表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/77

満身創痍

灼熱の砂と激戦の名残を背に、カイたちは重い足取りで迷宮の石門をくぐった。すぐに空気はひんやりと湿気を帯び、砂の世界とは異なる静寂に包まれる。


エルナが壁に手をつき、息を整えた。「くっ……左の脇腹、さっきの衝撃で……折れてるかも」


ノクスも肩から血を滲ませていた。「あの重力のひずみ……内部から骨格が捻じれたようだ。普通の医療じゃ回復は難しい」


そして、カイは右腕を押さえている。

「……俺の剣筋が読まれていた。重力に乗せられた衝撃で、関節に違和感がある」


傷の確認と応急処置を終えた三人は、迷宮内の初層「導きの間」へと足を踏み入れる。石造りの天井からは淡い青い光が差し込み、刻まれた文様が脈動するように光っていた。


【迷宮の異常】

「……この迷宮も、ただの遺跡じゃない。生きているみたい」エルナが周囲を見回す。


ノクスの目が細められる。「内部の影が、一定の法則で動いている。おそらく監視されているな」


そのとき、カイの“魂為眼”が淡く光った。


「見える……この迷宮の“結界の流れ”だ。進む方向は……あっち」


まるで意思を持つように、光の紋様が道を照らす。


だが、カイの足がふらついた。エルナが支えに入る。


「休むべきよ、あんたも無理してるでしょ」


「いや、ここで止まったら追いつかれる……進むぞ」


【罠と幻影】

一歩進んだ先、石畳がひとりでに動き出した。

「罠だ、気をつけろ!」ノクスが叫ぶと同時に、無数の光の槍が空間に出現し、三人に向かって放たれる。


カイは咄嗟にプロミネンスを構え、エルナとノクスを守るように前に出た。「“陽炎の盾”!」


爆発的な衝撃。焼けつくような痛み。

カイの腕がはじけ飛びそうになりながらも、なんとか攻撃を相殺した。


「……一つ一つが、さっきの戦いのダメージを増幅させてくる」


そのとき、迷宮内に幻影のような声が響いた。


「鍵を求める者よ──魂を削り、心を見せよ。我ら聖獣がふさわしき者を選ぶ」

「……試練が始まったってことね」エルナが矢をつがえ、前方を見据える。


「もう戻れねぇな」カイが笑った。「行こう。俺たちが揃ってここまで来た意味を、証明しようぜ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ