77 コマーシャル
『メグちゃん、MMJの岩本社長から連絡があったよ。フィリピンの現地企業との合弁会社に、魔力通信事業者とスマホと空間通信カードの販売の許可がおりたって』
「みぃー」『やったの。今ある在庫を全部フィリピンに送るの。どんどん売り出すの』
『メグちゃん、スマホと空間通信カードの輸出許可が保留になっているんだって。新しい物だから経済産業省が判断できないみたい。経済産業省から総務省に照会するって』
「みぃー」『総務省が変なことを言いそうにゃの』
『メグちゃん、フィリピンへのスマホと空間通信カードの輸出許可が取れたって! 総務省が経済産業省にスマホや空間通信カードは通信機器として適さないって回答したんだって。外為法もクリアだって』
「みぃー」『総務省の変な回答に助けられたの』
『良かったね。メグちゃんとジョーちゃんが一生懸命作ったスマホがやっと世界に広がるよ。メグちゃんの野望もかなうよ』
「みぃー」『良かったの。岩本社長たちにバーンとボーナスを出すの』
『社員全員に大盤振る舞いしちゃおう』
スマホと空間通信カードはフィリピンから静かに世界に広がっていったよ。
◇
宙に浮いたスマホの画面で、メグちゃん、ジョーちゃん、イーちゃんの3人が変わったコマーシャルを見ていたよ
ドレス姿のジョーちゃんによく似たかわいい赤ちゃんが新体操のリボンをクルクルまわして「ポップル、ポップル、ポップルポン♪ スマホになぁれ♪」と唱えながらクルクル踊っている。赤ちゃんがスマホに変身したところで、[スマホ 空間通信カード]の字が大きく映し出された。
「おかえりーなの」
「おかえりーなのです」
「みぃー」『おかえりーにゃの』
『ただいまー。スマホのコマーシャル?』
「3人で考えたコマーシャルなのー」
『おもしろいコマーシャルだよね。見た人はスマホがなにか気になると思うよ』
「空間ネットワークで作ったのです」
『空間ネットワーク、こんなのも作れるんだー』
「みぃー」『ポップル社の世界共通のコマーシャルにするの。フィリピンで吹き替えして、フィリピンのテレビで放送するの』
『吹き替え……そう言えばフィリピンの公用語は英語とタガログ語だったよね。スマホの言葉の翻訳ってどうしてるんだっけ?』
「空間ネットワークではどんな言葉でも、その人の使っている言語に聞こえたり見えたりするのです」
「ダンジョンのモノリスなんかと同じなのー」
『あの謎システムかー。空間ネットワーク、本当にすごいねー』
「そうなのー。すごいのー」
「みぃー」『販売する時につけている説明書には、注意事項やONのしかたくらいしか書いてにゃいの。空間ネットワークで細かい使い方を動画で見れるようにしたり、説明書が見れるようにしてるの。だからわたしたちは楽にゃの』
『いろいろ考えてるんだね』
フィリピンでこのコマーシャルが放送されたおかげか、スマホと空間通信カードの販売数量が日をおうごとに増えていっているそうな。
◇
『メグちゃん、MMJの岩本社長が、宇和島に第2工場を作りたいんだって』
「みぃー」『岩本社長にまかせておくの』
『メグちゃん、岩本社長が、宇和島第2工場の建築許可がおりなくて、工場が作れないんだって。岩本社長の知り合いの市議さんの話では国からの圧力だって』
「みぃー」『岩本社長にまかせておくの』
『メグちゃん、岩本社長が、スマホの組み立てを外部委託したいんだって』
「みぃー」『岩本社長にまかせておくの』
『メグちゃん、岩本社長が、宇和島工場を24時間稼働に変えるんだって』
「みぃー」『岩本社長にまかせておくの』
『メグちゃん、岩本社長が、フィリピンにスマホと空間通信カードの工場を作りたいんだって。MMJの宇和島工場を24時間動かしているけど、在庫がどんどん減ってるんだって』
「みぃー」『岩本社長にまかせておくの』
『メグちゃん、岩本社長が、宇和島工場を日中稼働に戻して、工場の人をフィリピンに派遣したいんだって』
「みぃー」『岩本社長にまかせておくの』
『メグちゃん、空間ネットワークの伝話番号を仕事用とプライベート用で2つ持ちたいって要望がたくさんきてるんだって』
「みぃー」『わかったの。この際だからスマホ1台に3つの伝話番号を割り当てられるにするの。空間通信カードもなの。イーちゃんに空間ネットワークのシステムの改修を依頼しておくの。スマホと空間通信カードのソフトの改修もいるの。大規模改修になるの』
「伝えておくね」
『メグちゃん、MMJに空間通信カードを使った携帯電話機を売り出していいか、携帯電話機メーカーから問い合わせがきているんだって』
「みぃー」『どんどん作っていいの。でも作ったものはその携帯電話機メーカーが責任を持つの』
『そう伝えておくね』
『メグちゃん、ポップル社の会社運営代行サービス楽々パックの浦方さんが、ポップル社の伝話と事務サービスが急増して、これ以上無理だから、値上げして人を増やしたいんだって』
「みぃー」『バーンと払って浦方さんにまかせておくの』
『メグちゃん、岩本社長が、製造用の刻印魔法陣をフィリピンにたくさん送ってほしいんだって』
「みぃー」『美紀ちゃん、がんばるの』
松高大学の夏休みは8月、9月で、探索者高校と夏休みの時期も期間も違うんだね。夏休みの宿題もないし。
わたしは夏休みの宿題代わりにスマホ製造用の刻印魔法陣と空間通信カード製造用の刻印魔法陣の製造をがんばったよ。
宇和島工場もフィリピン工場も魔法陣の盗難が多いから大変だよ。
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