第11話 ルールの裏の裏はなんと表だったりする件
大黒●季様ごめんなさい。
2回戦は、これまた品評会の時と同じ、1on1、3on3、1on1の3本勝負である。エリカは単独だとパワー差がありすぎるため、3on3での登場となった。第一ゲームのカレブが勝ち、次が俺たちの登場になる。ジョシュア、エリカ、そして俺のスリーマンセルである。アマレク人は護衛傘をバカにしている。使用者の奴隷競技者を揶揄して「蝙蝠」と呼ぶものもいるくらいだ。
「なによ。旧世界じゃ蝙蝠だってヒーローをやってたんたんだから。」
その名前を言おうとするエリカの口を俺はふさいで首を振る。だめだめ。ちなみに俺たちが旧世界つまり地球の娯楽に詳しいのにはわけがある。奴隷は新たに娯楽作品を作ることを禁じられているのだ。そのため、残された地球のアーカイブから主に映画、TV、音楽などを楽しむしかないのだ。
ところで、傘VS銃という戦いは、公式戦では今回が初めてのことらしい。 逆に防御に関しては傘が銃を上回る場面さえあるのだ。刺客が銃を抜く瞬間に叩き落したり、腕の付け根を先で突いてやるのだ。ただ今回の試合は危なかった。
俺が傘を張って護衛対象者に張り付き、二人が前に出て防御するという「鶴翼」というフォーメーションをとっていたのだが、一人に抜け出されてしまったのだ。ジョシュアがとっさに傘の柄で足をひっかけてくれ、その刺客は前へつんのめって転んだ。まあ、その間にジョシュアはゴム弾で「射殺(判定)」されてしまったのだけど。でも、転んだ拍子に手放した敵の銃を俺は見逃さなかった。
俺は銃を拾いあげるとそれを射ち、二人をゴム弾で「射殺(判定)」したのだ。ゲームは俺たちの勝利、と判定された。
「ちょっと、ゼロス…。」
チームメイトは予想外の展開に目が点になっていた。
当然、対戦チームは審判に抗議する。奴隷が銃を使用するのはルール違反であるという当然のものであった。やはり、会場にもブーイングがこだまする。審判員、そして対戦チームの監督、俺たちの調教師が話し合った結果は会場にとって意外な結果だった。
「先ほどの、聖バテスト女学院チームの銃使用に関して、ルール違反という抗議がありましたので協議いたしました。ルールでは、奴隷が銃を保持したり、携行することを禁じておりますが、『使用』することは禁じられておりません。よって、この試合は判定通り、聖バテスト女学院の勝利といたします。」
会場は不思議な雰囲気につついまれていた。対戦チームは青くなり、俺たちのチームは沸き返った。会場の笑いは苦笑であった。
そして一番落ち込んでいたのは当の俺だったのである。
「ゼロス、お手柄よ。良くルールブックの穴に気が付いたわね。」
珍しくエリカに褒められた俺であったが、俺は浮かない顔を隠せない。
「まあな。でも、この裏技は準決の強襲まで伏せておくはずだったんだ。」
これで準決のプランは練り直さなければならないだろう。
「何言ってんの。お前欲張りすぎ。あそこでうたなきゃ準決どころか、ここでジ・エンドじゃないか。」
カレブも慰めてくれる。
「そうよ、俺たちゃ明日のわが身も知りえぬ、しがない奴隷なんだぜ。なんとかなるさ。」
ジョシュアの無責任な励ましはうれしくもあり、若干イラッとくる。その明日を考えるの押しつけてんのお前らだからな。ちなみにラザロは右手の親指を立ててウインクしてくれた。こういう時にこそいいことを言えばいいのに。
しかし、何はともあれ準々決勝を勝たねば明日はない。俺は入念に準備運動を済ませると。目をつむり心を落ち着かせようとしていた。それもそのはず、準々決勝の種目は「狙撃阻止」俺が唯一ポイントを稼げる種目なのだ。
マー●ル様すみません。次回はアモン様も出るでよ。




