158 追手部隊を駆逐せよ!
「佐々木! そっちに兵士型が数体向かったぞ!」
「分かった、アルト!」
『アオォォォォォン!!』
追手部隊との戦闘開始から数十分経過。
兵士型はようやく八割を屠ることができたので、メイジフォックスウルフのアルトとサクラを呼び寄せて、クローンホムンクルスに向けて突撃している最中に、鴫野から兵士型が数体こっちに来たというのでアルトの咆哮で足止めしておいた。
咆哮によって立ちすくんだ兵士型は、追いついた鴫野達やシンシアさんによって次々と屠られていた。
特に京終さんと鴫野……、本当に強くなったよなぁ。
「暁斗君!」
そんな事を考えていると、ひなたがサクラの背に乗って俺の隣に来ていた。
クローンホムンクルス討伐を手伝ってくれるのだろうが、おそらくその先のザナ王女との決戦も控えているからだろう。
「ひなた、もうすぐクローンホムンクルスの集団だ! 油断するなよ」
「うん! 後からシンシアさんや京終さん、鴫野君も来てくれるし、今はサクラの背に乗せて貰ってるからね」
『ええ、ひなた様もお守りいたしますわ』
「そうだったな。 じゃあ、ひなたとサクラで連携しておいてくれ」
「任せて!」
『畏まりましたわ』
残り1割の兵士型を屠っている最中のシンシアさんと鴫野達は後から来てくれるらしい。
当然ながらアイリスやリックさんとリリアさんも支援に来るのだろう。
俺とアルト、ひなたとサクラで連携を取るように確認した後、即座にクローンホムンクルスに斬りかかる。
『さぁ、参りますわ! 覚悟はよくて?』
「な、この狼はまさか……、ぎゃあぁぁぁっ!」
「サクラに気を取られすぎだよ! 【五月雨斬り】!!」
「な、何……!? ぐああぁぁぁぁっ!!」
まず、仕掛けたのはサクラとひなたのコンビ。
サクラが爪で安川のクローンホムンクルスの一体を深く切り裂いていく。
そこに動揺した別の個体に向けてひなたが【五月雨斬り】を放っていた。
この技、確か【アクセルザッパー】をひなた流にアレンジした技だろうな。
サクラに気を取られた個体は、ガードすら出来ずにひなたに斬られてそのまま絶命した。
「く、くそっ、どうなってんだ……! 俺様たちがこうも簡単に……!」
「悪いがこっちもいるぞ」
「な……、いつの間に……、がはぁっ!?」
そして、俺達も負けられないという事で、ひなたとサクラのコンビに目を追っている個体に背後から剣で心臓部を一突きして、絶命させた。
「待たせた、佐々木! 俺達も手伝うぜ!」
「張り切るよー! 【コキュートス】!!」
「では、私も。 【ヴォルケイノ】!!」
「な、その魔法は……!? あぎゃあぁぁぁっ!!」
「ギビイィィィィ!!?」
兵士型を全滅し終えた鴫野達が援護に来た。
そして、速攻でアイリスとシンシアさんが超級魔法で残り7体のクローンホムンクルスのうちの5体がその魔法を直撃して凍結もしくは焼死した。
これで後2体。
「あと二体……! 一体ずつ確実に……斬る!!
俺はクローンホムンクルスの一体に向けて抜刀技【虚空】で真っ二つにした。
最近は使ってなかったが、切れ味は変わらないな。
そして、もう一人は……。
「やはり、あっさりと片付かれたわね。 なら、そろそろ終わりね」
「がは……っ!?」
クローンホムンクルスの背後から現れたザナ王女によって、槍で貫かれた。
「ザナ……」
「あの時以来ね、ひなた。 ここで貴女との決着を付ける事になるなんてね」
「私もそれだけは予想してなかったよ」
「アンも死んじゃったし、結局、父も血を抜かれつつ、ある実験体にされたしね」
「やっぱり、あの時にあんたが言ってた事は現実に……」
「ええ、そうよ」
そういえば、ひなた達が東の果ての町の【マルル】での依頼の帰りにザナ王女と遭遇していたんだったな。
その際に、安川に何をされるかと言ってたってひなたは報告してたが……。
まさか、実験体にされていたとはな。
あの国王が……。
「一騎打ち、するんだな?」
「まぁね。 向こうもそう望んでるし。 安川の仕込みがないとは言い切れないけど」
「分かった。 俺達は観戦しつつ、安川の仕込みがないかを探すよ」
「負けちゃだめだよ、ひなたお姉ちゃん」
「うん」
俺やアイリスは、ひなたとザナ王女の一騎打ちを認め、決着を付けさせる。
同時に俺達は、ひなたの観戦をしながらだが、安川の仕込みがないかをサーチすることにした。
「行くよ……、ザナ」
「ええ、かかってらっしゃい。 ひなた」
剣を構えたひなたと槍を構えたザナ王女。
二人の決戦が、今始まろうとしていた。
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