↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/58

11 ミリオネア(11) 

「ねえ、起きてよ」

「ラナ?」

「もう起きないと、遅くなってしまうわ」

「どうしたの?」


 ゆっくり眠れたので少し楽になったけれど、まだ何となく気分が悪い。


「ねぇ、起きて」

「分かったわ、何かあったの?」

「ミリオネアに着いてしまうから」


 そんなに揺れているとは思えないのに、船酔いしているみたいにすっきりしない。

 ロアンお義兄様ほどでは無いが、カリーナも船の上が得意では無いらしい。


 出来ればこのまま部屋で寝ていたい所だが、ラナがこんな時は、聞き分けが無くなる事も旅の間で分かっている。


「ミリオネアに着いたの?」

「まだに決まっているじゃない、そんな事になったら大変だもの」


 何が大変なのか分からないが、船室の外に出ると、そこには美しい星空が広がっている。


「まぁ、きれい」

「そんな事、どうでもいいわ」

「ラナ?」

「早く、こっちに来て」


 ラナが手を引っ張って船尾の方に行こうとする。


「ラナ、待ってちょうだい。それにダナーが船尾には行かない方がいいって」

「大丈夫よ」

「ラナ、船に乗った事があるの?」

「関係ないでしょ」


「えっ?」

「来てくれないと困るのよ」

「どうして?」


「だって何時までも貴方がいると、私がお姫様になれないじゃない」

「何の話をしているの?」


「早く来て」

「ラナ、やっぱり危ないわ」

「もう、貴方ってやっぱり嫌な人だわ。どうして私の邪魔ばかりするの?」

「ラナ?」


「これ、何だと思う?」


 ラナがポケットからファリス先生の魔道具を取り出す。


「ちゃんと引き出しに入れて置いたのに、どうしてラナが持っているの?」

「無くなったら大変でしょう?」


 ラナが鎖の部分を持って魔道具を揺らしながら歩く。


「ダメよ、ラナ。先生の大切な物なの」


 それにダナー達にも魔道具を見られたく無いみたいだったのに、、、


「早くこっちに来てよ。間違えて海に落としたらどうするの」

「ラナ!」


 船の端で腕を伸ばし海の上でゆらゆらと魔道具を揺らすので、驚いてラナの近くに行き、彼女が手を放しても魔道具が海に落ちないよう手を下に添える。


「貴方が居ると、私がお姫様になれないのよ」

「えっ?」


 そのまま体をぶつけるように思いっきり押される。


「いなくなってくれないと困るのよ」


 バランスを崩した所を更に手で押されて、自分が船の外に押し出されたのが分かる。


「カリーナ!」


 自分の名前を呼ぶファリス先生やダナーの声が聞こえ、アレス様が伸ばした手が見えるけど、そのまま海に落ちて行く。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。