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はるかかなたのエクソダス  作者: 風庭悠
第2章:銃と傘~護衛体技(ガード・アーツ)競技会編
11/42

第11話 ルールの裏の裏はなんと表だったりする件

大黒●季様ごめんなさい。

 2回戦は、これまた品評会の時と同じ、1on1、3on3、1on1の3本勝負である。エリカは単独だとパワー差がありすぎるため、3on3での登場となった。第一ファーストゲームのカレブが勝ち、次が俺たちの登場になる。ジョシュア、エリカ、そして俺のスリーマンセルである。アマレク人は護衛傘テクニカル・アンブレラをバカにしている。使用者の奴隷競技者を揶揄して「蝙蝠」と呼ぶものもいるくらいだ。


 「なによ。旧世界(オールド・オーダーじゃ蝙蝠だってヒーローをやってたんたんだから。」

その名前を言おうとするエリカの口を俺はふさいで首を振る。だめだめ。ちなみに俺たちが旧世界オールド・オーダーつまり地球の娯楽に詳しいのにはわけがある。奴隷は新たに娯楽作品を作ることを禁じられているのだ。そのため、残された地球のアーカイブから主に映画、TV、音楽などを楽しむしかないのだ。

 

 ところで、傘VS銃という戦いは、公式戦では今回が初めてのことらしい。 逆に防御に関しては傘が銃を上回る場面さえあるのだ。刺客アタッカーが銃を抜く瞬間に叩き落したり、腕の付け根を先で突いてやるのだ。ただ今回の試合ゲームは危なかった。

 

 俺が傘を張って護衛対象者クライアントに張り付き、二人が前に出て防御するという「鶴翼」というフォーメーションをとっていたのだが、一人に抜け出されてしまったのだ。ジョシュアがとっさに傘の柄で足をひっかけてくれ、その刺客アタッカーは前へつんのめって転んだ。まあ、その間にジョシュアはゴム弾で「射殺(判定)」されてしまったのだけど。でも、転んだ拍子に手放した敵の銃を俺は見逃さなかった。


 俺は銃を拾いあげるとそれを射ち、二人をゴム弾で「射殺(判定)」したのだ。ゲームは俺たちの勝利、と判定された。


「ちょっと、ゼロス…。」

チームメイトは予想外の展開に目が点になっていた。

当然、対戦チームは審判に抗議する。奴隷が銃を使用するのはルール違反であるという当然のものであった。やはり、会場にもブーイングがこだまする。審判員、そして対戦チームの監督、俺たちの調教師トレーナーが話し合った結果は会場にとって意外な結果だった。


「先ほどの、聖バテスト女学院チームの銃使用に関して、ルール違反という抗議がありましたので協議いたしました。ルールでは、奴隷が銃を保持したり、携行することを禁じておりますが、『使用』することは禁じられておりません。よって、この試合ゲームは判定通り、聖バテスト女学院の勝利といたします。」


 会場は不思議な雰囲気につついまれていた。対戦チームは青くなり、俺たちのチームは沸き返った。会場の笑いは苦笑であった。


 そして一番落ち込んでいたのは当の俺だったのである。


「ゼロス、お手柄よ。良くルールブックの穴に気が付いたわね。」

珍しくエリカに褒められた俺であったが、俺は浮かない顔を隠せない。

「まあな。でも、この裏技は準決の強襲アサルトまで伏せておくはずだったんだ。」

これで準決のプランは練り直さなければならないだろう。


「何言ってんの。お前欲張りすぎ。あそこでうたなきゃ準決どころか、ここでジ・エンドじゃないか。」

カレブも慰めてくれる。

「そうよ、俺たちゃ明日のわが身も知りえぬ、しがない奴隷なんだぜ。なんとかなるさ。」

ジョシュアの無責任な励ましはうれしくもあり、若干イラッとくる。その明日を考えるの押しつけてんのお前らだからな。ちなみにラザロは右手の親指を立ててウインクしてくれた。こういう時にこそいいことを言えばいいのに。


 しかし、何はともあれ準々決勝を勝たねば明日はない。俺は入念に準備運動を済ませると。目をつむり心を落ち着かせようとしていた。それもそのはず、準々決勝の種目は「狙撃阻止スナイパーハンター」俺が唯一ポイントを稼げる種目なのだ。

マー●ル様すみません。次回はアモン様も出るでよ。

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