オーダ戦④
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【包囲殲滅──オーダシューター全域照射】
Dr.オーダの周囲に、無数の円盤型兵器が浮かび上がる。
その数、百を超える。それぞれが淡く赤い光を灯しながら、空間を囲うように展開される。
エルナ:「あれ……全部、オーダシューター!? 数が……!」
ノクス:「囲まれた……!」
上空、地面、左右──三次元の全方向から、カイたちは完全に包囲されていた。
オーダ:「逃げ場はない……《オーダシューター・スプレッドモード》、全域放射──開始。」
ビィィィィィィィィィッ──ッ!!
無数の光が、それぞれ独立してチャージ音を響かせた次の瞬間、
世界が“光の檻”に包まれた。
カイ:「──全員、身を伏せろッ!!!」
地響きと共に、凄まじいレーザーの奔流が降り注ぐ。
爆風が砂塵を巻き上げ、地面を穿ち、空間を裂く。
逃げる隙も、遮る術もない“死の網”。
ノクス:「影移し──っ!」
だが、レーザーは影すら焼き払い、通常の転移が効かない。
エルナは瞬時に弓を構え、魔力の障壁を放つも、数発を受けて後方に吹き飛ばされる。
カイ:「──くっ……っ!!」
砕けた《カゲヨロイ》の破片が、空に舞う。
その中でもカイは動きを止めない。
胸の奥に浮かぶ“神影”の声が、再び囁いた。
神影の声:「誓いを捨てよ……全てを守るために……。」
カイ:「……捨てるか……全部、な……!」
炎のように燃え上がる残光の中で、カイの目が再び光を宿す──
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戦場に響いた轟音の余韻が消える間もなく、エルナが崩れ落ちた。オーダシューターの集中砲火を受け、彼女の身体は地に伏し、光を纏っていた弓も砕けていた。
「エルナ……!」
カイが駆け寄ろうとした瞬間、Dr.オーダが一歩前に出る。その動きには油断も隙もなく、敵意の刃が鋭く迫る。
「彼女はもう戦えん。次は、お前だ。カイ。」
だが、カイは静かに目を閉じた。すでに答えは出ている。自分の武器は砕け、道具は尽きた。だが──「守りたい」という意志は、まだ尽きていない。
次の瞬間、カイの全身から眩い光と黒き影が交錯するように噴き出す。
「断誓のカゲヨロイ──発動。」
白と黒の鎧がカイを包み込み、左半身は神聖な光を、右半身は燃え盛る影を纏った。両の手が鋭い刃と化し、背後には布を口元に巻いた神影が出現する。
「お前の“計算”じゃ測れない力が──ここにある!」
カイが地を蹴った。踏みしめるたびに地面が砕けるような速度でオーダに接近し、鋭く放たれる一撃一撃は理性ではなく、仲間を守る「想い」そのものに突き動かされていた。
Dr.オーダは一歩も引かず応戦する。超高出力のオーダシューターが横薙ぎに光線を放ち、空間を焼き払っていく。しかし、カイの動きは予測不能。無刀解による直感の動きが機械的な攻撃パターンを乱し、オーダの冷静な戦闘計算が狂い始める。
「バカな……なぜ、読み切れない……!」
「これは、戦いじゃない……願いだ!!」
カイの目が光を宿す。次の一撃が、何かを決める――そんな確信が、戦場の空気に走った。
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戦いの最中、ノクスは戦場の隅に設置された、重力場で形成された黒い檻に目を向けた。その中には、ぐったりとしたリクの姿。意識はなく、身体は血に染まっている。見る者の心を締めつける光景だった。
「……待っていろ、リク」
ノクスは影の中を滑るようにして接近する。手を翳すと、檻の重力場に触れた瞬間、激しい反発が彼の体を弾き飛ばした。全身に衝撃が走るが、構わず立ち上がる。
「くそっ、時間がない……!」
その瞬間、Dr.オーダの声が響いた。
「リクに構っている暇など、お前たちにはもうないはずだ。コラプサー──展開!」
オーダの手元の端末が起動すると、空間が震えるように歪み、複数の黒い塊が空間を裂いて出現した。それらは生きているかのようにうねり、触手のような器官が蠢く。
「これは……コラプサー……!」
ノクスが息を呑む間にも、それらの“兵器”はカイたちの方向に向けて飛翔する。コラプサーは生物の神経を侵食し、魔力を逆流させて破壊する寄生兵器。並の防御では防ぎきれない。
「エルナ、下がれ!」
カイが叫ぶと同時に、再び断誓のカゲヨロイの力が奔流のように展開される。彼の両手の刃がうなりを上げて、迫りくるコラプサーに斬りかかる。
「……くるなら、来い! お前たちごと、この災厄を断ち斬る!」
オーダは遠くから静かに笑う。
「試してみろ。お前の“想い”が、我が科学を超えられるならな」
そして、リクの檻を囲む重力場がさらに強まっていく。ノクスは焦燥を押し隠しながらも、影を駆使して侵入の糸口を探り始めていた。
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コラプサーが、蠢く触手を地面に突き立てた瞬間──
ズンッ! と地響きと共に、黒い神経のような蔓が地中から幾重にも伸び上がり、カイたちを取り囲んだ。
「来るぞ!」
カイが叫ぶと同時に、三体のコラプサーが同時に跳躍。体表を覆う粘膜のような装甲から紫の光が漏れ、腐食性のビームを吐き出した。
「ルミナ・エクリプス!」
エルナが跳躍し、空中で放たれた複数のビームに向かって矢を展開。無数の幻影の光線が迎撃し、爆裂が空間に散ったが、コラプサーの再生は異常なまでに早い。
「影移し──破点!」
ノクスの影が床を這い、コラプサーの一体の真下へ瞬時に移動。その影から突如、鋭い刺突が飛び出し、胴体に深い亀裂を与えた。だがコラプサーは悲鳴すら上げず、内部から増殖した黒い胞子を弾けさせて反撃。
「ぐっ……! まるで意思があるみたいだ……!」
カイは右手に光と影を纏った刃を形成し、断誓のカゲヨロイの戦闘術“零式・無刀解”を展開する。予測不能なステップで敵の間を縫い、一撃ごとにコラプサーの装甲を切り裂いていく。
「オーダが、コラプサーに指示を……!」
エルナの声が届くと同時に、上空から更に二体のコラプサーが加勢。八本の触手が一斉に地上を薙ぎ払う!
「ここまで数が増えたら──!」
「関係ねぇッ!」
カイが叫び、跳躍。両腕の刃に全魔力を込めて振り下ろす。
「プロミネンス──断界連斬!!」
断誓の力と融合したその一撃は、空間すら焼き裂く閃光となってコラプサーを貫いた。複数体が爆発を起こし、黒い煙が立ち込める。
だが、残された個体はまだ動きを止めない。破壊された部分から新たな細胞が再構成されていく。
「……これが、寄生兵器ってわけか」
ノクスが低く呟き、エルナと視線を交わす。
「なら、再生する暇も与えなければいいだけよ!」
「行こう、連携で一気に叩く!」
3人の呼吸が合い、さらなる反撃が始まる──
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