光を宿す──






---


戦場に響いた轟音の余韻が消える間もなく、エルナが崩れ落ちた。オーダシューターの集中砲火を受け、彼女の身体は地に伏し、光を纏っていた弓も砕けていた。


「エルナ……!」


カイが駆け寄ろうとした瞬間、Dr.オーダが一歩前に出る。その動きには油断も隙もなく、敵意の刃が鋭く迫る。


「彼女はもう戦えん。次は、お前だ。カイ。」


だが、カイは静かに目を閉じた。すでに答えは出ている。自分の武器は砕け、道具は尽きた。だが──「守りたい」という意志は、まだ尽きていない。


次の瞬間、カイの全身から眩い光と黒き影が交錯するように噴き出す。


「断誓のカゲヨロイ──発動。」


白と黒の鎧がカイを包み込み、左半身は神聖な光を、右半身は燃え盛る影を纏った。両の手が鋭い刃と化し、背後には布を口元に巻いた神影が出現する。


「お前の“計算”じゃ測れない力が──ここにある!」


カイが地を蹴った。踏みしめるたびに地面が砕けるような速度でオーダに接近し、鋭く放たれる一撃一撃は理性ではなく、仲間を守る「想い」そのものに突き動かされていた。


Dr.オーダは一歩も引かず応戦する。超高出力のオーダシューターが横薙ぎに光線を放ち、空間を焼き払っていく。しかし、カイの動きは予測不能。無刀解による直感の動きが機械的な攻撃パターンを乱し、オーダの冷静な戦闘計算が狂い始める。


「バカな……なぜ、読み切れない……!」


「これは、戦いじゃない……願いだ!!」


カイの目が光を宿す。次の一撃が、何かを決める――そんな確信が、戦場の空気に走った。



---




---


戦いの最中、ノクスは戦場の隅に設置された、重力場で形成された黒い檻に目を向けた。その中には、ぐったりとしたリクの姿。意識はなく、身体は血に染まっている。見る者の心を締めつける光景だった。


「……待っていろ、リク」


ノクスは影の中を滑るようにして接近する。手を翳すと、檻の重力場に触れた瞬間、激しい反発が彼の体を弾き飛ばした。全身に衝撃が走るが、構わず立ち上がる。


「くそっ、時間がない……!」


その瞬間、Dr.オーダの声が響いた。


「リクに構っている暇など、お前たちにはもうないはずだ。コラプサー──展開!」


オーダの手元の端末が起動すると、空間が震えるように歪み、複数の黒い塊が空間を裂いて出現した。それらは生きているかのようにうねり、触手のような器官が蠢く。


「これは……コラプサー……!」


ノクスが息を呑む間にも、それらの“兵器”はカイたちの方向に向けて飛翔する。コラプサーは生物の神経を侵食し、魔力を逆流させて破壊する寄生兵器。並の防御では防ぎきれない。


「エルナ、下がれ!」


カイが叫ぶと同時に、再び断誓のカゲヨロイの力が奔流のように展開される。彼の両手の刃がうなりを上げて、迫りくるコラプサーに斬りかかる。


「……くるなら、来い! お前たちごと、この災厄を断ち斬る!」


オーダは遠くから静かに笑う。


「試してみろ。お前の“想い”が、我が科学を超えられるならな」


そして、リクの檻を囲む重力場がさらに強まっていく。ノクスは焦燥を押し隠しながらも、影を駆使して侵入の糸口を探り始めていた。



---




---


コラプサーが、蠢く触手を地面に突き立てた瞬間──

ズンッ! と地響きと共に、黒い神経のような蔓が地中から幾重にも伸び上がり、カイたちを取り囲んだ。


「来るぞ!」

カイが叫ぶと同時に、三体のコラプサーが同時に跳躍。体表を覆う粘膜のような装甲から紫の光が漏れ、腐食性のビームを吐き出した。


「ルミナ・エクリプス!」

エルナが跳躍し、空中で放たれた複数のビームに向かって矢を展開。無数の幻影の光線が迎撃し、爆裂が空間に散ったが、コラプサーの再生は異常なまでに早い。


「影移し──破点!」

ノクスの影が床を這い、コラプサーの一体の真下へ瞬時に移動。その影から突如、鋭い刺突が飛び出し、胴体に深い亀裂を与えた。だがコラプサーは悲鳴すら上げず、内部から増殖した黒い胞子を弾けさせて反撃。


「ぐっ……! まるで意思があるみたいだ……!」


カイは右手に光と影を纏った刃を形成し、断誓のカゲヨロイの戦闘術“零式・無刀解”を展開する。予測不能なステップで敵の間を縫い、一撃ごとにコラプサーの装甲を切り裂いていく。


「オーダが、コラプサーに指示を……!」


エルナの声が届くと同時に、上空から更に二体のコラプサーが加勢。八本の触手が一斉に地上を薙ぎ払う!


「ここまで数が増えたら──!」


「関係ねぇッ!」


カイが叫び、跳躍。両腕の刃に全魔力を込めて振り下ろす。


「プロミネンス──断界連斬!!」


断誓の力と融合したその一撃は、空間すら焼き裂く閃光となってコラプサーを貫いた。複数体が爆発を起こし、黒い煙が立ち込める。


だが、残された個体はまだ動きを止めない。破壊された部分から新たな細胞が再構成されていく。


「……これが、寄生兵器ってわけか」


ノクスが低く呟き、エルナと視線を交わす。


「なら、再生する暇も与えなければいいだけよ!」


「行こう、連携で一気に叩く!」


3人の呼吸が合い、さらなる反撃が始まる──



---













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ