184 最終決戦 その5 【アイリス視点】
【Side アイリス】
合成魔獣との決戦もそろそろ大詰めを迎えようとしていた。
グリフォンの翼もアキトお兄ちゃんが使った【フリーズ】の魔法によって凍ったままなので、私達はライオンの部分を弱点の炎で安心して焼いていける。
翼からの突風は結界を張ったおかげで吹き飛ばされずに済んだが、殆どの人のスカートが捲れたのは言うまでもないね。
私もスカートを押さえながら結界を張ってたし。
「そろそろライオンの部分は動けなくなる頃合いだね」
「ああ、後はグリフォンの翼を凍らせてから砕いていこう。 そうなればヘイトの頭も簡単に砕くことができるな」
一旦距離を置いたお兄ちゃんと私がそんな話をした。
ひなたお姉ちゃんが念のため攻撃を仕掛けて気を散らしている間に、他のみんなが火の魔法や技で徹底的にライオンの部分を焼き尽くしていく。
特に顔や四本の足はライオンのそれなので、視覚も狭まって来るだろうね。
「よし、何人かはグリフォンの翼を凍らせてくれ! その直後に前線の者が凍った翼を砕いてくれ」
「了解!」
クロウ中佐の号令で、何人かはグリフォンの翼を凍らせる役割に出た。
クレアお姉ちゃんや七絵ちゃんと胡桃ちゃんなどは引きつづきライオンの部分を焼くけど、エミリーお姉ちゃんは翼を再度凍らせる役目を買って出た。
前線も由奈お姉ちゃんは、クレアお姉ちゃん達と同じくライオンの部分を、ひなたお姉ちゃんやクロさんは翼を砕く役割を担った。
「アイリス、エミリー、二つの翼を凍らせるぞ」
「うん!」
「やろう! ボク達で」
アキトお兄ちゃんの掛け声に私とエミリーお姉ちゃんが合わせる。
使う魔法は三人とも同じだ。
ダメージはないが、三人なら二つの翼を同時に凍らせることが出来る。
コアでもあるヘイトの頭をガードする役割も持ってるからね。
確実に止めを刺すには、グリフォンの翼を弱点の冷気で凍らせてから砕く必要がある。
弱点はお兄ちゃんに教えてもらったんだけどね……。
「「「【フリーズ】!!」」」
魔力が溜まり、私達は同時に【フリーズ】の魔法を使った。
三人分の冷気が翼に降りかかり、一瞬で凍らせていく。
「クロとひなたが向こう側の翼を砕くか。 俺はこっち側の翼を砕く」
「頑張って!」
アキトお兄ちゃんはその後、槍を手に取って私達の近くの翼を砕きに向かった。
ひなたお姉ちゃんとクロさんは、その向こう側の翼を二人がかりで砕くみたいだ。
「暁斗くん、あの時の感覚を思い出して! 同時にやるよ!」
「よし!」
そこに由奈お姉ちゃんが合流した。
ライオンの部分も片付いたみたいだ。
ライオンの顔や四本の足が焼かれて動けなくなり、翼も凍らされた状態で何も出来ない合成魔獣。
こうなってしまえば、成すすべはないだろう。
「「はぁぁぁぁっ!!」」
由奈お姉ちゃんとアキトお兄ちゃんの槍による同時攻撃でグリフォンの翼は砕け散った。
ひなたお姉ちゃんとクロさんが担当した向こう側の翼も同じく砕け散ったようだ。
こうなれば、後はコアであるヘイトの頭だ。
「クリスタ、胡桃、仕上げだ!」
「はい!」
「うん……! ティフォン様……!」
止め役はアキトお兄ちゃんにクリスタちゃんと胡桃ちゃんが担う。
胡桃ちゃんが風の精霊のティフォン様を呼び出して、三人をヘイトの頭上まで飛ばせた。
「せぇぇい!!」
『があぁぁっ!』
まずはクリスタちゃんが投げナイフでヘイトの顔や目を目掛けて投げつけた。
そのナイフが突き刺さった所で、お兄ちゃんと胡桃ちゃんが魔導銃でハチの巣にしていく。
そして……。
「じゃあな、ヘイト国王……!」
他の二人をティフォン様が受け取め、アキトお兄ちゃんはそのままヘイトの頭に目掛けて……。
「ラストスラッシュ!!」
火の魔法、風の魔法、冷気の魔法を同時に剣に纏って力任せに一刀両断した。
三つの属性の力が、威力を高めていたのと、事前にナイフや銃によるハチの巣でボロボロになっていたのでヘイトの顔はすんなり真っ二つにすることができたみたいだ。
そして、真っ二つにされた合成魔獣は、崩れるように倒れていった。
「やった……んだよね」
倒れたまま動かなくなった合成魔獣を見て、ようやく戦いが終わったと思い、私はへたり込んだ。
何事もなければ、これで戦いは終わるはずだ。
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