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人生フリーフォール状態の僕が、ユニークスキル【大落下】で逆に急上昇してしまった件~世のため人のためみんなのために戦ってたら知らぬ間に最強になってました  作者: THE TAKE
第2章 ペンラム国編

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第85話 青春無敵ザコと糞コミュ障陰キャつるぺた女王タマ



「なんやそれ。どないな意味や」


「そのままの、……意味です」


「わからん。ハッキリ言い」



 まぁるいお目々の珍獣は、時に厳しく、ズバンと本質を突いてくる。僕は下唇を噛みながら、「僕らは、……ここでお別れした方がいいと思うんだ」と告げた。



「ふーん。そらまぁ好きにしたらええわ。んで、それはなんでなん?」


「だって、……これ以上みんなに迷惑をかけるわけにはいかないから」



 するとポンさんは、心底馬鹿にしたように「ブブッ」とせせら笑いながら、「おのれホンマにアホやな」と僕のスネを蹴った。



「なんでだよ。僕とインフのことでみんなに迷惑をかけるのは本当だろ。これ以上僕らと一緒にいたら、みんなまで竜族やカーズルインに関係した人たちに命を狙われるんだよ!?」



 しかしポンさんは世界中の誰よりも白けた表情で、「ホンマもんのアホやで」と上乗せしてから言った。



「あんな、そもそもそれ、そこの姐ちゃんが自分の名を宣言した瞬間に終わった話やねん。名前を聞いてしまった瞬間から、俺やエルフどもは既に巻き込まれてて、界隈の人間全部敵にしたのと一緒の意味やねん」


「ど、どうしてそうなるのさ。まだ僕らの関係を知ってる人なんてほとんどいないじゃないか!?」



 チッチッと指を動かすポンさん。

 そしてインフのことをビシッと指さしながら言った。



「それこそ無知すぎてムチムチ坊っちゃんやで。こら姐ちゃん。キサンこそ、この事実をいつまで隠し通せる思てる? なんなら、そろそろタイムリミットや思ってるんちゃうか?」



 ポンさんの指摘に、インフも思わず口ごもった。「図星やな」と不敵に笑うポンさん。そして僕らをダブルピースで指さしながら付け加えた。



「言うとくで。俺らの関係性は、遠くない未来にバレると思って間違いない。なんなら竜の民については、姐ちゃん自身の身内や。既になんらかの異変を読み取っててもおかしない」


「え、そんな、だったら……」


「竜族の魔力探知力や人族の情報収集力を舐めたらあかん。そろそろ姐ちゃんやウタの関係性に気付く奴も出てくる頃や。よーするに、もう俺らのことは手遅れやねん。村長の様子見たやろ? あれ、もう覚悟して途方に暮れてんねん。ほぼ確実に真竜国と対峙する未来が見えてもうてるからな」



 思わず「え゛?」と声が漏れてしまう。

 どうやら僕が思っていたより深刻すぎる状況に、僕の脳裏もロードローラーをかけられたように、まっさらのまっ白になっていた。



「なら改めて聞こか。で、おのれはこれからどーするんや?」



 頭を目まぐるしく回る想定外に、僕は閉口してしまった。インフは気付いていたようで、僕の顔をチラチラ見つめながら、どこか申し訳無さそうに俯いている。



「ふーん。そうか、そうなんや。やっぱウタはそーゆー奴やったか。ホンマにダメな奴やで、ケッ(痰を吐く仕草)」



 ポンさんがヤクザの子分のように両ポケット(実際はないけど)に手を突っ込んで肩を強張らせる仕草をしながら凄みを利かせた。そして僕のスネをもう一度蹴りながら啖呵を切った。



「どないやねん、この薄情もんが。おのれら上級民族のヤカラは、俺らみたいな、よっわいよっわい庶民様を、ゴミみたいに見捨てるんでっかぁ!? カー、こりゃあかんわ、さっすが上級民族様やで」



 ゴゴゴと音がするほど怒り狂っているインフを隣に置いたまま、僕はまだ混乱していた。たとえそうだとしても、少しでも安全な方を選択すべきに決まってる。だとしたらどうするべきなのか。でもでも――


 舌打ちしたポンさんが、「煮えきらんのぉ!」と僕の肩に乗り、爪先で頬を突き刺した。そして顔面をこれでもかと近付けながら言う。



「だ~か~ら、おのれが僕ちんたち弱者を全力で守らんかい。よっわいよっわい俺様らぁを、貴様が汗水タラタラ流しながら必死こいて守るんや。まーだわからんのか、この情弱スカタンのゲーハー坊主!」



 頬をぷにぷにの両手でマフンマフンされながら「返事が聞こえんのぅ!?」と凄まれて、僕は思わず「はい」と答えてしまった。「よし」と頷いたポンさんが明後日の方を向きながらチョイチョイ誰かと呼びつけると、隠れていたカルラと村長が姿を現した。



「てことで、今後はこのボケが俺らを守るっちゅうことになったわ。しかーし、状況はすこぶるマズい! 戦力は『青春(アオハル)無敵ザコ』に『糞コミュ障陰キャつるぺた女王タマ』、それに『さまよう可哀想なエルフたち』だけときたもんや。この糞ショボ戦力だけで、どーやって敵さんを殲滅してくのか。ホンマ、神獣天才軍師様の腕の見せ所やで」



 短い腕をブンブン回しながら宣言する。

 僕は意味がわからず「え? え?」と困惑しながら村長やカルラを見回すことしかできない。



「こうなってしまった時点で、最善の方法なんぞ、もうこれしかないねん。おのれらが国滅ぼしたとか、正体が誰とか、そんなんどーでもええ。こっから俺らがどー動くべきか。そっちのが2兆倍重要や。せやろが!?」



 面倒くさそうにカルラが頷いた。

 村長は口を挟まず、成り行きを窺っている。



「ちゅうことで、こっからが重要や。おいウタ、おのれが何考えてるかは知らん。せやけど、こっから遊んでる暇はあらへんで。早速行動開始や!」



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