第19話【残り287日:泳げないペンギン】
第19話【残り287日:泳げないペンギン】
7月23日
マサオの苦手な夏。
僕より夏バテ気味だった。
「暑い・・・俺、死ぬ」
謎のパトロール中、マサオが暑さを訴える。
僕は学校の放課後プール開きが始まっていることを思い出した。
「マサオ、良い場所があるよ」
喜ぶと思ってプールに連れてきた。
「ほらプールだよ、水遊び好きでしょ」
「・・・今日は、コンディションが悪い」
明らかに乗り気ではない。
残念だけど戻るか、という時。
ヒヨコがプールに落ちた。
「助けろ!」
「え?」
「いいから早くしろ!」
僕は手を伸ばして急いでヒヨコをすくい上げる。
その時、後ろから岬さんがやってきた。
「ペンギンさんだー」
と、マサオにアタック。
マサオも一緒にプールに落ちる。
ブクブク・・・沈んでいくマサオ。
「マサオ!」
制服のまま、僕もプールに飛び込む。
プール底でジタバタ暴れるマサオ。
僕を見ると珍しく大人しくなる。
水から顔を出す。
「はぁ・・・やっぱり泳げなかったか」
「ゲホ、ゲホッ!」
「ペンギンさん、ごめんねー」
岬さんは目をパチクリしながら謝罪する。
まさかペンギンが泳げないとは思わないだろう。
「マサオ、大丈夫か?」
「・・・来ると思った」
「ペンギンなのに泳げないんだね」
「偏見だぞコラァ!!」
暴れ出した。
そして。
ペタペタペタ――ッ!!
濡れたまま走っていく。
僕もヒヨコたちを連れて後を追う。
そのまま冷暖房完備の秘密基地へと向かっていた。
―——
「ホラ使え」
「ドライヤー!?」
「コンセントはあそこだ」
「ありがとう。何でも出てくるんだな」
「フンッ」
マサオは溺れたのが、よほど怖かったのか。
炭酸も飲まずに、ふて寝した。
――残り287日




