表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、どのゲームの悪役令嬢なの?  作者: うっちー(羽智 遊紀)
気付けば時間が経過していました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/36

希はヒロインと邂逅する

「それで、この騒ぎはどうされたのですか?」


 妹であるユーファネートの問いかけにギュンターが答えてくれた。きのこのダンジョンとはいえ、ダンジョンである事は間違いなく、ユーファネートに危険がないようにと、事前に確認するために馬を飛ばして来たとの事であった。


「なにが起こるか分からないのがダンジョンだからな。先行して、ある程度調べるのは当然だろう。まさか、こんな『なにが起こるか分からない』状況になるとは思わなかったけどな」


「まあ確かに。まさかダンジョンに入って女性に囲まれるなんて思いませんものね」


「ああ、全くだ」


 希とギュンターはセバスチャンの淹れた紅茶を美味しそうに飲んでいる女性達を眺めていた。幼女に渡したクッキー以外にも、ライネワルト侯爵家で開発した庶民向けのスイーツも提供されており、ここがダンジョンでなければ楽しいピクニックであるといいてもいい様相になっていた。


 ギュンターとユーファネートの護衛騎士3人も一緒に休憩を命じられており、広場から奥に続く通路には、魔物を察知するとアラームがなる魔道具が設置されていた。


「それで、この方達はなぜここに?」


「夕食を取りに来たらしいぞ」


 きのこのダンジョンで発生する魔物は、きのこ系の魔物だけであり動きも遅く遠距離攻撃もしてこないので、女性でも槍のような長い武器で何度も攻撃すれば倒せるらしく、食費を浮かす為にやってきたとの事であった。


「話を聞いた限りでは、きのこの魔物は種類によって肉厚があったり、出汁として利用できたり、レア種の中にはフルーツの味がするのも居るらしい」


「そうですね。それは知っておりますが、女性だけなのはなぜなのです?」


「ああ、どうやら冒険者が調査にやってきたらしいが、危険度はないからと封鎖及び定期監視程度にする事を検討されたらしい。それを聞いた主婦達が自分達で定期監視をすると申し出て、たまたま今日がその監視日だったそうだ」


「ですが、先ほどお兄様がダンジョンは危険だとおっしゃられていましたわ」


 いくら安全とはいえダンジョンは危険だと、先ほど言ったではないかとの希の問いかけにギュンターは頷きながら、先ほど希がクッキーをあげた幼女の母親を指さして答える。


「彼女は数年前まで冒険者として活躍していたそうだ。結婚後に引退して子育てに専念していたが、定期監視の責任者を名乗りでたそうだ」


 ギュンターの説明に希が視線を向けると、幼女の母親もこちらを見ていたようで、視線が合うと軽く会釈をしてきた。そんな母親の姿を見て、幼女がユーファネートに向かって笑顔で大きく手を振ってくる。口をパンパンに膨らませている可愛らしい姿に微笑みながら手を振り返した希は、先ほどから視線に入れないようにしていたギュンターの背後にやっと目を向けた。


「お兄様。もう一つ、どうしても聞きたい事があるのですが……」


「それは俺に聞かれても分からん。本人に聞いてくれ」


 ギュンターの背中に引っ付いて離れない少女に希が問いかけようとすると、小さな悲鳴を上げられた上に、ギュンターの背中にすっぽりと隠れてしまった。


「……。え? なんで?」


「おいおい。俺の妹だから安心していいぞ。なんで、こんなに怯えているんだ? ユーファネート、おまえ何かしたのか?」


「するわけありませんわ! 初めて会ったばかりですわ! ねえ、あなた。名前は?」


 ギュンターのツッコみに心外な顔をしながら希が少女に問いかけると、なにをそんなに怯えているのかと思うくらいに震えながら答えてきた。


「フィネと言います。ユーファネート様って、あのユーファネート・ライネワルト様ですよね?」


「え、ええ? どのユーファネートか分からないけど、ユーファネート・ライネワルトよ。……え!? 今、フィネって言ったわよね!?」


 おずおずとした表情で答えている少女の名前に、希が大きく反応する。「君☆(きみほし)」に登場する主人公の初期設定名前が「フィネ」であったからである。彼女の姿はスチルでもパッケージでも出てこず、オープニングの際に描写が少しあるだけでだった。


 希は必死にオープニング内容を思い出そうとしていたが、学院の前で希望を胸に抱き見上げていた。との描写しか思い出せず眉をしかめる。


「彼女の容姿って、どうだったかしら。たしか金髪だったわよね? ……。駄目だレオン様の事なら、スチル絵だけでなく、おはようからお休みまでと言って良いほど覚えているのに。そうだ! 精霊花があったわ! ねえ、フィネさん。あなたの身体に花の紋章があるんじゃない?」


「な、なぜそれを!? 家族にすら話した事ないのに! やっぱり、あなたは薔薇の令嬢ユーファネート様なのですね」


「なぜその名を? 誰も薔薇の令嬢なんて言わないのに。もしかしてあなたも転生者なの?」


 希の問いかけに顔面蒼白になりながらフィネが答える。その答えには希も驚きの表情を浮かべながら、目の前で震え続けている少女を見つめる。そして希の「転生者」との言葉に、さっきまで震えていたフィネがキョトンとした顔になる。


「え? 転生者ってなんですか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ