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156 予想外の事態

 安川の取り巻きが引き起こしたスタンピード事件から、2週間が経過した。

 その間の後輩達は未だにショックから立ち直れず、王城内で休んでいる。

 一方で鴫野達は、冒険者活動を順調に進め、リックさんとリリアさんのおかげでCランクにランクアップできたようだ。

 今後もこのパーティで頑張っていくとの事だ。

 後は、クロとミナトについては無事にガイアブルクへの国民登録が終わったようだ。

 ただ、ミナトの現状はまだ後輩には知らせていないし、落ち着くまでは教えないで欲しいとは言われたが。

 ちなみに二人はコンビで冒険者活動をするらしい。


 そんな感じで安川からの仕込みがないまま時間が経った。

 そして、今日はシンシアさんと一緒にあの三人娘がガイアブルクに来たのだ。


「未だに信じられませんよね。 湊さんが死んだのって……」


「確かに、あの男……、安川自身が、元々湊ちゃんを邪魔者扱いをしていたみたいだど……」


 俺達と久しぶりに出会った三人は、湊の死について思っている事を言った。

 特に柚子と春菜が、ショックを受けていたのは本当だったようだ。。


「ですが、クロさん…でしたか? あの人のおかげで暗殺を出来なくしたんですよね」


「ああ。 センサー系のアイテムのおかげでな。 すり抜け可能なステルスマントもガイアブルク王家が封印している」


 瑠奈はその後は暗殺できなくした事で少し安堵していた。

 そこに俺は、クロから貰ったセンサー系のアイテムを瑠奈達に見せて、ステルスのマントも封印していることも伝えた。


「それにしても、瑠奈ちゃん達も強くなってたね。 ザックさんに鍛えてもらったの?」


「はい、この際にザックさんとシンシアさんに鍛えてもらいました」


「おかげで私達もザックさんクラスの強さになりましたよ」


 ひなたや由奈からは、瑠奈達が強くなっていた事に触れて、柚子と瑠奈がそれに肯定する形で答えた。

 ザッケローニさんとシンシアさんに鍛えてもらった結果だそうだ。

 ひなたや由奈もそうだが、勇者の素質を持ちつつ、色んな経験を積んだことでかなりの強さを得たのだろう。

 それでもひなたと由奈は俺の方が強いと言ってくるが。


『主、ちょっといいか?』


「アルト、どうしたんだ?」


 色々な話をしている間に、アルトが部屋に入って俺に話しかけて来た。

 何かあったのだろうか?


『南に気配があった。 おそらく追手の部隊だろう。 ヤスカワのクローンホムンクルスも10人はいるようだ』


「ダンジョン作戦も暗殺作戦もスタンピード作戦も失敗したから、数で攻める作戦に戻した形か?」


『おそらくはな。 策が尽き掛けてきているのかも知れんな』


 安川のクローンホムンクルス10人を含んだ追手部隊が、南から来ている事をアルトから知らされた。

 暗殺もスタンピードも失敗したからか、数で攻める作戦に戻った形だ。


「南ですか。 私も行きましょう」


「私達も手伝います!」


「シンシアさんも瑠奈達もすまない。 力を貸してくれ」


「もちろんです!」


 シンシアさんも一緒に手伝ってくれるようだ。

 いつも以上に気合が入っている。


「南からだと転移アイテムを使って、待ち構えた方がいいね。 今のクローンホムンクルスの強さがどうなってるか分からないし」


「そうですね。 油断しないように念頭に準備もしておきましょう」


 アイリスやクリスタも転移アイテムや魔道具などを準備し始めた。

 今回の追手部隊の構成がどうなのかは分からないが、来た敵を排除するのには変わりはない。


「リック達からの連絡も来たよ。 どうも、構成はクローンホムンクルス10人と強化された兵士型が100人、そしてザナ王女らしいよ」


「ザナ王女……か。 そろそろケリを付けないとって思ってたよ」


 エミリーから、リックさん経由で追手部隊の詳細を聞いた。

 そして、追手部隊に組み込まれた中にザナというガルタイトの王女の名を聞いたひなたの表情がこわばった。

 多分、俺が当時無能扱いにされて眠らされた時にひなたが仕掛けた時以来だろう。

 東の町での事件では、人が変わったと聞いてびっくりしたが……。


「気負うなよ、ひなた」


「大丈夫だよ。 突っ走ることはしないから」


「うーん、流石に私も心配だよ」


「由奈ちゃん!?」


 流石に今のひなたを見てられないので、釘を刺しておいた。

 由奈も心配しているようだしな。


「お兄ちゃん、水晶玉が光ってる」


「ん、誰からだ?」


 アイリスから通信用の水晶玉が光っていることを指摘された。

 追手がもうすぐ来るという時に、誰からだろうな……。


「もしもし?」


『あ、せ、先輩!! 大変なんです!!』


「七絵ちゃん!? どうしたの!?」


 七絵からの通信だった。

 だが、何か焦っているように聞こえる。

 ひなたもそれを察したか、七絵に聞いてくる。


『どこかから、追手部隊が来ることを聞いてしまったようで、私と伸晃君以外の人たちが憎しみの形相で、王城を出て行ったんです!!』


「何だって!?」


 予想していなかった厄介な事態が引き起こされた。

 七絵と伸晃以外の後輩達が、憎悪の感情を抱えたまま、王城を出て行ったという事態を七絵から聞かされた。


「に、憎しみで追手部隊と戦おうとするなんて……! それこそ安川の思うつぼだよ!」


『はい。 なので、私と伸晃くんやエリス王女様は止めようとしたのですが、憎しみの勢いが強すぎて止められませんでした……』


 由奈が慌てた様子で、七絵にそう告げる。

 七絵も止めに入ったが、安川への憎しみが先行しており、止める事が出来なかったみたいだ。


「元々、安川によってハブられたグループだったからだろうな。 そういう意味では安川を許せないだろうが……」


「危険すぎるよ。 誰か足止めに入らないと……。 今の状態のあの子たちじゃ、安川に返り討ちにされるよ」


 ひなたにそう言われ、誰を足止めに向かうかを考えていたら……。


「私達が、彼らの足止めをします!」


 三人娘が、後輩達の足止め役の立候補をしてきた。


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