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昇らない月 ※ルナミリア不在

引き続き主人公以外の視点になります。ボロボロになっちゃったからしょうがない。

マリアと別れた後、王城に戻り、気絶するソフィーの治療をしていたソーラたちにマリアから指示された事を話し、そのままソフィーを任せてレンはルナの屋敷に来ていた。屋敷の扉をノックして返答が無い事を確認するとそのまま中に入る。人が居ない廊下と階段を歩き、ある部屋の前に立つ。その扉をノックすれば、中から「どうぞ。」と返事が帰って来る。レンが扉を開け、中に入れば、ベッドに包帯で顔以外の全身を巻かれたルナとそのそばで椅子に座りルナを見続けるマリアが居た。


「随分早いですね。明日と言ったのに。」

「少しでも早く、ルナに何があったのか知りたいですから。」

「あなたは、昔から変わらないわね。」


マリアはルナの頭を撫でながら優しい声で呟く。


「あなた達二人は昔から粘り強いんだから。」

「マリアさん。俺にも教えて下さい。ルナがいつから顔を隠す様になったのか。何を目的として行動しているのか。」


マリアは撫でる手を止め、レンに向き合う。


「私が話すのは、あくまで表面上の事です。それ以上は話せません。でも私もあなたに頼みたい事がある。」

「ルナを守る為なら、何でも。」


レンの瞳に迷いは無く、ただマリアを見つめ返す。


「ふふっ、いい眼ね。それじゃあ…」


レンとマリアの話は日が昇り始めるまで長く長く続いた。


しばらくの間、ルナミリアは目を覚まさなかった。彼女が学園に来ていない事を知ったソルウィが屋敷に来たがマリアによって門前払いされた。同行してきたソーラがルナミリアを誘拐犯扱いした時にはマリアが投げたナイフが髪を切った。面会が許されたのはプリマのみで、マリアに会ったプリマは泣いて謝った。マリアはそんなプリマをなだめ、これからも仲良くして欲しいと伝えた。そして夜にはレンが屋敷を訪れる。マリアは既に待っており、屋敷の庭で二人は向き合う。レンが強くなるためにマリアに指導をお願いしたのだ。マリアはレンに自身の戦闘技術と感覚をレンに叩き込み、その磨き方を伝授した。毎日人目に付かない所でやる様にと念を押して。


「力は隠しておくこと。情報はどこから漏れるか分かりません。あなたの本当の力は魔法では無くその身体能力であると敵に悟られない様にするのです。本当にその力が必要になる時まで。」

「はい。」


ルナミリアが居ない学園は特に何も起こる事無く過ぎていた。ソルウィへのいじめはかなり軽減されており、ルナミリアの策略は成功していたと言える。そんな学園の昼休み、学園のガゼボで協力者の二人は毎日話し合っていた。


「やはりルナちゃんは分かっていたんでしょうか?自分も攫われるって。」

「どうだろうか。ルナの事だからそれでも心配で自分も巻き込んだのかもしれない。」

「自分を巻き込むってそんな…」

「一時期、ルナが少しおかしかった時があった。おかしかったといってもほんの些細な事だけど。普通に過ごす中でいつの間にか距離を取っていて、なんて表現すればいいのか分からない顔をしていたんだ。それを見た俺は思った。」

「…何を?」

「どうして…そんな消えそうなのか…と。」

「消えそう?」

「もしルナがあの時と同じ状態なのだとしたら、何が起こってもおかしくないと俺は思ってる。だから、俺達でルナを守ろう。」

「私も…全力で協力します。ルナちゃんは大事な友達だから。」


二人はお互い決意の満ちた瞳で見つめ合った。話の終わりを見計らったかのようにチャイムが鳴り響く。そして、三か月が経過した後、ルナは目を覚ました。

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