↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/67

15 幼馴染も学校が変わると会わなくなる


「白髪三千丈の思いだ、、、」


「?? おっちゃんはまだ髪黒いじゃん?」


「そういうことではない、、、お前の持ってきたよくわからんきのこの所為で、今までの人生が全て色褪せてしまうと同時に、何故これまでこのきのこを知らない人生を歩んできたんだろうという後悔ではない後悔を強烈に覚えるのだ。そんなことは不可能だったと理性ではわかるが、儂の料理人としての気概は納得してはくれない。お前を恨むくらいだ」


「そんなこといわれても、、、」


「そうだな、、、これからはお前が定期的に持ってきてくれるんだし、今までの不遇を嘆くよりこれからの多幸を喜ぶアルヨ」


「そんなこと約束してないぞ!おっちゃん!持ってくるのはいいがタダ働きはいやだ」


「グラム10¥だすアルヨ。平岡のぼんが持ってきたきのこ一片あたり大体400グラムはあるから、一片で4000円前後ネ。ここで乾燥して粉末にして調味料みたいに使えばいいアル」


「うーん、高いのか安いのかよくわからんなあ。このキノコめちゃうまいんだがなあ」


「大航海時代でも胡椒がグラム20¥くらいだったから破格アル!ましてやきのこは水分含有率が80%-90%だから、それより段違いに高価アルヨ!」


「たしかに、、、( 金1g=胡椒1gじゃなかったんだ・・・ ) でもなんでそんな高くてもやっていけるんだ?こんな町の中華料理屋が高級化しても誰もこないぞ」


「このきのこはおそろしいほどの旨みを持ってるヨ。ほんのちょっと粉末を混ぜるくらいで丁度いいアル」


「化学調味料みたいに使うということだな」


「この店では化学調味料なんか使ってないアル!」


例えで言っただけだが、怒らしてしまったオレは、店主をなだめすかしつつ、キノコご飯を堪能した。


__________


恍惚の間にボケ〜としていたら、ふと玄関の戸が開けられた音に気付く。


「ただいまー。お父さん、まだご飯って残ってる?」


「虎娘が帰ってきたアルヨ!店の手伝いをしないでドコほっつき歩いてきたカ!」


「お客さんなんて昔ほどこないんだから手伝ってもしょうがないじゃない!昔のお客さんは老人になっちゃって、若い人は味の濃い分かりやすい中華屋ばかり行っちゃってるんだから!うちもそういう風に変わらないと!」


「ウチは自然な味がウリアルヨ!あんな似たり寄ったりのマガイモノの味は本来の中華じゃないアル!」


「あるのかないのかどっちなのよ!?あー、もういや、、、平日は普通に私は働いているのよ?休日くらい好きにさせてよ、、、」


昔から喧嘩は絶えなかったが、昔と違ってどこか物悲しい出口のない親子喧嘩にオレは居心地の悪さを感じて黙っていた。


「アレ、、知らない上着が置いてあるけど、お客さんの忘れ物?」


「それはそこのぼんのモノアルヨ」


「どちらのお宅さん、、? すいません、お客さんの前で声を荒げてしまって、、、、って、平岡くん!?」


オレはジャーリンに久闊(きゅうかつ)(じょ)した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。