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人生フリーフォール状態の僕が、ユニークスキル【大落下】で逆に急上昇してしまった件~世のため人のためみんなのために戦ってたら知らぬ間に最強になってました  作者: THE TAKE
第1章 パパス村編

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第27話 言語習得


 躊躇なく僕の肩に乗ったウサギは、背後から僕のステータスボックスを覗き込んだ。するとその瞬間、前歯をガタガタ震わせながら驚愕し、「お代官様!?」と怯えた役者のように腰を抜かし、ひっくり返った。



「なんだよ、いちいち大袈裟だな。人みたいな反応して、いい加減に僕も怒るぞ」



 ムッとした僕に媚びでも売るように「へへへ」と両手を前で組んだウサギは、恐る恐る僕の背中に乗り直し、ボックス内の一つを前脚で示した。そこには『SP』と表示されていて、僕は言われるまま触れてみた。



「そういえば、レベルアップの時に表示されていたような、いないような……。これがなんなの?」



 ポンと押すと、突如ズラーッと大量の文字が表示され、僕は事態が理解できず「ふぁ!?」と声が漏れてしまう。しかしウサギは手慣れた様子で先導し、僕は言われるまま操作する。辿り着いた画面には、短い文字で何かが表示されていた。



「うん……? 神獣語……?」



 いいから押せと命じられるまま、僕はその文字をタッチした。すると文字がポワッと浮き出し、そのまま空中で解けたように分解し、どこからか『スキル、神獣語を習得しました』と聞こえてきた。



「神獣語を習得? なんだよそれ」


「そのまんま神獣語を取得したんちゃう。おのれ、あんま頭良くないやろ?」


「あんまり頭良くないって失礼だな。そんなことウサギのキミに…………、ってハァ!? ウサギが喋った!!?」


「俺はずっと前から喋ってるわ! おのれが全然理解してなかっただけや。ったく、これやから無知ヒュムは」



 突然人の言葉を話し始めたウサギは、ハァと項垂れながら僕のことを馬鹿にして上目遣いで見つめている。なんだか知らないけど、これはアレだ……

 また僕の身に、よくわからないことが起こってる!



「なんなのこれ、どういうこと!?」


「なんやおのれ。俺らの言葉を取得したで、話せるようになったんやろ。コロンコロンのおこちゃまでもわかる常識中の常識やで」


「言葉を……習得……?」


「おのれ、マジで言うてるんか。いやいや、チミね、さっき自分で神獣語習得したやん。だからこうして会話できるようになってるやんか」


「習得……? 会話……? ちょっと待って、頭が追っつかない」


「なんやねん。……あ、なるへそ。もしかして記憶喪失にでもなったんか。しゃーないな、そんなら教えたるわ。まず今のはヒューマンなら当たり前の能力や。ったく、もう一度見せてみ」



 僕の肩に乗ったウサギは、僕のステータスボックスを覗き込みながら、簡単な説明をしてくれた。

 自分の現時点のステータス確認と、所持スキルの表示。そして最も重要な項目として、先程の『SP』の文字をタッチした。



「コレはスキルポイントゆ~てな、チミらヒュムが覚えられるスキルの一覧が表示されんねん。コレはチミら種族特有の能力ってことで詳しくは知らんけど、前に教えてくれた奴がおってな。そいつの受け売りやな」


「スキルポイント……。それじゃあ、これは僕の」


「にしてもなぁ……。おのれ、一体何をしでかしたん。てか何者や?」


「え、僕は、……ただの冒険者だけど」


「ただの冒険者なわけあるかドアホ! 俺が小型の神獣やと思って馬鹿にしてるやろ!?」


「いや、別にしてませんけど……」


「レベル564の冒険者なんぞ、そんなん適当に存在して良いわけあらへんの! やっぱ舐めてんな、舐めてんなら一発カマスでゴラァ!?」



 話せるようになった途端、なんだかとっても攻撃的になったウサギの頭を殴りたくなった僕は、ゴチンと一発カマしてみた。しかしピーピー痛がりながら「次またやったら許さへんからな!」と半べそ状態だったので、これ以上やるのはやめておく。



「どっちにしろ、おのれみたいな冒険者は普通やない! 理解しぃやオォン!?」


「そっか、やっぱそうなんだ。…………うん、なんかそんな気はしてた。やっぱりそうかぁ」



 ウサギのテンションとは反比例し、僕はなんだか現実を突きつけられた気がして、そのままガクンと肩を落とし、体育座りし項垂れてしまった。突然のローテンションに驚いたのか、ウサギは空気を読んで、「まぁなんや、そう落ち込むなて」と肩を叩いてくれた。



「なんやよー知らんけど、生きてりゃ色々あるやん? 俺も色々あったし、今やこんなナリになってしもて、食うにも困る始末やん? おかげでさっきみたいに誰かの残飯狙ろて、コソコソ拝借するだけの無様な現状やで」



 どうやら元気付けようとしてくれているらしい。よくわからないけど、悪いモンスターじゃないかもしれない。



「にしても、チミホンマに何者なん。ステータスはベースのまんまやし、スキルはほぼゼロ。そんなヒュム見たことないで?」


「……そりゃそうさ。さっき初めて知ったんだから」


「ハァ!? 初めて知った奴のレベルが564ってなんや。カマスで、ホンマにカマスで!?」


「知らないものは知らないんだから仕方ないだろ。ハァ……、なんだか疲れたよ。もう暗くて移動も無理だし、ここで寝よう」


「ちょ、おい待てて! まだ話の途中でしょうが、勝手に寝るなて、オイて!?」



 僕はその場にゴロンと横になり、そのまま会話を無視して眠ってしまった。ウサギはずっと隣でゴチャゴチャ言っていたが、僕は酷い疲労に襲われ、深い深い眠りに苛まれてしまった――



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