リクvsカイ再び
夕暮れ、リクはひとり、街の外れの商店街を歩いていた。
ふとした拍子に、酔っ払いの男がリクの肩にぶつかる。
「おい、ガキィ! どこ見て歩いてんだよォ!」
「……どけ」
リクの返答は短く、冷たかった。
だが、それが逆に相手の癇に障った。
「なにィ? ちょっと力があるからって、調子に――」
ドンッ――!
次の瞬間、リクは男の胸を魔力の籠もった拳で突き飛ばしていた。
石畳を滑るように吹き飛ばされ、酔っ払いは呻き声を上げる。
「リクッ、やめろ!」
カイが駆けつけ、即座にリクの前に立ちふさがった。
「その人はただの酔っ払いだ。落ち着け、どうかしてるぞ」
「……俺に触れるな。」
その目は、怒りではなく――狂気に近かった。
「それでも止める。お前が、仲間ならなおさらだ」
カイは即座に構えを取った。
リクの拳が魔力を帯び、黒く脈打ち始める。
明らかに制御を失いかけていた。
「なら……力で止めてみろよ、カイ!」
■ リクの攻撃:魔力爆発の奔流
一瞬で地面が砕け、光と衝撃が周囲を包んだ。
だがカイはそれを読んでいた――
カイの剣が、寸前でリクの腕を打ち上げ、構えを崩す。
そして背後に回り、リクの動きを封じるように抱きとめた。
「……落ち着け、リク! お前らしくないぞ!」
(これは、ただの疲労やストレスじゃない……体の内側から、何かが……)
カイは胸中でそう確信した。
。
「……何もかも、壊してやる……!」
普段の冷静さは微塵もなく、リクの目には強い憎悪が宿っていた。その手から漏れ出す魔力は、制御を失いかけている。
「リク! どうしたんだ、落ち着け!」
リクは振り向かずに言い放つ。
「邪魔をするな…」
「……リク、お前、何かに取り込まれかけてる……!」
カイの声も届かず、リクの手に無意識のうちに創造された武器が現れる。鋭い蒼光を帯びた剣――その魔力の圧に、周囲の空気が揺れる。
「止めるしかない……!」
カイは歯を食いしばり、剣を構える。
■ 対リク戦、開始。
火花が散る。カイの剣がリクの創造武器を受け止めるたび、地面がひび割れる。
「リク……っ! 目を覚ませ!」
「うるさい……黙れ……っ!」
リクの一撃が、怒りと共に冴えわたる。だが、カイの剣がその勢いを受け止め、互いの瞳がぶつかり合う。
リクが「ファイヤダガー」を5つ創造する。
(カイには普通じゃ当たらない…)
「創造“オペレーション”」
物体を操作するスキル。ファイヤダガーを操作してカイに放つ。
「武器スキル“グラヴィティ”!」
ファイヤダガーを床に叩きつける。
「厄介だな。」
「創造、“インベント・サンド”、“セット・リプレイス”」
(インベント・サンドは砂を生み出す能力、セット・リプレイスは選んだ対象を違うものに置き換える能力)
「ぐっ…」(コラプサーが侵食する)
「これで、終いだ。カイ。」
「ファイヤダガー。」(5本創造し、カイに投げる)
「終わらせてたまるかああ!」
カイが突っ込む。
リクがインベント・サンドを使う。カイに砂が当たった瞬間、セット・リプレイスを使用。砂をファイヤダガーに置き換えた。
「やべ…!」
「武器スキル・グラヴィティ」
カイが咄嗟に上にファイヤダガーを吹き飛ばした。
街の広場での激突は、辺りに魔力の波紋を生み出し、空気すら震わせていた。人々はすでに避難し、残されたのは対峙するリクとカイのみ。
「……はあ、はあ……っ!」
リクの呼吸は乱れ、両腕に走る黒い紋様が脈動している。その瞳の奥は深い闇に染まり、言葉は届かない。
「リク……お前、本当に……」
カイが息を呑む。ふいに、地面を蹴ってリクが飛びかかってきた。
――その瞬間。
「やめてリク!!」
澄んだ叫び声が飛び込んできた。エルナと、後ろに続くノクスが広場に駆け込んでくる。
「エルナ!? ノクス! ここは危険だ、下がってろ!」
「違うの、カイ! リクは――コラプサーに侵されてる!」
「コラプサー……?」
カイの眉が跳ね上がる。ノクスが真剣な表情で補足する。
「古代兵器の一部だ。意識や魔力を乗っ取り、最悪の場合、“創造者”そのものを暴走させる。俺たちが出会った街で……その痕跡を見た」
「……それが、今のリクの状態か」
カイが小さくうなずき、リクの姿を見据えた。彼の背後から黒い靄が漏れ、形なき鎖のように地面を這っていた。
「リク、聞こえてるか……? お前は、乗っ取られてるんだ。自分自身じゃない!」
リクの瞳が、ほんの一瞬揺れた。
エルナが一歩前に出る。
「リク! あなたの想い、私たちはちゃんと覚えてる……! 一人にならないで! もう、苦しまないで!」
叫びは虚空に溶けたかのように思えた。だが次の瞬間、リクの手が震え、創造した斧が微かに崩れ始める。




