179 対決、安川 凶 その3
「せいっ!!」
「ぐうっ!!」
「まだまだいくよ!!」
「ぐあっ! くそっ!」
安川の広範囲の衝撃波で吹き飛ばされた際に頭と腰を強打し、回復魔法を掛けても意識が戻らない状態になっている七絵をクリスタと胡桃に任せ、俺達は再度安川に斬りかかる。
俺の剣の攻撃を受け止めている間に、由奈が槍で側面から突き刺す。
安川は側面に気付かなかったのか、そのままダメージを受ける。
それでも倒れないのは、【グレートブースター】のおかげだろう。
「なかなかしぶといね! 【アースグレイブ】!!」
「うおおっ!?」
「隙ありっ! ソニックバスター!!」
「ぐあぁぁぁっ!!」
そして、アイリスの【アースグレイブ】の魔法で突出した岩が安川を吹き飛ばした所で、ひなたのソニックバスターが直撃。
そのまま地面に墜落する。
「うぐ、く、くそ……!」
「まだ立ち上がるね」
「執念……、でしょうかね。 支配欲という名の」
それでもまだ、安川は立ち上がる。
クロ曰く、奴は支配欲という執念と欲望の下で立ち上がっている。
エミリーも流石に感心せざるおえないみたいだ。
「だが、これ以上は長引かせるわけにはいかんな」
「ええ。 ナナエさんの事もありますから、早急に……」
七絵の容態も気になるので、クロウ中佐は銃を構え、イリアさんは爪を伸ばして安川に引導を渡そうとした。
その時だった。
「きゃっ!?」
「地震か!?」
突如、大きな揺れが発生した。
ひなたや由奈は、その揺れでバランスを崩し、尻餅をつく。
だが、この揺れはただの地震じゃなさそうだ……。
「アキトさん! ここの下から何かが出てこようとしてます!」
「何ですって!?」
「な、ま、まだ動いてはいけないはずだ……!」
イリアさんが揺れの原因を教えてくれた。
ここの地下あたりから何かが出てこようとしていると……。
ふと安川を見ると、まだ動いてはいけないと嘆きながら青ざめていた。
(まさか……!?)
俺は即座に嫌な予感を察し、即座に叫んだ。
「みんな! 安川から離れろ!!」
「え、え!?」
「あわわわ……!」
尻餅から立ち上がったひなたと由奈も訳が分からないまま安川から離れるように走る。
そして、安川の後ろからドカーンという大きな音と共に、何かが出て来た。
『ぐううぉぉォォォ……』
「あ、あ……! う、動いてしまった……! まだ、出来上がってないのに」
安川は背後にいる【ソレ】を見て、さらに恐怖に震えた。
そして、奴はまだ出来上がってないと言ったようだ。
「な、何あれ!?」
「あれが……、合成魔獣……!?」
「未完成って言ってたね。 見た限りかなり醜いよ、あれは。 でも、プレッシャーは半端ないね」
『っ!? いかん、奴が!!』
「「え!?」」
未完成が故に、醜い形で姿を現した合成魔獣。
エミリーが言うように未完成でもプレッシャーがすごいようだが、そうしている間にアルトが叫んだ。
「や、やめ……、ぐけっ!」
「う……っ!!」
怯えて動けなくなった安川を合成魔獣は、ハエ叩きのように叩き潰した。
一気に広がる血の池に、由奈も引いていた。
「なんて事だ……! 未完成が故にあのパワーを……」
グレートブースターを掛けたままの安川をいともたやすくハエ叩きのように叩き潰した光景を見て、クロウ中佐は青ざめる。
俺達もその光景にはドン引きしている。
「へらへとに攻撃を受けるわけにはいかないね。 安川みたいに潰される」
「ですね。 速攻で奴を倒していくしかないでしょう」
だが、ここで退くわけにはいかない。
未完成の合成魔獣をここで倒しておく必要がある。
「ああ! みんな、気合を入れなおせ! これが最後の戦いだ!!」
俺の掛け声で再度、みんな構えた。
みんなも分かってるのか、闘志を燃やしているようだ。
突然の形になったが、今ここで最後の戦いが幕を開けた……。
よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。
作者のモチベーションの維持に繋がります。




