カイの剣
灼熱の神殿への道を前にして、カイたちは再び鍛冶通りへ足を運んでいた。
昨日から合成してもらっている剣の様子見に来た。
「……あの剣、もう完成してるかな」
彼が向かうのは、通りの一番奥にある老舗の鍛冶工房。
そこで待っていたのは、屈強な腕をした女鍛冶師・ミラだった。
「来たな、旅の剣士。お前さんの剣、しっかり鍛え上げといたぜ」
ミラが布を外すと、そこに現れたのは美しい赤色をした、片手剣だった。
「これは……!」
刀身は真紅の金属でできていたが、魔力は一切感じられない。
柄には古代文字が刻まれ、炎の加護が宿っているという。
「グレン鋼の中でも特別な素材“陽火鉄”を使ってる。この剣は魔力を常に吸収して、一定量溜まったら念じる事で…」
ミラが魔力を吸わせる。そして、ミラが居合の構えを取り、
「武器スキル“プロミネンス”」
刀を抜くと同時に獄炎が前方に放たれる。
木は一瞬で塵と化した。
カイは剣を両手で受け取ると、構えてひと振りする。
「──……すごい。剣そのものが、生きてるみたいだ」
エルナとノクスも、それぞれ装備の調整を終え、街の広場で合流した。
「新しい剣、似合ってるよ、カイ」
「神殿への地図と情報は手に入れた。だが、“試練“は今までに3975人が挑み、生きて帰った者は3人。しかも全身大火傷でまともに生活する事もできなかったらしい」
三人は視線を交わし、静かにうなずく。
カイ:「……どんな炎だろうと、俺は負けない。リクを取り戻すためにも、この試練、乗り越えてやる」
そして、背に新たな武器を携えたカイを先頭に、一行は“灼熱の神殿”への道を進み始めた。




