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ちび白猫と小さな赤ちゃんと現代ダンジョンへ  作者: 南瓜と北狐


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73 終戦

「清美ちゃん、由美ちゃん、こんにちはー」

「美紀ちゃん、沖縄はまだ危ないからこない方がいいわ」

「中国軍がいつ攻めてくるかわからんからなー」

「街はもう普通だねー。お店もやってるし」

「帝国海軍の護衛でフェリーが再開したからなー。物がなくて閉まってた店も再開したわー」

「智也と孝弘はどう? 入院してたって聞いてびっくりしたよ」

「検査入院みたいなものだったの。2人とも元気でピンピンしてるわ」

「智也は由美ちゃんを守ってケガしたんだよね」

「飛んできたミサイルの破片から由美ちゃんを守ろうとしてなー。由美ちゃんがとっさに張った結界に思いきりぶつかってなー」

「あれはわたしが悪かったわ。でも智也が飛び込んでくるとは思わなかったの」

「由美ちゃんがおろおろしながら智也にヒールかけててなー。おもしろかったわー」

「わたしはおろおろなんてしてなかったわ」

「孝弘はなー。中国軍のミサイルから出た毒ガスを吸って動けなくなっとたんやわー。女子更衣室でなー」

「孝弘は美紀ちゃんにもらった毒耐性50%増加をつけていたから、動けなくなったくらいで済んだの。清美ちゃんが、孝弘に浄化とハイキュアをかけたのも良かったの」

「孝弘がおらんかったからなー。いつもの女子更衣室に探しに行ったんやわー。美紀ちゃんが救急セットを渡してくれてて助かったわー」

「救急セットが役に立てたみたいで良かったよ」

「中国軍の攻撃も変なのよね。隠蔽していたわたしたちの基地まで攻撃してきたの。5箇所全部、毒ガスミサイルでピンポイントで」

「中国に亡命したやつらやと思うわー。沖縄の防衛情報を手土産とかなー」

「やってそうだよね。あの変な口ヒゲの人なんか特に」

「美紀ちゃん。こんな状況だから、いつまた中国軍の毒ガスミサイルが飛んでくるかもわからないし、いつまた攻めてくるかもわからないの。次の時に赤の魔道甲冑が助けてくれるかもわからないの。沖縄は危険なの。だから沖縄が落ちつくまで、松高で待っていて」

「美紀ちゃんが、こっちにきてもいいようになったら伝話でしらせるわー」

「わかったよ。松高で待ってるからね」


 ◇


 天津飯、ナポリタン、コールスローサラダ、お味噌汁というちょっと変わった組み合わせの寮の晩ご飯をおいしくいただいていると、テレビで日中戦争終結のニュースが流れていたよ。


「中国に一時帰国していた劉在日中国大使が、昨日、再来日しました。劉在日中国大使は、愛知県の臨時首相官邸を訪れ、油谷首相に日中戦争終結と双方の武力行使の即日停止の信書を手渡しました。大日本帝国政府はこれを受け入れ日中戦争終結と双方の武力行使の即日停止を宣言しました。中国の宣戦布告から1ヶ月あまりでの終戦が実現しました。今後、日中両政府で終戦協議が行なわれます」



『わたしたち今日も中国に行ってきたけど良かったのかな?』

「みぃー」『大丈夫にゃの。わたしたちは日本政府と関係にゃいの』

『そうだったね。わたしたちは日本政府と関係なかったよ』

「来週も遊びにいくのー」

『しばらくは行かないかなー』

「みぃー」『アドバイスさんのアドバイスで、先週、金やミスリルやオリハルコンを全部もらってきたのが効いたの。たくさんあったの。たぶん日本の国家予算を超えてたの』

『先週は祝日もあったから2回中国に行ったんだよね』

「美紀ちゃんが作ったマジックバッグに入ってるのもあったのー」

『あれはわたしもちょっとびっくりしたよ。あんなのにも使われてるんだね』

「美術館や博物館でも使われているのー。テレビで見たのー」

『教えてくれてありがとね。ジョーちゃんは物知りだねー』

「えへへなのー」

「みぃー」『もらってきたオリハルコンやミスリルはどうするの?』

『そのまま封印かなー。昨日ひどい夢を見たんだよ』

「ひどい夢なの?」

『宿敵たちが宿敵封印用アイテムボックスの中でたくさんエサを食べて大きくなって、ズルズルポヨンポヨン這い出てくる夢。あれは正夢だと思うんだ』

「みぃー」『アイテムボックスの中は時間停止しているから透明スライムも動けにゃいの』

『メグちゃん、宿敵たちには油断禁物だよ。あいつらは何をしてくるかわからないからね』

「宿敵はこわいのー、危ないのー」

「みぃー」『いつの間にかジョーちゃんが洗脳されてるの!』

『フッフッフー。ジョーちゃんはちゃんとわかってくれたよ。メグちゃんもそのうちわかると思うよ、宿敵の恐ろしさが』

「みぃー」『ずっとわからないと思うの』

『わたしも小さい頃はそうやって宿敵をあなどっていたものだよ。懐かしいね。でも今は懐かしがってる暇はないんだ。今ここにある宿敵の脅威に対抗しないといけないからね。今日1日わたしは考えたよ。どうすれば宿敵たちの封印を強化できるのかを』

「宿敵の封印の強化は大切なのー」

『そうだよ、とても大切なんだよ。そこで考えたのが、宿敵封印用アイテムボックスをもうひとつ作って、それに今の宿敵封印用アイテムボックスを入れてしまうことなんだ。これで二重封印が完成するはずだよ』

「二重封印なら宿敵の危険が減るのー」

「みぃー」『わかったの』

『メグちゃんもわかってくれた?』

「みぃー」『そっちじゃにゃいの。もうひとつアイテムボックスを作ることにゃの。今はアイテムボックスを作ろうとしても素材のシェードの魔核が品薄にゃの。マジックバッグの売却も週イチ10個をやめて、2週間に5個に抑えているくらいにゃの。作るのはきびしいの』

『それも考えたよ。昨日、松高大学の2次試験が終わったから、島屋ダンジョンに復帰しようと思うんだ。51階層からのグレーターシャドウ系を倒せば、アイテムボックスの素材なんて簡単にたまるからね』

「みぃー」『それなら問題にゃいの。今のレベル1328にゃら31階層からチャレンジしていけば、にゃんとかにゃるの』

『メグちゃんもわかってくれて、うれしいよ。さあ今から島屋ダンジョンに行くよ』

「みぃー」『今からにゃの?』

『善は急げだよ。宿敵は待ってくれないからね。正夢になる前にやるんだ』

「宿敵が出てくる前にやるのー」

『そうだよ。がんばろうねー』

「みぃー」『ジョーちゃんの洗脳をとかないといけないの』


 ◇


 寮の晩ご飯でミラノ風チキンカツレツって書いてたけど、ミラノ風ってどの辺がミラノ風なのかなと考えながら、おいしくいただいていると、テレビで北朝鮮とロシアのニュースが流れていたよ。


「朝鮮半島南端に戦力を集中させていた北朝鮮軍が、北上し朝鮮半島各所に分散する動きが見られます。帝国海軍艦隊は引き続き警戒を続けています」

「オホーツク海での合同軍事演習後、ウラジオストクにとどまっていたロシア黒海艦隊が日本海を抜け、帰路につきました」



『ロシアも北朝鮮も絶対あやしいよね』

「みぃー」『アメリカも急に沖縄を返還したりして変だったの』

『それもあったよねー』

「みんな、まっクロクロなのー。クロミとクロコなのー」

『クロたちのレベルが150を超えていたよー。容疑者ジョーちゃん』

「冤罪なの。知らないの。ピヨピヨ♪なのー」

『ジョーちゃん、ヒヨコになってるよ』

「ちょっとまちがえたの。ピュー♪ピュー♪なのー」

『さすがジョーちゃん。口笛が吹けるようになったんだね』

「練習したのー。これでいつでもとぼけられるのー」


 ジョーちゃんが胸をはって得意気にしてるよ。でも墓穴を掘ってしまったようだね、ジョーちゃん。


『ジョーちゃん、自分でとぼけるって言っちゃってるよ』

「しまったのー。美紀ちゃんの巧妙な誘導尋問だったのー」

『ふっふっふー、わたしの巧みな誘導尋問にのせられてしまったようだね、ジョーちゃん』

「ダメだったのー。もう口笛は封印するのー」

『封印しなくていいよ。せっかくジョーちゃんが練習をしてできるようになったのに』

「口笛をふいても大丈夫なの?」

『大丈夫、大丈夫』


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