↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/58

05 サウストリア(5) -ファリスside

 一年以上たってもダラダラとイルネラの街にいた頃、クラウス様にそろそろ街を出ていけと追い出された。

 ノエルとリオンは自分の道が決まっていたが、アルフレッドは家に戻りたがらず結局、イルネラの街で知り合ったエイダンに手を貸すことになった。


 それからの数か月は、正直、思い出したくない。

 エイダンと別れ国に戻って来た時、スーの海軍の手伝いをしたのは後始末のような物だ。


 アルフレッドも自分も気分的に荒れていた時だったし、魔物狩りはそれまでよりずっと楽な仕事だったので、海軍にいる頃は結構無茶もやった。


 海が落ちついたので海軍を抜けて、ミリオネアでアルフレッドは懐かしい人に会い。

 やっとウエストリアに戻り、自分も家に帰ることになった。


 “風使いのファリス” は海軍にいた頃の呼び名で、無茶をやった時のあまり思い出したくない記憶だ。

 面倒な事を聞かれるのも、思い出すのも嫌なので、商隊に帰ろうと馬車に戻ると会いたくない男が待っていた。


「やぁ、帰るのかい?」

「私は送り届けに来ただけですから」


「良かった」

「良かった?」


「うん、迎えに来なくていいからね、君の主人にも伝えておいてよ」

「それは彼女の望みではありませんよ」


「ミリオネアに行きたいんだろう?」

「そう聞いています」

「心配しなくていいよ、僕が連れて行くから」

「それは、、、」


「彼女が納得していればいいんだろう?」


 彼が自分では無く、カリーナを守っている者に向けて話すと、カリーナの護衛が答える。


「彼女の望むように、と言われています」

「分かった。無理強いするような事はしない、約束するよ」


 それで護衛との話は終わったと言うように、こちらを向くと相変わらず笑いながら話し続ける。


「君は逃げて手を引くんだろう? だったらキッパリ手を引いて欲しいな」

「手を引く?」


「そうカリーナから」

「別に僕は」


「違うならいいよ、僕はやっと帰ってきた彼女を手に入れたいからね、敵は少ない方がいい」

「彼女の事を知らないでしょう?」


「彼女が変わっていない事は会えば分かるよ、それに思っていた以上に可愛いし、これからもっと綺麗になる」

「私には」

「関係ない?」


 くそっ、誘導されているようで腹が立つが、ここで引けるものか。


「残ります」

「なんだ、残念。じゃぁ、客室を用意してあるみたいだから、しばらくゆっくりするといいよ」


 そう言うと彼の方が馬に乗って屋敷を出て行きながら、最後に嫌な言葉を残して行く。


「夕食は正式な物だからね、ちゃんと正装してくれよ。僕だけ服装を整えたら、何だか僕が意地悪しているみたいに見えるだろう?」


 何だか嵌められたような気分になる。


 第一正装なんて、ここ何年も着た覚えがない。


 おまけに最後に着たのは友人の結婚披露の場で、初めて口にしたアルコールで前後不覚になり、新婦に庭の池に放り込まれた嫌な記憶しか残ってない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。